文在寅政権の所得主導政策に異論、孤立する韓国経済副首相(朝鮮日報)
国会予算決算特別委員会に出席したキム副首相は27日、「所得分配の悪化は『所得主導成長』のせいか」と問われたのに対し、「所得主導成長と最低賃金引き上げが雇用に与える影響に関しては、最下位階層、自営業、生活が苦しい方々に一部否定的に作用した側面があり、一部耳を傾けるべき部分がある」と答弁した。続いて、「所得主導成長が一方的に過ちだったとか、問題がなかったとかいう極端な主張は望ましくない」と指摘した。キム副首相の見方は、「(所得主導成長が)正しい経済政策基調だ」という文在寅大統領や「最近の雇用・家計所得指標は、所得主導成長を加速しろと言っているものだ」という張夏成政策室長の見方とは全く異なる。

 青瓦台は文在寅政権発足以降、一貫してキム副首相を「経済の司令塔」と位置づけてきた。しかし、最近の雇用情勢悪化、所得分配悪化で経済指標の信頼性が問題となり、それを収拾する過程では、キム副首相の役割は存在は見えてこなかった。大統領が経済指標まで持ち出して成果を説明したことも、政策室長が大統領の説明を補足したことも前例はあまりない。その過程からキム副首相は徹底して排除された。

 キム副首相外しは最近のことではない。教授・市民団体出身の張室長と官僚出身のキム副首相は、最低賃金の副作用、政府がサムスンに半導体工場投資を迫ったとされる問題などで何度も対立した。キム副首相外しが指摘されるたびに、青瓦台は「経済の司令塔はキム・ドンヨンだ」と火消しに追われた。しかし、市場はもはや青瓦台の説明を信じない。先週末の大統領発言を背景にして、張室長はキム副首相の経済の司令塔としての役割を否定するかのような発言までした。 (中略)

 しかし、キム副首相がポストを守るとしても、内閣や市場からは権威が失墜するのではないかとの懸念が聞かれる。また、張室長とキム副首相に代表される「にわか公務員」と「生涯公務員」の対決で、生涯公務員が事実上完敗を喫し、今後の政策運営の中心がこれまでよりも青瓦台に移り、理念化するのではないかと予想されている。元政府高官は「こうしたムードで官僚はアイデアを出したり、熱心に働いたりできるはずがない」と漏らした。
(引用ここまで)

 以前にも書きましたが、キム・ドンヨンはもともとは企画財政部の経済官僚
 イ・ミョンバク政権時代には第2次官という高位についていたいわゆる「高級官僚」というヤツですね。さすがに数十年に渡って公務員をやってきただけのことはあって、実務派といっていいでしょう。
 これまでも何度か、「私見だが格差拡大は最低賃金引き上げと無関係とは思えない」というような発言をしてきて、その度に大統領府から糾弾されています。
 先日、サムスン電子副会長(実質的な支配者)であるイ・ジェヨンと会談したのですが、その際にも「財閥脱却がムン・ジェイン政権の基本方針だというのにヤツはなにをしているのだ」と叩かれていましたね。
 一般的な経済対策をしようとする度に叩かれるという不条理。
 教科書に載っているような普通の経済対策はムン・ジェイン政権にとっては悪なのでしょう。

 独創的な、これまでにない経済政策を打ち出すことが、ろうそく革命によって選ばれし民衆のための政治家であるムン・ジェイン政権のやるべきことであると。
 旧政権をすべて否定してなんぼ、なんてやりかたは通用しないと思うのですけどね。
 そのわりには雇用対策費として54兆ウォンも費やしておきながら、雇用も格差も悪化させておいてすべての責任を統計庁長に押しつけるとかやっていることが卑怯なのですが(笑)。

 所得主導成長という政策そのものは正しいのだから、うまくいかないのにはどこかに間違いを犯している人間がいるからだ、ということなのでしょうね。
 次はキム・ドンヨンの更迭かなぁ……。「ろうそく革命の精神に反している」とかで。
 やっていることが旧ソ連の劣化コピーで苦笑せざるをえませんね。

生物学と経済学の違いはありますが……。
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中村 禎里
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2017/7/19