「韓国の労働運動、こんなことなら30年もやるんじゃなかった」(朝鮮日報)
 「韓国の労働運動が現在のように(労働者間の)格差を拡大・深刻化させ、構造化すると分かっていたら、私は労働運動をしなかっただろう。」

 文成賢(ムン・ソンヒョン)経済社会労働委員会(以下、労使政委)委員長=写真=は25日、国会環境労働委員会の業務報告に出席した際、野党・自由韓国党イム・イジャ議員との質疑応答で「30年間、私なりに正義だと信じながら労働運動をしてきたが、今になってみると正義ではないこともあった。それには民労総(全国民主労働組合総連盟)にも責任がある」と述べた。そして、「民労総はこれまでの慣行と決別し、新たな未来に向かって行かなければならない」とも語った。大企業・正規職労働者中心の民労総が既得権に執着するうちに強硬闘争中心路線を歩むようになり、結局は労働者間の格差を広げたという意味だと見られる。 (中略)

 これは、イム・イジャ議員が同日、「民労総は賃金や雇用などの既得権を手放したくなくて『光州型雇用』にも反対している。民労総に本心からの助言をしてほしい」と言ったのに対して、文成賢委員長が答えた言葉だ。光州型雇用とは、現代自動車の平均賃金(年間約9200万ウォン=約920万円)の半額程度に当たる年間3000万ウォン半ば−4000万ウォン台(約300万円半ば−400万円台)の賃金を受け取る新しい正規職雇用を創出する構想だ。しかし、労組は「正規職の賃金を下方平準化する『中規職』」だとして反対している。
(引用ここまで)

 何度も「民主労総(この記事では民労総という略称)は世界最悪の労働組合」と書いていますが、正確には労働組合のナショナルセンターであって、労組をまとめ上げている組織ですね。
 ただ、民主労総はある企業で労働争議があったときに他の労働組合から動員をかけたりするようなこともあって、闘争を厭わないことで知られている「世界最悪の労組ナショナルセンター」であることになんら変わりはないのですが。
 まあ、正確なことを一度書いておくべきだろうなということで。

 で、これまで「労働者の権利を獲得するために30年間、労働運動をしてきたがこれほどまでに格差が拡がるのであれば間違いだったとする民主労総出身の労働活動家が述べているそうですよ。
 なにをいまさらってとこですかね。
 少なくとも21世紀前後には大手労働組合に属している社員とそれ以外の格差は問題になっていましたよ。
 これまで30年も労働運動をやってきたのであれば、どう少なめに見積もっても労働運動の半分は間違いに費やしてきたといっても過言ではないでしょうね。
 なにしろ「労働組合に所属している労働者は世襲制でその子女まで雇用が約束されている」のですから。
 そんな世界を好んで作ってきたのはキミたちでしょってことです。
 民主労総傘下の金属労組に所属しているヒュンダイ自動車の労働組合の重鎮が「韓国国内の工場はロシアや中国といった海外工場になにひとつ敵わない」と告白(自己批判?)していましたが。
 巨大な怪物である財閥に対抗するために自らも怪物と化していることに気がつきはじめたってとこですかね。
 ま、もう戻ることはできないのですが。

 ところで光州市が主導して「他の自動車製造工場の半分の賃金でいいので工場を建ててください」というプロジェクトが進行しているのですが。
 案の定、民主労総は反対に回っているそうですよ。
 うん、知ってた

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二宮誠
講談社
2016/3/16