「残存価値0ウォン」……坂道すら上がれない「缶戦車」(KBS)
[アンカー] 韓国のみ国防予算はなんと40兆ウォンになります。 ところが、まだ前方部隊に坂道も上がれず、がたがたと道を走る戦車が百台も配置されています。
残存価値がなくとうの昔に廃棄されるべきだった戦車が最前方の安全保障を担当しているわけです。 (中略)

[レポート] 轟音を出して姿を現わす戦車。
1977年に導入され、40年以上運用されているM48戦車です。 平地での最高速度は時速50km。ところが、実際には20kmに止まります。
20度を超える傾斜路は、車体を返し後進に上がるという笑えないことも起きます。
四方の敵戦車を攻撃するためのターレットの回転数は毎分4から5回、韓国軍の主力K-1戦車の半分に過ぎません。
夜間照準に500m以上のターゲットは、特定すら困難である。

M48戦車乗員:「現在は照準線のみで識別し、実際に詳細に見なくてはならない(標的が)識別できるかどうか不明です」

現代戦はおろか、基本的な作戦遂行能力も低下しているこのような戦車が前方と動員師団に6百台運用されています。
中止された部品を他の戦車のメンテナンスに使ういわゆる「共食い整備」も限界状況です。

シンヒョンヨン/准尉/戦車大隊輸送整備課長:「戦闘部隊の任務遂行をするために訓練する必要がありますが、整備をしているだけで訓練することができる時間が減っていきます」

陸軍がM48戦車の経済性を分析した結果です。
すでに2011年に1台平均整備費用が戦車を維持したとき得られる利益、すなわち、残存価値を超えました。
使えば使うほど損害が生じるわけです。

残存価値は年々減少ついに今年は「0ウォン」文字通り「缶戦車」になりました。
K-2次期戦車が老朽戦車を置き換える必要がありましたが、エンジンの開発などの国産化問題で退役が延ばされてきたせいです。

アン・ギュベク/共に民主党議員/国防委員長:「将兵の安全まで脅かすことができますので、一日も早く淘汰させ、K-2など次期戦車の戦力化作業を早めてください」

陸軍はM48戦車の維持に伴う損失コストを2020年には1600億ウォン、2030年には3000億ウォンと推算した。
(引用ここまで)

 韓国陸軍ではM48A3/M48A5パットンがまだまだ現役。
 それも200輌/400輌という大規模運用中。
 最大の理由は38度線の休戦ラインに沿って2000輌を越えるという膨大な数の戦車を配備しなければならないという韓国独自の理由があるのです。
 北朝鮮は3500輛を越える戦車を配備しており、それに対抗しなければならないというドクトリンがあるのですね。

 当初、K-2の生産予定が600輌であったのはこれらのパットン戦車を完全に入れ替えるという腹積もりだったからでしょう。
 ただ、韓国の技術力の問題から最初の100輌はドイツ製パワーパックを導入せざるを得なくなりまして。
 追加生産からは国産パワーパックを搭載とされていたのですが、最終的には国産エンジンとドイツ製ギアボックスを組み合わせるという折衷案に落ち着きかけているのは既報の通り。
 個人的にはまだまだK-2のパワーパック問題については紛糾するのではないかと見ていますけどね。
 自称名品兵器だったはずが、当初生産予定数の半分で配備終了というのはパワーパック以外にもなんらかの問題があるはずですから。

 で、結果としてパットン戦車600両を2025年まで使うことに決定したのだそうですよ。
 どんだけ物持ちがいいのやら。
 K-2は追加生産で総計300輌ちょっとの配備になることが決まっています。で、パットン戦車が600両減数。現在の主力戦車の総配備数は2400輛ほどとされているので、2025年には2100輛前後になるってことですか。
 一応、1000輛が配備されているK-1初期生産型には近代化改修が予定されています。すべてを改修するかどうかは不明。泥縄。
 一度、主力装備の生産に失敗するとこうなってしまうといういい例ですね。
 日本もF-3生産には最大の配慮が必要ってことがよく分かります。