韓国自動車産業を襲う雇用不安、造船業界と同じ轍を踏む懸念も(朝鮮日報)
GM韓国、群山工場閉鎖で…部品会社の数億円のロボットは処分?(中央日報)
 輸出と内需の同時減少による「自動車雇用ショック」が押し寄せている。8月の自動車製造業の直接雇用(雇用保険加入者数)は39万1000人で、前年末(40万人)に比べ9000人減少した。製造業、サービス業を通じ、雇用の減少幅が造船業と並んで大きかった。自動車産業が「第2の造船業」に転落するのではないかという懸念が生じている。

 韓国の自動車生産台数は2012年に456万台でピークを迎えた後、昨年は411万台まで減少した。今年は400万台の生産すら危うい。韓国の自動車生産が400万台を初めて超えたのは2010年(427万台)だったが、韓国の自動車産業の規模は10年前の水準に逆戻りすることになる。

 現代・起亜自動車の営業利益率は限界企業(利益で利払いも賄えない企業)レベルの2−3%台に低下し、韓国GMは不渡り直前の事態となり、政府やGM本社の資金投入で延命している。最低賃金引き上げ、労働時間短縮などの悪材料も重なり、部品メーカーの連鎖倒産も現実となっている。

 産業研究院による分析の結果、韓国の中堅部品メーカー100社中82社は、今年上半期の平均営業利益が前年比で半減。31社は営業赤字を出した。現代自動車の1次下請け業者、理韓のワークアウト(金融機関主導の経営再建)申請(7月)に続き、中堅部品メーカー、ダイナメク、クムムン産業、イーウォンソルテックなどが相次いで法定管理(会社更生法適用に相当)に入った。

 こうした状況で雇用労働部は「不法派遣の是正を」と企業に圧力をかけている。雇用労働部は国民の血税で延命する韓国GMに対し、昌原と富平の工場の下請け業者社員約1600人を直接雇用するよう命じ、一部の中小企業に対しても派遣労働の実態調査を実施した。

 自動車産業の危機が韓国経済に与える影響はメガトン級だ。直接雇用規模は造船業(12万8000人)の3倍に上り、輸送、整備、販売、資材などの裾野も含めると、177万人の雇用に影響を与える。自動車産業は韓国の輸出全体の11%(昨年時点)を占める。
(引用ここまで)
売上高1000億ウォン前後だったこの工場の今年上半期の売上高は約20億ウォン。正社員180人だったこの工場で今は28人だけが勤務している。L取締役は「残りの人員の30%を年内に追加で削減するしかない状況」と語った。

自動車産業の土台となる部品会社の生態系が崩れている。産業研究院が自動車部品100社を対象に調査した結果、31社が上半期に営業赤字を出した。前年同期比の営業利益は半減(−49・2%)し、売上高(−3.8%)も減った。

これは国内自動車産業が沈滞した影響だ。国内自動車企業は2011年(465万台)から生産台数が減少(411万台、2017年)している。自動車企業の悪化した経営実績が自動車系列会社に広がり、1次→2次→3次協力会社の順に影響を及ぼしている。中小企業研究院のイ・ドンジュ企画調整本部長は「国際通貨基金(IMF)通貨危機から20年ぶりに中堅部品企業が倒産している」とし「自動車産業生態系の崩壊の兆候」と警告した。

韓国自動車産業は大企業を頂点にしたピラミッド式の構造であり、不況の波及力は大きい。垂直的な産業構造では自動車が咳をすれば中小部品社は「肺炎」になる。
(引用ここまで)
 延々と人員調整を続けている造船に続いて、自動車産業がダメになりそうという状況。
 正確にいうと、韓国国内にある自動車工場が危うい状況になっているのですよね。
 2年前、韓国国内で465万台を製造していたものが今年は400万台を切ることが確実。
 9月実績で前年同月比の国内販売は17.5%減、輸出は6.5%減。
 5年連続で減収減益。

 ヒュンダイ・キア自動車の営業利益の推移はこんな感じ。

2012年 8兆4406奥ウォン
2013年 8兆3160億ウォン
2014年 7兆5500億ウォン
2015年 6兆5100億ウォン
2016年 5兆1940億ウォン
2017年 4兆5750億ウォン

 前にもちらっと書きましたが、安倍政権になってからこっちの為替が効いてますね。
 ソウルの江南に土地を1兆円で買って、ヒュンダイ自動車本社ビルを建てようなんて言い出したのは2014年。まだこの頃は余裕があったってことですかね。

 今年の上半期の営業利益は前年同期比37.1%減の1兆6320億ウォン。
 通年は3兆ウォンの大台を割り込まずには済むかな……といったところ。
 中国市場の販売台数がTHAAD騒動のあった去年からみたら20%以上反動で増えているのでどうにかなっているって感じです。それでも一昨年のレベルにまですら戻っていないのですが。

 何度か語っているように人の介在するシーンを最低限にすべき資本集約産業産業の半導体や化学工場とは異なり、労働集約型産業の典型例である自動車、造船はとにかく労働者の数が必要となるのです。
 雇用を増やすのであれば、これらの企業を充実させることが比較的楽な方法といえます。

 でも、ムン・ジェイン政権は財閥に親でも殺されたのかってくらいに自動車企業を叩いてます。
 ヒュンダイ自動車参加のキア自動車に非正規労働者をすべて正規労働者に転換せよと圧力をかけたり、韓国GMに「不法派遣をやめろ」と追徴金を課したり。

 でもまあ、まだ自動車企業の本体は大丈夫なのでしょう。
 周辺の部品製造会社は笑っちゃうくらいにバタバタ倒れているとのこと。
 資本の集積が少ない中小企業から倒れていくというのは実に教科書的な動きですね。
 そんな教科書通りの動きに対して、教科書にない所得主導成長で立ち向かおうとするムン・ジェイン政権を日本人は応援すべきなのでしょう。
 がんばれ、ムン・ジェイン! 理想の社会を実現するその日まで!!