【社説】経済見通し悪化で金利据え置き…いつまで「待て」というのか=韓国(中央日報)
【取材日記】韓国の造船・自動車産業衰退…個人所得トップだった蔚山市の没落(中央日報)
昨日、政策金利(年1.50%)を据え置いた韓国銀行(韓銀)金融通貨委員会の決定には悩みが感じるられる。市場は今回の金融通貨委員会の決定をいつよりも注目していた。韓米間の政策金利の差による資本流出の可能性、首都圏住居価格の暴騰を誘発した流動性過剰などを考慮して金利を引き上げるべきだという声が出ていたからだ。しかし悪化の一途をたどっている実物経済の指標を見ると、とうてい金利を引き上げることはできないという韓銀の悩みがあった。 (中略)

市場は今回見送った金利引き上げを11月の金融通貨委員会で決める可能性が高いとみている。
(引用ここまで)
全国不動産価格情報を公開する「不動産114」が最近、目を引く資料を出した。全国7大特別市・広域市のうち唯一、蔚山(ウルサン)の不動産価格だけが落ちていた。10月12日を基準にソウルのマンション平均伝貰(チョンセ、住宅賃貸方式の一つ)保証金は4億6588万ウォン(約4650万円)と、2年前の4億2584万ウォンに比べ9.4%上がった。同じ期間、全国の平均変動率は4.1%の上昇だった。しかし蔚山のマンション伝貰保証金は2年前より2.6%(1億8492万ウォン→1億8018万ウォン)下落した。韓国鑑定院の資料では年初から9カ月間に8.37%落ちた。下落率は全国1位だ。

売買価格も同じだ。韓国鑑定院によると、今年1−9月に蔚山のマンション売買価格は6.81%落ちた。同じく全国で下落率1位だ。全国的に不動産価格が上がる中での下落であり、よりいっそう目立った。 (中略)

かつて蔚山は「富裕度」が全国トップの都市だった。「蔚山では犬も1万ウォン札をくわえて歩く」と言われたところだ。2011年に地方自治体で初めて輸出1000億ドルを超え、1人あたりの個人所得も9年連続(2007−15年)1位だった。しかし2016年に1人あたりの個人所得1位をソウルに明け渡した。蔚山の失業率は4月(5.9%)、7月(4.9%)、9月(5%)に全国最高となった。昨年の自営業廃業率は13%と、全国で光州(クァンジュ)広域市に続いて2番目に高かった。人口の流出が多いため地方自治体の財政にも影響が及んでいる。東区は財政問題のため区庁の職員の手当も支払えない状況だ。
(引用ここまで)

 全般的な経済は下落基調にあるにも関わらず、韓国政府から利上げの圧力に晒されているという状況。
 現状、利上げと利下げの要因はそれぞれこんな感じ。

●利下げ
・ここ20年で最悪の雇用情勢
・グレートリセッション以来最悪の景気動向
・一向に上がらない設備投資

●利上げ
・アメリカの政策金利への追随
・上記による資本逃避の回避
・住宅価格高騰を抑えるために不動産ローンを利上げしたいため

 ムン・ジェイン政権の意向としては利上げの3番目の理由、「不動産価格高騰抑制」が一番大きな動機になりそうですね。
 とにかく不動産投機をした人間に親でも殺されたのかってくらいに不動産価格を下げようとしているのですよ。
 この動機だけでもムン・ジェイン政権が利上げするには充分でしょう。え、中央銀行は政府から独立している? ご冗談を。

 ただ、韓国の場合は家計負債という爆弾を抱えてもいるのですよね。対GDP比で95.2%に到達しています。
 利上げによってこの家計負債(不動産ローン)の負担は増えます。
 なにしろ、変動金利を選択しているのが70%以上ですからね。
 負担増で不動産を手放さざるを得ない層が一定数、増えることでしょう。
 それが原因で不動産価格が低下する、というところまで届いてしまうかどうか。
 ムン・ジェイン政権はそれを希望しているようなのですが。

 不動産価格下落が実現すると、一気に不動産爆弾が炸裂することになるんだけど……分かっているんですかね。
 最近、韓国政府の閣僚がさかんに日本に向けて秋波を送りつつあるのは、このあたりに原因があるのかもな……と、ちらっと感じたりもします。