数百億円の列車、運行できず放置=韓国(中央日報)
総額2000億ウォン(約200億円)の事業費を投入して開発した先端ティルティング(Tilting)列車と超高速海霧(HEMU−430X)列車が事実上、使用されず放置されている。これら列車の開発が終わる頃に政府の政策が変更したからだ。

国会国土交通委員会で宋錫俊(ソン・ソクジュン)議員(自由韓国党)が国土交通部から提出を受けた資料「ティルティング列車・海霧(ヘム)列車開発現況と活用案」によると、ティルティング列車の開発に860億ウォン、海霧列車に1140億ウォンが投入された。これを合わせると2000億ウォン規模だ。しかしこれら列車は現在、活用案もなく忠清北道五松(オソン)の韓国鉄道施設公団五松車両基地に長期保管されている。 (中略)

時速420キロに達し、フランス(575キロ)、中国(486キロ)、日本(443キロ)に続いて世界で4番目に速い海霧列車も事情は同じだ。2007年に開発に着手した海霧列車は2013年3月、最高時速421.4キロを出し、注目を集めた。

海霧はKTXのように一番前と後ろの動力車が車両を引っ張っていく動力集中式でなく、動力が各車両に分かれているため別の動力車が必要のない動力分散式車両で、外国の超高速列車もほとんどがこの方式だ。

2012年5月に開かれた海霧列車出庫式で当時の権度ヨプ(クォン・ドヨプ)国土海洋部長官は「中国、日本をはじめとする世界各国が高速列車の開発に努力している状況の中、430キロ級の高速列車の開発に成功したことで年間250兆ウォンにのぼる世界市場でシェアを確保できるようになった」と述べた。ソウル−釜山(プサン)を1時間30分で走破し、輸出もするというのが政府の計画だった。

しかしその後、海霧列車が高速で走るために必要な線路や信号システムなどの改良事業は全く進まなかった。新設された湖南(ホナム)高速鉄道の一部区間に試験線が建設されたのがすべてだ。さらに海霧列車の商用化のために必要な線路改良規模と費用推算のために鉄道施設公団が昨年推進した研究も国土部が中断させたことが分かった。
(引用ここまで)

 2014年に「時速420km出せる次世代KTX」という触れこみで開発完了がアナウンスされたのがHEMU-430Xでした。
 プロトタイプは2012年に公開されていまして「ベンチ上では時速430kmを記録した」ということでHEMU-430X。
 当時、「トレッドミルでなら100mを10秒切ったみたいな話だな」と言ってましたが、KORAILは真面目に「ソウル−釜山間を1時間半で結んでみせる」と大見得を切っていましたね。

 その後、現在あるKTXの路線で走らせてみたところ、ソウル−釜山間を停車駅がふたつしかない理想的な走行状態でも平均時速で219kmしか出せずに1時間54分にしかならなかったという状況でした。
 現状のKTX2でも2時間30分ほどかかるのですが、これは停車駅がソウルと釜山を含めて10ある状態で。
 要するに高速鉄道を走らせるには車両だけあってもダメで、軌道が整備され、信号システム等々のインフラが揃ってないことがダメっていう当たり前の話が分かっただけだったというオチ。

 現状のKTX2の最高時速は305kmくらいなのですが、これをHEMU-430X用に時速350kmが出せるようにインフラ改良するとさらに6700億ウォンが必要になるという試算でした。
 そんなお金を出しても1時間半でソウルー釜山間を結ぶことはおそらく無理。
 ということで封印された、と。

 ヘムが「海霧」であるという知見が得られたのが最大の収穫かな。
 なんでそれが高速鉄道のネーミングに用いられたのかは不明ですが。
 実に韓国的なオチであったように思いますね。