元徴用工とWTO、2つの提訴で国際社会に韓国の「不当性」周知(産経新聞)
 政府は6日、韓国による自国造船企業への過剰な補助金支給は国際的な貿易協定に違反しているとして、世界貿易機関(WTO)への提訴に向けた手続きとなる2国間協議を要請した。このタイミングで踏み切ったのは、元徴用工をめぐる訴訟と無関係ではなさそうだ。

 政府は、日本企業に韓国の元徴用工への賠償支払いを命じた10月30日の韓国最高裁判決について、日韓関係の法的基盤を根本から覆すとして韓国政府に早期の対応を求めてきた。だが、韓国側の動きは鈍いまま1週間が経過した。 (中略)

 貿易の問題は本来、元徴用工の訴訟と別のベクトルで動いてきた。ただ、多国間の枠組みのWTO提訴に踏み切れば、最高裁判決の「国際法違反」とともに韓国の「不当性」を国際社会に印象付けることも可能となる。2つの提訴には、政府のこうした狙いが読み取れる。
(引用ここまで)

 韓国政府による大宇造船海洋への補助金支給についてWTOへの提訴を開始。
 これが徴用工裁判の判決とリンクしているのだという話を書こうと思っていたら、ちょうど産経新聞が短いけれども同じ意図の記事を書いていたのでピックアップ。
 まあ当然というべきか。

 最近になって韓国の非関税障壁やアンチダンピング措置について、日本側がWTOに提訴するようになっています。提訴をためらわなくなったのは日韓関係が望ましい位置に向かいつつある証拠だという話を何度かしていますね。
 韓国による水産物禁輸についてもあっさりWTOに提訴。
 いくつかアンチダンピングを撤回させることもさらっとやっています。不公正貿易を正そうという動きです。

   ただ、大宇造船への支援をWTOへ提訴するという動きがあるのは、それらとちょっと違うのですよ。
 規模と中身がこれまでとは段違い。
 韓国政府は大宇造船海洋に対して2年で13兆ウォン規模の支援をしてきています。この支援策はパク・クネ政権下のものでしたが、ムン・ジェイン政権でもそれを継続して「ひとりの雇用も失わせない」というような意思表示をしています。
 なにせ今年、ムン・ジェインによる新年最初の視察先が大宇造船海洋でしたからね。

 造船業というのはとにかく人を必要とする産業です。
 なにをするにしても雇用が生まれる。
 ムン・ジェイン政権も「それぞれに公的資金で支援するから年に3000人ずつ雇用しろ」とか言い出すほど。
 雇用の引受先として都合がいい。
 逆に破綻すれば下請けを含めてどこまで波及するのか分からないくらいに雇用が脅かされます。
 造船の島だった巨済島では暴動が噂されるくらいにリストラが進んでいるとの話。

 日本政府はそこに手を突っこんできたわけですよ。
 以前から「公的資金注入は貿易を直接支援しているも同然だ」とEUと一緒に抗議してきたのですけどね。
 それを実際に行うようになっている。
 韓国を普通の国として扱うようになった、ということなのですね。

 徴用工裁判の判決への抗議と、大宇造船海洋の支援をWTOへ提訴。
 徴用工裁判で韓国政府が執るべき措置を執ればWTOへの提訴をやめるというような性格のものではありません。
 これらの動きが同一線上で行われている、ということです。
 日本側の韓国を突き放す動きとして周知させるには、いいタイミングであったと思います。

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崩韓論
室谷克実
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2017/2/7