あちこちに「灯りの点かないアパート」……「入居者がない」(ハンギョンビジネス・朝鮮語)
京畿道龍仁市処仁区のアパート。退勤時間をはるかに過ぎたものの、電灯の点いている窓は指で数えるほど少ない。道を行き来する入居者もさほどいない。摂氏38度に至る猛暑が失せるほどに雰囲気は寒い。

このような風景がすでに5年目だ。このアパートは、2010年のグローバル金融危機の影響で、不動産景気が低迷し、「直撃弾」を受けた場所である。以後、売れ残った物件を相場より安値で賃貸に回したり、割引分譲を引き続き行った最後にたどり着いた84峽疹型アパートだけが入居者を探している。しかし、まだ大型坪数200世帯は未分譲のまま残っている。

完成後の売れ残りされたアパート、いわゆる「灯りのないアパート」は「悪性売れ残り」に分類される。住宅価格が下落することはもちろん、周辺の不動産市場にも否定的なイメージを残す。ところが最近分譲された京畿道の一部アパートで悪性売れ残りの兆しが表示されている。

アパート入居物量が急増している烏山・龍仁・平沢・金浦・南楊市地域である。7月24日、これらの地域の一部を見て回った結果、灯りのないアパートがあちこちで目についた。にも関わらず、これらの地域には、今後数十棟のアパートが建設される予定であり、今でも新規分譲が進んでいる。

この日訪れた不動産仲介業者は、一つのように活気に満ちた姿である。アパートを分譲を受けた家主が借家人を探すために、不動産仲介業者を続けて出入りした。しかし、表情は明るくない。烏山東灘2新都市の南部地域の不動産仲介業者で会ったアパートの大家もそうだった。

彼はしきりにため息をついた。分譲を受けたマンションが昨年5月に入居を開始したが、まだ入居していなかった。自分は既存の家に住んで分譲されたマンションを貸し出す計画だったが、借家人を見つけられず、残金を確保できていないためだ。

入居指定期間が終わってしまえば融資を受けることは容易ではない。彼は「アパートを売却しようとしても、売り先がない」とし「一度、延滞金を出しても借家人を見つける必要がある状況です」と述べた。 (中略)

状況がこのようになっている京畿道地域の住宅売買取引の減少を見ても明白になっている。国土交通部が調査した6月の京畿道の住宅販売取引量は3万1521件で、前年同期より44.9%減少した。同じ期間、全国33.6%、地方17.6%減少したことと対比される。
(引用ここまで)

 ソウルの周辺地域である京畿道のマンション(記事中ではアパート)でも入居者が見つからずに、不動産価格下落が心配されている状況になりつつある……という話。
 ちょっと前のエントリで書いた話の詳報です。
 去年からすでに地方では不動産価格が下落しつつあるという話は出ていたのですよ。
 ですが、ソウルではマンション価格は上がる一方。
 そして首都圏でもまだ上がっていた……という状況だったのですが。

 今年になってからちょっと情勢が変わっています。ソウルではいまだに分譲後に価格が上昇するというパターンが続いているのですが。
 記事のように首都圏である京畿道では入居者がいない。
 首都圏まで不動産価格下落の波が押し寄せてきた、ということですね。
 これがソウルにまで波及するのであれば、何度か書いている不動産爆弾が炸裂します。

 よりによって経済無策のムン・ジェイン政権時に。
 とにかくムン・ジェインは不動産投機が大嫌いで、自らの閣僚も「不動産投機の経験があったら登用しない」と大統領戦で公約として述べていたほどでした。
 ま、もっとも国会議員、つまり韓国に上位層で不動産投機をしていない人物なんているはずもなく。
 「公約と実際の国政運営は異なる」とかいう言い訳で登用してましたけどね。
 そもそもが不動産下落の傾向が首都圏にまで波及してきたのは、大統領就任からすぐに行われた不動産融資規制の効果だとされています。
 あれは素早かったなぁ……他の規制緩和とか1年3ヶ月が経過してもまるで手を出していないのに、わずか2ヶ月で決まったほどでした。
 「韓国人の誰もが不動産を入手できるように」みたいな錦の旗を掲げていたので、誰も反対できないのですよ。

 韓国人の持つ資産の9割が不動産であるとされています。誰も彼もが不動産を入手することに躍起になっているせいで、株式市場への資金流入が足りていないとすらされるほど。
 とりあえず、ムン・ジェインの手による規制で最後の牙城であるソウル以外の不動産価格は下落に転じました。
 さて、「日が西から出ても江南の不動産価格は下落しない」とまでされている江南不敗神話。
 最近の統計を見ると月毎では下落に転じることもあるのですが、四半期ベースではまだ上昇基調。
 「悪のブルジョア」をムン・ジェインは倒すことができるのでしょうか。
 倒したところで待っているのは平和ではないのですけどね。

藤原正明
幻冬舎メディアコンサルティング
2018/3/30