北朝鮮外相「先に非核化せず」、終戦宣言など要求(日経新聞)
北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は29日、国連総会の一般討論演説で、核実験やミサイル発射を停止したにもかかわらず「米国からは相応の反応がない」と批判した。「米国との信頼なくしては国家の安全保障に自信を持つことはできず、先に一方的に武装解除することは断じてない」と強調。朝鮮戦争の終戦宣言を通じた体制の保証を要求し、非核化措置の先行を否定した。

李外相は約15分間演説した。金正恩(キム・ジョンウン)委員長が米朝や南北の首脳会談で「完全な非核化」を表明したことを踏まえ、朝鮮半島の平和に貢献していると主張。一方で国連安全保障理事会の制裁は「変わらず残ったままだ」として緩和を要求した。南北関係は改善したとする半面、「米国は非核化が第一だと強調して朝鮮戦争の終戦宣言にも反対している」と譲歩を迫った。

またトランプ米政権内で北朝鮮の非核化の意思を疑問視する声があることについて、6月の米朝首脳会談での共同声明が「米国内政治の犠牲となれば予期せぬ結末を迎えるのは米国だ」とも警告した。
(引用ここまで)

 あらまあ、我慢できずに北朝鮮のほうが前に来ちゃったか。
 この非核化を巡る外交戦はチキンレースだったのですよ。
 というか、北朝鮮だけがチキンレースに参加していてアメリカは高みの見物をしていたというべきか。

 そもそも、これまでと同じように引きこもったままで核開発やっていれば立場的にはそこまで追い詰められることもなかったんですが。
 南北首脳会談、米朝首脳会談と前に出てきたこと自体が北朝鮮が弱っているというなによりの証左なのですよ。
 制裁が北朝鮮の国体を揺らすほどになっているという自白であるのです。
 前に出てきてしまったからこそ「非核化する」と言わなくちゃいけなくなったし、アメリカから非核化についての条件も突きつけられるようになっている。

 おそらくは以前の寧辺冷却塔爆破と同じようにマスコミの前で施設爆破でもすれば「平和が訪れた」って大騒ぎするんじゃねえのっていう感じで、10年前とまったく同じかたちでプンゲリの核実験場を爆破したのだけどもアメリカからのリアクションはほぼゼロ。
 以前と同じやりかたをしているのに、通用しなくなっていることに焦っているのでしょうね。
 今年になってから4月末、5月末、9月頭と南北首脳会談を繰り返しているのは、操りやすいと見たムン・ジェインを完全に引きこもうという考えからでしょう。
 板門店宣言だの平壌共同宣言だのを連発しているのも同じ理由から。

 で、今回はついに我慢しきれなくなって「アメリカは我々のやっていることを評価すべきだ」とか言い出しはじめちゃった。
 なるほどね、と。
 でも、アメリカのやることはおそらく中国とロシアに「制裁を緩めるな」という通達のみ。
 北朝鮮を相手にする必要はなく、長期戦で締め上げればいいというのが基本方針になっているという感じですかね。

北朝鮮 核の資金源―「国連捜査」秘録―
古川勝久
新潮社
2017/12/22