「不動産の罠」に陥った中産階級... 老後まで住宅価格だけ見続ける(韓国経済・朝鮮語)
毎月50万ウォンずつ、30年間投資すれば6億ウォンに到達するのに……「一発逆転」しか見えない30代(韓国経済・朝鮮語)
「不動産の手抜いてグローバル投資しろ」(東亞日報・朝鮮語)
中小企業に通うソン次長(40)は、仕事に行く途中に常にアパート相場を確認する。1年前、ソウル市恩平区のアパートを約4億ウォンで購入後から習慣と化している。後悔はない。住宅保証金をまた借りるよりも無理にでも家を買うのがよいという判断した。しかし、ますます心配だ。住宅ローンだけで2億3000万ウォン。退職年金も加えた。元金どころか利子60万ウォンが給料350万ウォンからそのまま通帳を通り過ぎていく。大韓民国の中産階級における現実である。老後のために財テクをしたいのに元手がない。一日一日、住宅価格が上がるよう望むだけだ。今でも他の人のように、不動産に残りの人生を賭けて歩まなければならないかを心配している人が珍しくない。

大韓民国の中産階級は、不動産を除けばなにも持ってないといっても過言ではない。家計資産の統計情報を適切に見れば現実を直視することができる。(中略)

統計庁と韓国銀行の統計では、住宅のチョンセ資金(保証金)が金融資産に分類される。 (中略)

統計庁の家計の金融福祉調査のマイクロデータを分析した結果、チョンセ資金を差し引いた実際の金融資産は、全体の資産の19.2%に過ぎなかった。実物資産の割合が80.8%に達する。ここで考慮しなければならないのが負債である。住宅ローンなどの負債が全体の資産の18.2%水準である。借金を返せば、金融資産はほぼ「ゼロ」に近いということだ。 (中略)

社会新人の30代も不動産市場に積極的に参入している。積極的に融資を受け、自己の住宅や商店オフィステルに投資している。30代世帯主の44.6%が自分の家を用意し、22.6%は、オフィスビルや商店街などに投資した。住宅ローンのある世帯の割合は47.5%で半分に近い。 (中略)

毎月の利息返済さえ難しい状態で非常に「財テクギャンブル」をしている場合もある。これら金利が本格上昇すると「ハウスプア」や「オフィステルプア」に転落する恐れがある。
(引用ここまで)
引退後に適正な生活を維持するには、月に237万ウォン(新韓銀行・引退準備ガイドブック)は必要である。65歳から85歳までの20年間書くと仮定すると、5億6880万ウォンが必要である。国民年金に20年間お金を注いだ人が受ける年金額(月平均88万ウォン)を勘案しても、3億5700万ウォンは、自ら準備しなければならないという話だ。

しかし、このような大金を用意している中産階級はごく少数だ。ほとんどのアパートのような不動産に資金を縛られている。引退を目前にして、一歩遅れて準備に乗り出して3億ウォン台の資金を調達するのは通常は困難ではない。社会新人の頃から、事前準備が必要なのだが現実はそうではない。若い世代は不動産「ギャップ投資」や仮想通貨のような投機色の強い投資に陥っている。相当数が、金融商品自体に関心がない。 (中略)

統計庁の家計の金融福祉調査マイクロデータを分析してみると、30代の総資産のうち実績配当金融商品の割合は2.2%に過ぎなかった。世代別比較した場合、最も少ない。一方、実物資産の割合は82%と最も高い。基本的に余裕のある金がなく、財テクをしても、オフィスビルや商店街などの不動産に借金をして投資する事例が多い。短期間の高収益を上げることができる商品で、30代の資金が集まる傾向が顕著である。
(引用ここまで)

 韓国で「投資」といえば不動産投機を意味するほどのレベルで不動産への投資に集中しています。
 韓国人の持つ資産の90%が不動産であるとされています。
 株、投資信託といった方向性はゼロではありませんが、2番目の記事曰く30代の総資産において2%しかない。
 30代に人気の投資は仮想通貨とギャップ投資なんだそうで。
 一時期、ムン・ジェイン政権は仮想通貨の取引所をすべて閉鎖させようとしていましたが、この世代の根強い反対で覆されました。
 ギャップ投資とは「不動産を借金で購入して、その不動産を担保に借金して不動産を購入し(以下略)」という投資を繰り返す不動産投機の手段。
 株で言うところの信用3階建て、その不動産版みたいなものですね。

 どちらも「儲けられる時は山ほど儲けられるけども、損をする場合は目も当てられない」ような投資手法です。スーパーハイリスクハイリターン。
 韓国における経済的な上下格差はアメリカのそれにほぼ等しいので、一発勝負に出るという志向性が大きくなるのは理解できなくもないのですが。
 仮想通貨の取引を中止させようとしたときの嘆きは予想外なくらいに大きいものでした。「もう我々に残された逆転のチャンスはこれしかないのになんでそれまで取り上げようとするんだ!」みたいなコメントが延々と書かれていましたっけね。

 この「一発逆転」しか見据えないという志向性はひとつ前のエントリで書いた「会社員として現役でいられる時期が短い」ということと無関係ではないと思えるのです。
 さすがに最近になって「そんな一発勝負で儲けられるのは一握りの人間だ」ということで、今回ピックアップしたような記事も増えているのですけどね。
 それでも不動産投資やら仮想通貨にしか手を出してないというのは、ごく近い未来しか見ていない。遠い未来を見る余裕がない。
 合計特殊出生率が1を割り込むような極端な少子化が現在進行形で進んでしまっているのは、あるていどの遠い未来を見ることができないからだ、ということもできるかもしれません。

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楽韓さんがメインとして使っているのは楽天証券。サブでSBI証券。
つみたてNISA、iDeCoにバンガード社の全米、全世界インデックスファンドが使えるのがなにより強み。