【コラム】権力に最敬礼する韓国企業(朝鮮日報)
 7月9日にインド・ウッタルプラデシュ州ノイダでサムスン電子の新工場竣工式が行われた。同社の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、わずか5〜6秒の間に4回も深くお辞儀した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が車から降り、数歩歩く間の光景だ。国の最高指導者に礼を尽くしたのだろうが、何か違和感を感じた。

 サムスン電子はノイダ工場に6億5000万ドル(約722億円)を投資した。世界最大の携帯電話工場で、年間1億2000万台を生産する。サムスンにとっては誇らしいものだ。現地で3万5000人の雇用を創出するもので、韓国にとっては強固な外交資産となる。文大統領も祝辞で「インドと韓国の相互協力の象徴だ」と指摘した。

 しかし、サムスンはそれ相応の待遇が得られなかった。テープカットでは李副会長は脇に追いやられ、中央には文大統領とインドのモディ首相が立った。文大統領のそばには中小ベンチャー企業部(省に相当)の洪鍾学(ホン・ジョンハク)長官と外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が並び、李副会長の位置はその次だった。会場の席順も文大統領と李副会長の間に康、洪両長官が座った。 (中略)

 雇用こそ最高の福祉と言われる時代だ。この時代には企業経営者を丁重にもてなす。現政権も口では「雇用が福祉」と言っている。ところが、実際の政策と行為は異なる。青瓦台(大統領府)のキム・ウィギョム報道官は、文大統領のインド訪問前の記者説明で、「青瓦台が李副会長を招いたわけではない」と述べた。この言葉からテープカットでなぜ李副会長が中央に立てなかったのかが分かる。誰が誰を招くかを決めるのか。主客が入れ替わるにも程がある。なぜ「青瓦台が招いたわけではない」と敢えて語ったのか。支持層を意識したためだとの見方がある。それならば、大韓民国大統領を代弁したのではなく、特定の政治勢力の首長を代弁したことになる。

 李在鎔副会長が「90度のお辞儀」をしたのもそのためだ。李副会長は国政介入事件でまだ裁判を受ける身だが、それが理由で大統領に過度に恭しくするのは正しいとは言えない。大統領が大法院(最高裁に相当)の判決にまで影響を与えるとは考えられないからだ。

 お辞儀は副会長個人としてのものではなく、企業が政治権力に対して行ったものだ。主客を逆転させる力に対する礼だ。特定の企業オーナー一族に対し、11の国家機関を動員し、15回も家宅捜索を行い、令状が何度棄却されても、5回も逮捕状を取ろうとした権力に対する恭順だ。
(引用ここまで)

 サムスン電子のインド工場で行われたテープカットでセンターに立っていたのがムン・ジェインとインドのモディ首相。
 ムン・ジェインの横に中小ベンチャー企業部長官、外交部長官というふたりの大臣が並んで、サムスン電子の実質的総裁であるイ・ジェヨンはその次に並ばされた。
 自社工場のテープカットに序列4位として並ばされる、というところが現在のムン・ジェイン政権における財閥の立場というものを如実に現していますね。
 おまけに大統領府からは「大統領府はこのテープカットセレモニーにイ・ジェヨンを招いていない」とまで宣言されてしまう。

 もう一度書きますが、テープカットがあったのは「サムスン電子のインド工場」ですよ。
 世界最大規模のスマートフォン組み立て工場に投資し、建造したのはサムスン電子。
 イ・ジェヨンはそのサムスン電子の副会長。その父親であり会長のイ・ゴンヒは生きているけど生きていない状況なので、実質的には財閥の総帥。
 それがテープカットで序列4位に追いやられ、なおかつ「我々は彼を招いていない」と大統領府から直々に言われてしまう。
 ムン・ジェインが大統領に就任してから、韓国最大の企業の長とはじめて会う場所が海外であるということ自体も異常でしたが、この「招いていない」宣言やテープカットで序列4位に追いやられることはそれ以上の異常さ。
 ちなみにその際に「韓国国内にも投資して雇用を増やしてくれることを願う」と言われて「努力します」と言わされるというオマケつき。

 昨日、イ・ジェヨンとキム・ドンヨン経済担当副首相兼企画財政部長官が会談したのですが、会談が発表された時点で保守派メディアからは「企業を締め上げて投資をぶんどるつもりだ」とされ、かつ左派メディアからは「財閥に阿るつもりか」とそれぞれ糾弾されるという状況。
 事前からキム・ドンヨンからメディアに向けて「遺憾の意」が出される始末。
 ムン・ジェイン政権と財閥の相性が根本から悪い、ということでしょうね。

韓国・北朝鮮はこうなる!
呉善花 / 加藤達也
ワック
2018/7/21