安倍首相が英国にTPP参加ラブコール…韓国は?(中央日報)
安倍首相がブレグジット(英国のEU離脱)を控えた英国に対し、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を歓迎するという立場を明らかにした。

安倍首相は7日(現地時間)、フィナンシャルタイムズのインタビューで「英国はブレグジットによって欧州への玄関口ではなくなるものの、世界的な力をもつ国であり続ける」とし「英国がTPPに参加する場合、両手を広げて歓迎する」と述べた。 (中略)

一方、韓国はTPPに参加するかどうかを年内に決める方針だ。5月に日本を訪問した白雲揆(ペク・ウンギュ)前産業通商資源部長官は世耕弘成経済産業相と会談し、このように伝えた。
(引用ここまで)

 以前にもイギリスはTPPとコモンウェルスの両輪でEU脱退後をフォローするのではないかというようなことを書いたことがあります。
 発足以前からイギリスはTPP11に興味を示していて、フィナンシャルタイムズや日経あたりが「加入もあるか」的な記事をいくつか書いていますね。7月にはイギリス政府から「加入に関心がある」という声明も出ています。タイとコロンビアがそれに先んじて加入するという話もあります。

 イギリスはEUを脱退するのに、同じような多国間の枠組みであるTPPに加入する動きは矛盾しているのではないかともいわれることがあるのですが。
 TPPはEUとは異なって政治的な要素が少ない、経済的な枠組みに過ぎない。
 「決められたルールを守るのであれば仲良く貿易しましょう」というグループ。貿易ルールありきであって、政治的な取り決めは最小限。
 EUの前身であるEC、ECCはソ連に対抗する組織であるという側面も大きかったので、どうしても政治的な要素が大きい。「欧州統合」なんてハナから無理な話だったという話でもあります。
 「加盟国からの労働者を無条件に受け入れろ」という条件が無理だったし、「難民をこれだけ受け入れろ」とか大きなお世話だって感じはじめている、ということなのですよね。
 あとどの国もドイツが嫌い。

 特にイギリスはコモンウェルスがあり、インド、カナダ、オーストラリアで経済を廻すことができる。それにTPPも加わればEU離脱分を補えるという考えなのでしょう。
 日本にとってもイギリスはアメリカを挟んだ同盟国同士。民主主義、かつ自由主義陣営に属する国家であり、ダイヤモンド防衛構想にインド、オーストラリアもろとも引きこむこともできる心強い国といえますね。
 イギリスにとってはEU離脱後のフォロー策として、日本にとってはダイヤモンド防衛構想も含めた対中国包囲網への加入として、TPP11への加入は相思相愛といえるでしょう。

 まあ……自由主義陣営、かつ民主主義国家。さらにアメリカを挟んでの同盟国同士という条件が並んでいるはずの国が日本の隣にあるはずなのですが。
 さらにいえばその国はイギリスにとってのインドやオーストラリアと同じ位置にあるはずなのですが。
 TPPは前述したように貿易ルール優先なので韓国が加盟申請をしてきたところで日本政府が同意するかどうか難しいところですけどね。実際、TPP11の交渉中に加盟を打診してきたことがあるのですが、あっさりとお祈りメールを出されています
 ……発足後の加入もねぇ。できるんでしょうかね?
 ぱっと見の条件は揃っているように見えるのですが。

2時間でわかる 図解貿易新ルール入門 ―――TPP11、EPA(日欧EPA)、FTA、関税撤廃、一帯一路ってニュースでよくきくけどそれって、いったい何?
中田一良
あさ出版
2018/2/24