南北首脳会談:核兵器・施設の申告なし、典型的なサラミ戦術を受け入れた韓国(朝鮮日報)
 しかし金正恩氏は現在保有している核兵器、核物質、核施設などを自ら公表する「核申告」やその手続きには言及しなかった。これは米国が求めるレベルと非常に大きな開きがある。今年5月に米ニューヨーク・タイムズ紙は米ランド研究所の見方として「北朝鮮は20−60個の核弾頭と40−100カ所の核施設を持っている」と報じた。北朝鮮がこれまで確保した核物質はプルトニウム40−50キロ、高濃縮ウラン600−700キロほどに達するという。北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む1000発以上の様々な弾道ミサイルも保有している。これらの「今ある核」の廃棄こそ「完全な非核化」の核心事項だ。しかし北朝鮮はこれらについて全く言及しておらず、リストの提出も拒否している。

 かつて国立外交院の院長を務めた尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は「核リストの提出こそ非核化に向けたプロセスの第一歩だが、これに関する内容は一切なく、他の場所にウラン濃縮施設を建設しておきながら、すでに役目を終えた寧辺核施設の廃棄についても意思表明をしただけだ」と指摘する。尹氏の見方は言い換えれば「北朝鮮の非核化プロセスを100とすれば、その中の1について恩着せがましい態度でやるかどうかに言及しただけ」ということになる。国家安保戦略研究院のパク・ビョングァン研究員も「北朝鮮はすでに手にしている核兵器や核技術については何も語らず、周辺的なことしか語らない。しかもそれさえ条件付きだ」との見方を示した。

 豊渓里の核実験場を爆破した時のように「北朝鮮が一部の施設を勝手に選ぶことも問題」との指摘もある。峨山政策研究院安保統一センターのシン・ボムチョル所長は「非核化の対象となる施設を北朝鮮が勝手に選び、廃棄し、それに対する見返りを求めるのは北朝鮮式の段階的かつ同時的な解決作というべきものだが、韓国政府がそれを正式に受け入れたのは大問題だ」とした上で「(韓国政府が北朝鮮の)典型的なサラミ戦術を受け入れたことは、今後の非核化交渉で自らの足元をすくう合意に韓国が応じたことになる」として今回の合意に批判的だ。
(引用ここまで)

 「100のプロセスのうち、1について恩着せがましい態度でやるかどうかに言及しただけ」というコメントが、今回のムン・ジェインによるピョンヤン訪問のすべてを言い表していますね。
 それをもって「非核化に進捗が見られた」ということはできるでしょうが、その進捗の内容に関して納得している人間ばかりではないということです。
 というか納得しているのはムン・ジェインくらいなものでしょう。
 金大中、ノ・ムヒョンに続いてピョンヤン訪問を実現させ、韓国の大統領としてははじめて「朝鮮民族発祥の地」とされている白頭山に登った。
 そして歴史的な板門店宣言に続いて「非核化に進展のあった」ピョンヤン宣言に署名した。

 誰がなんといおうとも、今回の南北首脳会談は成功裏に終わったことになっているのです。
 というか南北首脳会談を行った以上、それが失敗であったなんてことはあり得ないのですね。
 その前提のためにはサラミ戦術というより、朝鮮民族伝統ののらりくらり戦術を認めるくらいはするでしょうよ。
 正直、非核化の進展に関してはゼロというのが実際。
 これ以降、南北首脳会談が何度繰り返されようとも、なんら重要性を持ち得なくなるであろうことが見えてきたというのが収穫ですかね。注目の必要なし、ということはよく分かりました。
 まあ、今月の国連で行われるであろう米韓首脳会談でどうなるか……が本番ではないかと思われます。