【時視各角】韓国の自営業は世界最悪なのに…労働者だけが国民なのか(中央日報)
韓国の自営業は世界最悪だ。昨日今日ことではない。雇用人口の25.5%(無給家族従事者含む)が自営業者だ。経済協力開発機構(OECD)平均(15.8%)に比べてはるかに高い。それだけ競争が激しいという意味だ。飲食店は特に厳しい。人口1000人当たりの飲食店数は米国は0.6カ所なのに韓国は10.8カ所だ。一つだけあってもいい飲食店が3、4カ所、ひどいときには10カ所以上集まって必死に戦っている。そうでなくても景気の悪化で商売もうまくいかない。

このため所得も言うに及ばずだ。自営業者の世帯所得は約10年前も今も月300万ウォン(約30万円)前後だ。反面、同じような労働者世帯所得は今年第1四半期は月558万4000ウォンで歴代最高を記録した。借金はもっと多い。韓国銀行によると、自営業者の1世帯当たりの借金は1億1300万ウォン(2016年基準)で、常用労働者世帯(7700万ウォン)の1.5倍だった。儲けは少なく借金が多ければ結論は一つだ。滅びる。自営業の3年後の生存率は37%だ。3人中2人が財産を失い、体が傷つく。

このような苦痛は、主に350万人の零細自営業者、俗に小商工人(業種別で職員5〜10人未満)と呼ばれる彼らが引き受けている。最低賃金が急激に上がった今年第1四半期の零細自営業者(下位50%)の月所得は241万ウォンで、昨年(243万ウォン)に比べて1%減った。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今年5月、「非常に痛い地点」と言及したその場に350万零細自営業者がいるのだ。彼らにとって「低賃金労働者のための最低賃金の早期引き上げ」はそれこそ羨ましいスローガンだ。「私の月給からアルバイトにやれというのか」「労働者だけが国民か」から「最低賃金は自営業者構造調整のためのもの」という声まで出てくる理由だ。

自営業の没落は所得主も成長にも直撃弾だ。最低賃金が上がって店を閉めることになれば零細自営業者や就業者は皆所得が消える。ハンファ投資証券は16日、「家計所得が増えなかった本当の理由」に「自営業の衰退」を挙げた。さらに問題なのはこれからだ。60歳定年延長でずれ込んでいたベビーブーマー(1958〜63年生まれ)の退職が本格化する。今年58年生まれ73万人、来年59年生まれ74万人が巷にあふれる。これといった才能や技術のない者の相当数が再び自営業へと追い立てられるだろう。所得主も成長どころか所得衰退の不吉な前奏曲が流れている。
(引用ここまで)

 もちろん、ムン・ジェインにとっては労働者だけが国民なのですよ。
 正確にいうなら「労働組合に属することのできる労働者だけ」が国民。
 労組を組めない有象無象なんて一顧だにする必要がない。なぜって票にならないから。
 民主労総や韓国労総といった労組を束ねるナショナルセンターであれば票になるし、表に裏に活動してもらえますが。
 自営業者が店を閉めてまで応援してくれるかといったらそんなことはない。
 というわけで街にあふれるチキン屋の声が政権に届くことなどないのです。

 そもそもが最低賃金の大幅な上昇自体、雇用が保障されている労働組合員にとっては有利な話。
 明日に雇用を切られてもおかしくないアルバイト、パートにとっては「まず雇用が継続されるかどうか」が問題になるわけですからね。
 ムン・ジェインが本質的にどこを向いて政治をしているのか、よく分かるというものです。
 本当に「最下層を救う」というのであれば、サオジョン(実質45歳定年制度)からやりたくもない自営業をやらなくちゃいけないという構造に手を入れるべきだったのですが。
 そんな構造改革をして失敗したら目も当てられないので、命じればそれで終わりの最低賃金を上げて終わりってことにしたのでしょう。
 一応、公約でもありますしね。