韓国、「南北合意」米国に7割だけ伝達…ワシントンは不満(中央日報)
  「米国は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の学習効果によって、最近の韓米間のすれ違いに驚いたり怒ったりしない。しかし、韓国がいくら加速ペダルを踏んでも、北朝鮮が実質的な非核化に出ない限り、制裁解除など望むものを手に入れるのは難しいだろう」 

  今月22日、「平和への奮闘」をテーマに開かれた中央日報−米戦略国際問題研究所(CSIS)フォーラムに参加するためにソウルを訪れたCSIS客員教授兼ジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏に会った。今年初め、駐韓米国大使に内定していたチャ氏は、ドナルド・トランプ大統領政府の「鼻血作戦(BloodyNose)」に反対したことが問題になり、承認直前に内定が取り消され、話題を集めた。質問は、先週7泊9日の日程で終了した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の欧州歴訪評価から始まった。 

  −−文大統領が欧州の各首脳に北朝鮮の制裁緩和を要請した。ワシントンは腹を立てなかっただろうか。 

  「いや、ワシントンは文大統領のそのような出方をすべて予想していたので怒りはなかった。10年前、盧武鉉政権時にすべて経験済みのことだったので熱くなることはなかった。そのうえ、欧州首脳は北核に対して米国以上に強硬だ。先月2回目の南北首脳会談直後に欧州を訪れたが、欧州専門家は制裁を絶対に解除してはいけないと言って、ワシントンよりも強硬な姿勢を見せた。北核はグローバルイシューだ。文大統領に対する欧州の反応は驚くようなことではない」 (中略)

−−北朝鮮が2回目の米朝首脳会談前にすべきことは。 

  「北朝鮮がこれまで豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄などいくつかの措置を取った。ところが意味ある非核化措置ではなく、信頼構築のための行動にすぎなかった。北朝鮮がしなければならない非核化措置は他にある。包括的核申告と検証、時間表提示の3段階だ」

−−北朝鮮が3段階をすべてやってこそ制裁が解除されるのか。 

  「違う。北朝鮮が一旦3段階措置を開始すれば、ある時点で制裁が解除され始めるかもしれない。重要なことは、その第一歩を踏み出さなければならないということだ」 

  −−北朝鮮は第1段階である申告から回避している。 

  「10年前の状況(2007年ビクター・チャ氏が米国代表として出席した米朝交渉)と全く同じだ。その時も今も米国は『完全かつ正確な核申告書』を望んでいる。だが、北朝鮮はそのような申告書を出せば世界が北朝鮮の核現況を知ることになり、『すぐにそれらを廃棄せよ』と要求するのではないかと恐れている。これもまた10年前と同じだ。両者は平行線をたどるほかない」 

  −−北朝鮮が全く変わらなかったということなので、非核化意志も依然としてないのではないのか。 

  「3段階措置が試金石だ。北朝鮮がこれをやらない限り、誰も彼らを信じることはできない」  (中略)

−−韓国では文大統領とトランプの関係が弱いと心配する人が多い。 

  「2人の関係は重要だ。だが、トランプは文大統領ではなく金正恩に夢中で、金正恩も文大統領ではなくトランプが気になっている。2人とも文大統領はただの助力者として見ている。メインゲーム選手は、結局、トランプと金正恩だ」  (中略)

  −−韓米連合戦力を弱化させたという指摘を受ける南北間軍事協定はどのようにみるか。ポンペオが康京和(カン・ギョンファ)外交長官に「米国と事前協議が不足していた」と抗議したというニュースがあったが。 

  「韓国は南北交渉内容を米国に70伝えた後、北朝鮮との最終交渉で100に合意した後、米国に『もうすべて話したではないか』と言ってはいけない。(「韓国はそのような形で米国と情報を共有してきたのか」と聞くと、チャ氏は首を縦に振った。)これは良い同盟モデルではない。米国官僚が非常に心配している。トランプもだ」 
(引用ここまで)

 CSISの韓国部長であるビクター・チャが韓国外交を斬りまくっています。
 駐韓アメリカ大使に内定してから取り消されたりしていたので恨みの丈を述べていたりするのかなと思ったらさにあらず。
 それほど強い言葉遣いはしていないのですが、かなり韓国政府……というかムン・ジェインの外交方針に危機感を持っていることが理解できると思います。
 引用部分だけでなく上下編を読んだほうがいいかもしれませんね。
 CSISはアジア外交において大きな役割を果たしている機関です。その韓国部長が韓国のやりかたにここまで危惧を述べるということ自体が大きな意味を持っています。

 それにしても米韓でかなりの行き違いがあるなぁというのは感じていたのですが、さすがに「アメリカに内容の7割しか伝えていない」みたいなことをしていたとは……。
 ポンペオ国務長官がカン・ギョンファに対して激怒したときも「(韓国は)なにを考えているんだ」という言いかたをしていましたっけね。
 つまり、韓国がやろうとしていることを知らされていないことに対しての怒りだったということです。
 で、アメリカも韓国に対して同じやりかたをしつつある。もちろん、日本もそれに乗っている。

 今回のビクター・チャ教授のインタビューを見ると……もはや「行き違い」として済ますにはちょっと重いところこまできてしまっている感じです。
 ムン・ジェイン政権は北朝鮮に対する制裁緩和のためであればアメリカを積極的にだますことすら躊躇しないのだという認識がアメリカに拡がっている。

 そしてもうひとつ面白ポイントは「ムン・ジェイン政権ははちゃめちゃだけども、ノ・ムヒョン政権で学習していたから『そんなもんだろう』って受け止められている」ってところですね。
 さすが「ちょっと頭のおかしい人物」とその後継者ってとこですか。