【中央時評】韓国政府の偶像になった所得主導成長(中央日報)
立証されていない仮説の所得主導成長…「韓国、世界経済から疎外も」(中央日報)
5日、張夏成(チャン・ハソン)政策室長は預言者のように「来年は所得主導成長の効果を感じることができるだろう」と予言した。いつのまにか所得主導成長は経済政策を越えて文在寅政権の集団信仰になってしまった。

本当に来年は良くなるのだろうか。文在寅政権は所得主導成長を死守するために最近、2つの総力戦を見せている。一つは統計との戦いだ。公企業に1、2カ月間の短期バイトでも5万6000件ほど作るよう催促している。姑息な手段を使ってでも雇用指標を粉飾しようということだ。もう一つは予算闘争だ。今年7.1%増加した超拡張予算に続き、来年はなんと9.7%増のウルトラスーパー予算を進めている。実際、現政権が信じる唯一の政策手段は財政しかない。ほとんど財政中毒レベルだ。 (中略)

昨日、韓国開発研究院(KDI)までが「所得主導成長の短期的な副作用は否認しがたい」とし、来年の経済はさらに厳しくなるだろうと懸念を表した。先週の国内エコノミストの話題は、劉承ミン(ユ・スンミン)議員が国政監査で金東ヨン(キム・ドンヨン)副首相を相手に「2、3年以内にマイナス成長の危機を迎える可能性はあるのか」と執拗に問いただした場面だった。実際、半導体スーパー好況が終わって米中通商摩擦が悪化すれば、マイナスでなくとも1%台の成長に落ちるかもしれないというのが業界の公然の秘密だ。

問題は、文在寅政権が成長をあまりにも軽視し、1%台の成長がどういう意味かを正確に理解していないことだ。成長率が半分になれば、問題のない職場までが消え、所得は停滞して経済は重い病気にかかる。
(引用ここまで)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、国会で施政方針演説を行い、所得主導成長政策を続ける意向を明らかにした。続いて張夏成(チャン・ハソン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長は4日、「経済危機論は根拠がない。過去に戻ることはできない」と述べた。6日には国会で「ろうそく集会の民心のために最もうまくやったのが所得主導成長」と主張したりもした。

生産、投資、雇用、消費など経済全般が急転直下する状況だ。「現在の経済状況は危機ではない。最も良い経済政策をしている」という青瓦台の主張に対し、経済界、学界はもちろん政府内からも批判の声が出ている。大統領諮問機関「国民経済諮問会議」の金広斗(キム・グァンドゥ)副議長は「政府の政策が雇用を破壊するのなら正しい経済とはいえない」と述べた。 (中略)

パク・ジョンス西江大教授は「賃金引き上げを通じた景気浮揚と成長は根拠が弱いだけでなく、生産性の向上がない賃金引き上げは経済成長にマイナスの影響を招くという点は、これまでの実証分析を通じて確認されている」と述べた。
(引用ここまで)
 中央日報が所得主導成長にクレームをつけています。
 ……まあ、ちょっとでも経済学を学んだことがある人間なら「もういい加減にしてくれ!」って叫びたくなるのも当然かな。
 半導体スーパーサイクルという大ボーナス付きであったからこそ去年の成長率は3.1%、今年もなんだかんだで2%台後半という成長率はキープできそうという状況。
 それがなくなったらどうなるのっていうのは、韓国人の共通した思いでしょうよ。
 だいたいにして、半導体業界の好況なんて韓国全体に広まっているわけでもないですしね。

 とにかく経済さえちゃんとしてればそれだけで一般民衆は満足なものですよ。
 例えば若者の安倍政権への支持率が高いって左派が嘆いていますが、そりゃいまどきの新卒が中学・高校生だった頃の日本経済の暗い状況を覚えていたら現行政権がいいって言うに決まってるでしょ。
 内定率、失業率、有効求人倍率どれを見たって民主党政権時代とは比べものにならない。
 ホントにあの頃は辛すぎたわ……。
 Twitterあたりで民主党政権時代がよかったって書いている連中もいるんですが、どんな層だったらそんな世迷い言を垂れ流せるのやら。
 おっと、閑話休題。

 パク・クネ政権時代の4年間で平均成長率は2.97%でした
 去年は3.09%の成長率で面目を保ったのですが、今年の成長率が2.8%以下になってしまうとパク・クネ政権下での平均成長率を下回ってしまう。
 わざわざろうそくデモをして政権を交代させた意味が、経済的にはなくなってしまうのですね。
 とはいえ、これらの記事にもあるように(そして楽韓Webが言い続けていたように)所得主導成長政策は政策ではなくて思想、あるいは偶像。
 もはや誰も逆らうことはできないのです。
 ちょっと「政策が労働者側に偏りすぎている」なんて言っただけで、所属している経済団体に指導・監督が入ってしまいますしね。

 ムン・ジェイン政権は「下から経済力を押し上げる」という美名に酔いすぎて、実効的な経済政策が打てなくなっているのです。
 あと2ヶ月もしないうちにさらに820ウォンの最低賃金上昇。2年間で約30%ほどの上昇になるわけです。
 ムン・ジェイン政権によると「来年からは所得主導成長の効果によって好景気がはじまる」「今年苦しいのは構造変革を行っている副作用に過ぎない」とのことなので。
 ……それが本当だったらどれだけいいことか。
 来年からの好景気とやらを信じられるのであれば、日本企業の就職説明会に韓国人が1000人規模できたりしないんだよなぁ。

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井上 純一
KADOKAWA / 角川書店
2018/8/4