韓国にいら立つ北朝鮮 開城工業団地と金剛山観光事業の再開促す(聯合ニュース)
米国務省 北朝鮮の開城団地再稼働要求を一蹴「閉鎖決定を支持」(聯合ニュース)
 労働新聞は論評で、「青瓦台(韓国大統領府)の主は変わったが、以前の保守政権がしでかした開城工業地区の閉鎖や金剛山観光の中断に対する収拾策を口に出す考えすらせず、むしろ外部勢力に便乗して制裁・圧力リストに新しいことを付け加えようとしている」と非難した。

 また、南北間の鉄道と道路連結に向けた実務協議と軍事会談の開催、卓球の国際大会での南北合同チームの優勝、朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族の再会行事準備などを挙げ、「関係改善へ勢いある実践的な流れにつながるものでなく、雰囲気作りにとどまっている」と指摘。「北と南の間でいくつかの事業が行われているが、うわべだけにすぎず、実があるものはほぼない」と不満をあらわにした。
(引用ここまで)
米国務省の関係者は7月31日(現地時間)、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の論評要請に対し、「国務省は安定を阻害する、挑発的な北朝鮮の行動に対抗して開城工業団地を閉鎖した16年の決定を支持する」と表明した。

 また、「次第に増す北朝鮮の脅威と、複数の国連安全保障理事会の決議に対する露骨な無視」が閉鎖の背景にあったと説明した。
(引用ここまで)

 北朝鮮が開城工業団地と金剛山観光の再開について「早く再開しろ!」とあからさまに要求してきましたね。
 「板門店宣言はなんだったんだ」「民族の絶景である金剛山は共有すべきもの」といった大げさなアナウンスを労働新聞でした、と。
 で、それに対してアメリカは「2016年の閉鎖決定を支持する(再開は許さない)」と一蹴。

 当初の予想とは異なり、焦る北朝鮮に対して、鷹揚に構えるアメリカという構図になりつつあるなぁ……。
 去年の北朝鮮における経済成長率はマイナス3.5%と見られています。
 今年はさらに下落するのではないかとの話。
 経済制裁がきっちり功を奏しているということになるのでしょう。

 だからこそ北朝鮮としては南北関係を突破口にしたい。
 なにしろ、ムン・ジェインは公約として開城工業団地の再開を述べていたほどですから。
 もっともアメリカからは前もって釘を刺す形で「開城工業団地再開には反対だ」と表明されていた……というのは今回と同じ構造ですね。

 その一方で最低賃金高騰に苦しむ韓国の軽工業にとっては、開城工業団地再開は恵みの雨にもなるような話でして。
 以前に進出していた企業の代表ら153人が南北会談後に「開城の現状はどうなっているのか確認したい」と申し出てたのですよ。
 これについても韓国側は保留。

開城団地関係者の訪朝申請を保留 時期尚早と判断か=韓国(聯合ニュース) 

 ポンペオ国務長官から「非核化なしには制裁解除はできない」と電話会談で釘を刺された結果でした。
 ムン・ジェイン政権としては本当に制裁解除をしたくてたまらないような状況のようですが。
 現状でできていることはアジア大会で南北統一チーム結成くらいなもの。
 南北首脳会談が開催されて、かつ板門店宣言が掲げられてから3ヶ月。
 なにか情勢の変化があったのかといえばなにもなし。相変わらず制裁は厳しく課されているし、「韓国船が北朝鮮産石炭の瀬取に協力していた」なんてリークもされるくらいでむしろ監視は強化されている。
 まあ、北朝鮮側が焦るのも分からないではないですかね。