物陰に男、不自然な携帯電話 記者も尾行された韓国の夜(朝日新聞)
 7月のある夜。韓国焼酎を飲みながら、「この前は大変だった」と取材先がため息をついた。彼は脱北者。北朝鮮の警察・軍事機関にいた人物で、私が定期的に会食している取材先の一人だ。

 前回会った5月末に気になることがあった。食堂に入る時、尾行されている気配を感じたからだ。若い男が後をついてくる。念のため、店にすぐ入らずに様子をうかがった。若い男は携帯電話をいじりながら、十数メートル離れた物陰に立っている。思い切って近づくと、きびすを返して立ち去った。会食して別れる際、取材先の脱北者に「もしかすると、尾行されるかもしれない。気をつけて」と言って送り出した。

 果たして7月に再会したとき、この取材先はその後のいきさつを語ってくれた。駅で地下鉄を待っていると、自分に注がれる複数の視線を感じた。男性が2人、女性が1人。取材先は私の「警告」が頭の隅にあり、列車の中でもさりげなく周囲をうかがっていた。するとこの3人が代わるがわる取材先のそばに張り付いたという。1人は不自然な格好で携帯電話を操作していた。「私の顔写真を撮影したのだと思う」。取材先はそう言いながら、焼酎をあおった。
(引用ここまで)

 朝日新聞の牧野愛博ソウル支局長が尾行された、という話。
 ちらっと調べたのですが紙面にはなかったのでオンライン版のみのレポートなのでしょう。
 尾行したのは国家情報院(旧KCIA)か軍の情報機関である機務司令部(キムサ。最近、戒厳令をパク・クネ政権に提案した件で叩かれまくっています)の要員かその協力者ではないかとの憶測が載っています。

 牧野支局長は北朝鮮関連ではスクープを連発し、朝日新聞が韓国大統領府から出入り禁止処分になったことは記憶に新しいところ。
 出禁の直接的な韓国の国家安保室長がボルトン補佐官に対して、北朝鮮の核兵器を海外に搬出する形で非核化を行うのはどうだろうという提案をしていた、という記事ですね。
 これに対して北朝鮮当局が「我々の頭越しにそんな提案をしたのは本当か?」と激怒して詰問してきたので「朝日新聞の報道が嘘」ということにせざるを得なかった、というわけで朝日新聞を出禁にしたというのが真相であるなんて話もありましたね。

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が名誉毀損で告訴されていた時にも、盗聴や尾行があったと著書で明らかにしていました。
 国内メディアは抑えつけることができても、「韓国の実情」を暴いてしまう外国の特派員は目の上のたんこぶといったところなのでしょう。
 特に牧野支局長はスクープを連発していることもあって、政府内部・大統領府内部にいるであろう情報源を特定したいのでしょうね。

加藤達也産経新聞前ソウル支局長の尾行、盗聴についてはこの本に
なぜ私は韓国に勝てたか 朴槿惠政権との500日戦争
加藤達也
産経新聞出版
2016/2/2

牧野愛博朝日新聞ソウル支局長の情報源の深さはこの本でよく分かると思います。
北朝鮮核危機 全内幕 (朝日新書)
牧野 愛博
朝日新聞出版
2018/2/13