信じていた米軍高等訓練機の受注失敗……KAI、株価・信用度どうすべきか(イーデイリー・朝鮮語)
韓国10大防衛関連企業の売上急減、いま業界で何が起きているのか(朝鮮日報)
韓国航空宇宙産業(KAI)が念願の産業だった米国空軍次期高等訓練機(APT)受注で苦杯を飲んだ。KAIが当該事業を行うものと楽観していた投資家は、株価暴落に損失が避けられなくなった。 (中略)

契約金額は、当初の予想水準の最大190億ドル(約21兆1000億ウォン)を大きく下回る92億ドル(約10兆2000億ウォン)水準で知られている。当初100台以上の生産経験を保有しているロッキードマーチン・KAIコンソーシアムが新規訓練機を開発したボーイングより価格競争力の面で有利であるという観測があったが、ボーイング入札価格がより低いものと業界は見ている。

入札受注の可能性が高かった時期にコンソーシアムに参加したKAI株価はこれまで強気を示した。マーケットポイントによると、8月から今月27日までに42%上昇した。しかし、期待と異なる入札結果のニュースに28日、会社の株価は価格制限幅に近い29.8%の下げ幅を記録した。
(引用ここまで)
 韓国航空宇宙産業(KAI)が28日、米空軍の高等練習機更新事業(APT事業)受注に失敗したことを受け、韓国の防衛産業は停滞期に陥っているではないかという懸念が拡大している。わけても航空業界では強く心配している。KAIは韓国唯一の航空機総合組立企業で、KAIが揺らぐと韓国の航空産業全般が打撃を被りかねない。 (中略)

KAI側は「韓国型戦闘機(KFX)事業、小型武装ヘリ(LHX)事業、偵察衛星事業を進めているので成長には問題ない」という立場だ。しかし、防衛産業界の見方は異なる。KFX事業は2026年まで開発を進め、その後ようやく量産体制に入る予定になっている。それまではKFX事業がKAIの売上に寄与することはない、ということだ。現在生産中の「スリオン」ヘリとFA50軽攻撃機についても、数年以内にやることがなくなるだろうと考えられている。米空軍の高等練習機など他の事業の受注がなければ、今後生産ラインの維持が困難になりかねない。 (中略)

 海外への輸出も期待ほどは成果を挙げられずにいる。現在、韓国防衛産業の売上全体に占める内需の割合は85%に達し、輸出の成果もごく一部の大企業に限られている。専門家らは「防衛関連企業の原泉技術不足が理由ということもあり得るが、政府の支援も不十分」と指摘した

 ある防衛産業関係者は「防衛産業関連の問題が生じたら、監査院や検察が出てきて問答無用で不正や積弊と決めつけるのが公式のようになってきた。これでは、海外で韓国製の兵器を高く評価してもらえるはずがない」と語った。
(引用ここまで)

 T-50がアメリカの次期高等練習機に選定されなかったことで、韓国では唯一の航空メーカーであるKAIが追い詰められるのではないかというお話。
 なぜか韓国ではここ何ヶ月か「選定は決まったも同然」みたいな報道が相次いでまして、T-50を製造するKAIの株価が異常なくらいに上昇していたのです。

 2017年年初には7万ウォンほどだった株価は、ムン・ジェインが政権についてから右肩下がりで7月20日時点で3万2500ウォンと半額以下になっていたことから割安感が出てました。
 このあたりから右肩上がりで選定前日には5万ウォンまで高騰したのですよ。
 で、28日にはボーイング/SAABのBTX-1が選定されて、一気に30%の下落で3万5100ウォンに。

 KAIはパク・クネにロビー工作をしかけていたということから社長が逮捕されて、副社長は自殺。おまけに粉飾決算で株価は下落
 ムン・ジェイン政権から「パク・クネに連なる積弊企業」として突き上げられている状況だったのです。
 株価下落はこのあたりが原因だったのですね。
 その追い詰められた状況から脱するためにも次期高等練習機に選定されることが必要と報道されていて、過度に期待が膨らんでいたというのもあります。

 けっきょく現在のところ、KAIにはT-50とスリオンしか手持ちがないのですね。
 KF-Xもありますが、まだ設計段階で2021年には実物大モックの試作1号機、2022年に初飛行予定の実機というくらいのスケジュールで事業として行える量産はまだまだ先。
 現在のところ開発終了は2026年とか言ってますが、確実に遅延するでしょう。
 というわけでT-50とスリオンが韓国軍に完納されてしまうと、KAIにはやることがなくなってしまう。
 T-50シリーズは輸出できているといってもタイの4機をはじめとして、これまでたったの28機だけ。
 量産するような機会はもうないのではないかと。
 そういう意味においても、今回のAPT事業から脱落したのは大きな失敗となるわけです。

 ただ、そういう「事業の継続」という観点で見るとボーイングに戦闘機を作るノウハウを持たせ続けなければならないという部分もあって、アメリカはボーイングを選ぶだろうなとは思っていたのですが。
 韓国の「もう決まったも同然」みたいな報道が「なんでここまで思い込めるんだろう」と不思議だったのですよね。
 「なにかリークでもあったのかなぁ」と思っていたのですが、ただの思い込みだったっていう。これまでと同じパターンと言えばその通りなのですけども。