キム・ドンヨン副総理「来年から指標好転するだろう」... 事実上の別れの言葉(ハンギョレ・朝鮮語)
「まるで別れの言葉であるかのように聞こえた」

先月30日の閣議に出席したある長官は、会議が終わった後にこのように打ち明けた。いくつかのメディアを介して、すでにキム・ドンヨン経済副首相兼企画財政部長官とチャン・ハソン青瓦台政策室長の同時交替説が報道された後の閣議で、金副首相が示した姿は参加した長官らの関心を集めた。キム経済副首相は、閣議の案件処理がすべて終わった後、最近、韓国の経済状況の自分の考えを明らかにした。ある出席者は「経済副首相が正式案件でもないテーマについて、かなり長く発言したことは非常に異例だ」と語った。 (中略)

「株式市場が悪いのは、主に対外要因のために投資・雇用指標が良くないが、輸出・為替などの他の指標は悪くない」とし「来年から指標が好転することができる」と強調した。これは彼がこれまで「来年初めにも雇用問題や景気が回復されるのは容易ではないだろう」と言ってきたのとは大きな違いがある。

また、キム経済副首相は、「経済の体質を強化することが重要である。一日や一ヶ月、2〜3ヶ月の経済指標に政府が振り回されるようなことはあってはならない」とし「遠くを見て、経済を運営しなければならない」と強調した。また、彼はこれまで「最低賃金引き上げが雇用と賃金の(負の)影響を与えたと考えている」とし、所得主導の成長政策の修正が必要だという立場をとってきたものと異なっている。閣議の参加者は「最後の部分は、まるで次期経済チームへの要請のように聞こえた」と耳打ちした。 (中略)

大統領府は10月中旬「キム・ドンヨン経済副首相・チョン・ハソン政策室長同時交換」報道が最初に出てきたとき、「事実無根」と語っていた。しかし、政府の中ではかねてから、二人の退任を既成事実として受け入れる雰囲気だった。人事の直接発端はチャン・ハソン室長の辞意表明のために知られている。政府関係者は「野党の所得主導成長政策の廃棄と責任者の辞任を主張とは関係なく、チャン室長が9月初めにはすでに辞意表明をしていた」とし「大統領がすでに強調したように、所得主導成長政策をより強力に推進するために、自分自身と金副首相を含む経済チームの退任を通じて雰囲気刷新が必要だという判断をしたようだ」と話した。チャン政策室長の知人も「チャン室長は職位にこだわる方ではない」とし「就任時から必要と判断すれば、すぐにでも退くという話をしてきた」と伝えた。
(引用ここまで)

 キム・ドンヨン経済担当副首相兼企画財政部長官、そしてチャン・ハソン大統領府政策室長が同時退任するとの話。
 どうも「所得主導成長を強化するため」ということが理由であるようですが……。

 キム・ドンヨンはムン・ジェイン政権の中でも浮いた存在であったのは間違いないのですよ。
 元々、官僚出身でイ・ミョンバク時代には企画財政部の第2次官であったキム・ドンヨンは所得主導成長に懐疑的で「これじゃ無理」みたいな本音をさらっと言ってしまっては撤回や謝罪に追いこまれるというパターンを持ち芸としていました。
 そうでもしないと速度調整すらできないという恐れがあったということなのでしょうけども。
 実務派であればあるほど、「所得主導成長」というものの無理筋さが見えていたでしょうからね。

 で、その「所得主導成長」の提唱者でもあるチャン・ハソン大統領府政策室長は韓国の名門大学である高麗大学の経営学部教授。現在、公職に就いていることで停職中。
 かねてから「下からの成長」を提唱してきた人物。でも、個人としては江南に住まいを持ち、93億ウォンの財産を所有しています
 庶民とはかけ離れた人物ですね。
 ちょっと前には「韓国人すべてが江南に住む必要はない」と発言して「てめえは江南に大邸宅を持ってるくせに!」と糾弾されてたりもしました。
 まあ、この言葉の本来の文脈は「特定地区の不動産投資に対する規制をすべき。誰も彼もが江南に住んでいるわけでもないし、その必要もないのだから」というものではあったのですけどね。

 このふたりの経済担当者が事ある毎に対決姿勢を見せていたもので、「このままではよろしくない」「さらに所得主導成長を進めるためにはふたりを同時に退任させるのがよい」という状況になったわけです。
 まあ、実際に雇用状況もよろしくありませんし。
 経済成長は下方修正を重ねている状態。
 多少なりともブレーキの役目をしてきたキム・ドンヨンがいなくなることで、なおのことはっちゃけていくことでしょうね。

 楽韓Webでは「そもそも所得主導成長は政策ではなくて思想」であると述べてきました。
 政策であれば転換も可能ですが、思想であるからこそやめることはできないのです。
 まだまだ楽しませてもらえそうです。
 なお、次回の雇用統計は11月14日に発表予定となっています。

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2010/11/20