読者の意見:暴力デモ鎮圧で有罪、警察官の士気を落とす判決(朝鮮日報)
 現場で30年以上にわたり数々の暴力デモに対処した経験を持つ元警察官だ。2015年に「民衆総決起」と呼ばれる暴力デモが行われた際、デモ隊への対応が過剰だったとの理由で複数の機動隊員が起訴され、有罪判決を受けた。これに対して仲間の警察官や機動隊員たちが1億ウォン(約1000万円)を集めて本人たちに提供したとのニュースに心を痛めた。

 現役の警察官や警察OBたちをさらにつらい思いにさせたのは、一連の事件をめぐる警察幹部らの態度だ。当初は「公権力の正当な執行」と主張していたのが、政権が変わると「間違っていた」として謝罪した。警察のトップは現場の警察官たちが困難な状況に追い込まれたときは積極的に彼らを守り、時には盾の役割も果たさねばならない。そのような信頼があってこそ警察官の士気は高まる。そう考えると今回の事件と裁判に対する警察トップの態度は組織全体の士気を大きく低下させるものだった。

 時に戦場を思わせるような暴力デモの現場で放水車を動かすときは「警告放水、曲射放水」などが原則だが、これを守りながら暴力デモを鎮圧するのは実際のところ不可能だ。もちろん人命重視という趣旨は理解できるが、これは警察が自らを自縄自縛に追い込んでしまう原則だ。

 自分自身の危険を顧みず治安を守り秩序維持に当たる警察官を罰すれば、今後同じような任務に当たる警察官たちはやる気をなくし、保身ばかりを考えるようになるだろう。
(引用ここまで)

 2015年の暴力デモは何度か動画を出していますが、こんな様子でした。
 ちなみにこういった動画を撮影して暴力デモの本性を晒した人間を特定しようなんて動きもあったとのこと。


 封鎖している警察バスを破壊して、光化門広場から大統領府に乱入しようとしていたのですが。
 警察もそれを防ぐために放水銃やカプサイシン銃で対抗していました。動画でデモ側が咳き込んでいるシーンが多く映っていますが、おそらくカプサイシン銃を使われたあとということでしょう。
 その際に動員された農協系の組合員のひとりが近距離から放水銃の直撃を受けて亡くなっています。
 「この放水銃直撃で370キロの空手のパンチ力と同じくらいの力を加えられた。ただし、テコンドー選手のパンチ力は415キロだけどな」という記事が出てましたっけ。

 こういった対応に対して過剰対応だったということで有罪判決が下されて、かつその罰金を支払うために警官らがカンパを行ったと。
 韓国では消防士が消火活動中になにか壊しても即時強制が適応されないのですよ。それと同じで警官がデモ鎮圧でなにかを起こすと個人の責任になって組織ではなく個人が賠償責任を負うのですね。
 ここまでは韓国ではよくある風景。

 さらに警察上層部がパク・クネ政権時代には「正当な職務執行だった」と言っていたものが、ムン・ジェイン政権になってから「あれは間違いだった」と前言を翻して謝罪したと。

 記事中にもありますが今後、同じようなデモがあっても警官は有罪判決を受けるのが怖くてまともな対応はできなくなるかな。
 こうしたデモ鎮圧に向かわされるのは多くが義務警察、要するに徴兵制度で集められてきた若者であって、職業として警官を選んだわけではないというのも大きいでしょう。
 これで有罪判決でも受けようものならその後の就職に不利になるというのも大きな要素。
 まあ、もっとも2023年までで義務警察制度は終了するとのことなのでそういう意味での犠牲者は今後いなくなるのでしょうが。

 あの暴力デモを放水銃で鎮圧しようとして有罪判決を受けるんじゃ「やってらんねーわ」という気分が蔓延することでしょうよ。
 ちなみにこのあとの2015年12月に行われたデモは一般人がそこそこ参加したこともあって、平和裏に成立したのです。この体験が後のろうそくデモにつながるのですが。まあ、なんかの機会があったら語りましょう。

私は貝になりたい―あるBC級戦犯の叫び
加藤 哲太郎
春秋社
1994/10/25