米国は通貨で韓国に「お仕置き」する(日経ビジネスオンライン)
──文在寅政権は「米国が通貨を使って脅してくる」と分かっているのでしょうか。

鈴置:大統領自身は分かっていると思います。経済は全くの素人です。が、盟友の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権がスタートする直前に米国が韓国の格付けを落とすことで恫喝してきたと回顧録『文在寅の運命』に記しています(「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」参照)。

 露骨に北の核武装を幇助すれば、米国に通貨危機を起こされると大統領自身は警戒しているでしょう。親北派が中核を占めるこの政権に対する唯一の歯止めが、通貨危機への恐怖だと思います。

──では、韓国はどうするのですか?

鈴置:日本と通貨スワップを結ぶ手があります。すでに韓国の財界はスワップ締結を求めています。韓国政府も「2トラック」と称し暗に要求し始めました。

 歴史問題では日本攻撃の手を緩めないが、それ以外では協力しよう――スワップは結べ、という虫のいい要求ですが。
(引用ここまで)

 久々に鈴置さんの「早読み 深読み 朝鮮半島」から。
 アメリカは「韓国の倒しかた」を知っている、という話。
 それが通貨であると。
 そのことを強く認識している韓国政府はアメリカの出口戦略での利上げにも焦っていて米韓、日韓の通貨スワップ協定を欲しているのだけども、もちろんアメリカはそんなものに応じない。
 そして日本も「問題をマネージ」している最中なので、応じないでしょうね。

 ちと事情と経緯を見てみましょうか。

 現在のアメリカの政策金利は1.75-2%ですが、この27日には恐らく利上げが決定されて2-2.25%になると思われます。
 韓国の政策金利は現状で1.5%。まだ乖離は小さいのですが、年内にもう一度0.25%の利上げがあった場合には最大で1%の乖離が生じます。
 韓国内からの資本逃避が生じるには充分な金利差ですね。
 とはいえ、韓国国内の不況は深刻、かつ利上げは家計負債を直撃するので利上げに踏み切ることはできないでしょう。
 失業率とか見れば本来は利下げしたいくらいというのが本音ではないかなと。
 政策金利についてはまったく動きが取れないのが実際のところ。

 さて、今年の春頃から韓国の財界から日韓で通貨スワップ協定を結ばないとやばいという声が挙がりはじめました。
 年初にアメリカのFRBが年内の利上げは4回になると示唆したのが効いているのでしょうね。
 日本の経団連にあたる組織である全経連から3月には傘下のシンクタンクから「アメリカ、日本との通貨スワップ協定が必要だ」というレポートが出て、6月には全経連の会長(現在はGSグループの会長であるホ・チャンス)が来日し、自民党を訪問して通貨スワップ協定再開を建議しています

 政界からも恥知らずなことに、カン・ギョンファ外交部長官は去年年末の来日時に通貨スワップ協定再開を要請。あれは驚いたわ……。
 ついで2月5月には韓国銀行総裁から、5月にはさらにキム・ドンヨン経済担当副首相兼企画財政部長官からも「実現に向けて努力したい」なんていう妄言が出てきました。
 外務省、中央銀行、財務省のトップが揃って乞うている状況って異常でしょ。

 2017年初頭に日本政府が釜山の日本総領事館横の慰安婦像設置への対抗措置として通貨スワップ協定再開協議を停止しました。
 その際には企画財政部(財務相相当)の次官補(当時)から「日韓通貨スワップ協定は必要ない。でも日本が必要として望むなら協議再開は拒まない」とかいうセリフが出てきたのですが。
 日本から「必要だ」と言い出す理由はなんなのか当時から楽しみにしていたのですけどね(笑)。

 今度の自民党総裁選挙に勝利した場合、安倍政権は最長で2021年まで。
 少なくとも安倍総理の任期中には無理でしょうねぇ……。それまで通貨危機が起こらないことを祈りはしていますが。日本に職を求めに来られても困るので。
 まあ、それ以降も国民感情からして無理だとは思いますけどね。