「トランプ政権、韓日歴史問題に中立…オバマ政権とは違う」(中央日報)
韓日間の慰安婦問題に積極的に介入したオバマ政権とは違い、トランプ政権は強制徴用問題をめぐり「厳正中立・不介入」姿勢を維持しようとしていると、東京の外交筋が12日伝えた。

この外交筋は「オバマ大統領は表面上では中立を表明しながらも安倍政権の歴史修正主義に非常に批判的だったし、慰安婦問題の解決を強く要請した」とし「しかし現在、米国政府は一方の肩を持たないのはもちろん、韓日の過去の問題自体に積極的に介入しないという姿勢」と話した。また「米国政府の関係者らがこうした立場を韓国と日本に直接、間接的に知らせていると把握している」とし、このように明らかにした。 (中略)

こうした態度は過去の慰安婦問題に対するオバマ政権の接近法とは全く違う。当時、オバマ大統領本人が問題の解決に積極的だった。韓日の対立は自ら標ぼうした「アジア重視政策」にも合わず、対北朝鮮抑止力にもプラスにならないからだ。したがってオバマ大統領は2014年4月に訪韓した際、「慰安婦はおぞましい人権侵害」と述べ、日本に問題解決の圧力を加えた。もちろん「安倍首相と対話をすべき」と韓国にも勧告した。

これに先立ちオバマ政権は2013年末、安倍首相の靖国神社参拝について異例にも「失望した」と論評するなど、安倍政権の周辺国無視に公開的に懸念を表明した。2015年12月の韓日慰安婦合意の直後には、ホワイトハウスがオバマ大統領の水面下での役割を広報したりもした。 (中略)

一方、トランプ政権は韓日の過去の問題には不介入という接近法を見せているというのが情報筋の伝言だ。
(引用ここまで)

 いやぁ、ここまでのアホっぽい解説しか大手新聞が書けないとか絶望的だわ……。
 オバマ時代はまだ「日米韓による中国封じこめ」に期待を持っていたのですよ。
 慰安婦合意を両国に強いたのも同じ文脈上での話。
 さらにいえば、パク・クネとの米韓首脳会談後の記者会見場でいきなり「韓国は中国に対して物申せる国にならなければいけない」と言い出したのも同様。
 言ってみれば、韓国に対してまだ希望を持っていたからということなのですよ。
 なので「歴史認識ガー」と叫ぶ韓国に対して「日本が受け持て。なんとかしろ」ということを言っていたに過ぎないのです。

 天安門で習近平、プーチン、パク・クネのスリーショットが撮られたのが2015年9月頭の「抗日戦勝記念パレード」でのこと。
 そもそもこのパレードへの出席に対してアメリカ側は難色を示していたにも関わらず、強行突破したのですよ。
 オバマ大統領(当時)の「韓国は中国に対して悪い時には悪いと言えるような国になれ」という発言はその翌月。
 で、その2ヶ月後の2015年年末には慰安婦合意を結ばされた。
 そのオバマも任期終盤には韓国を三角同盟に押し込めることを諦めたっぽいですけどね。
 いまにしてみれば2015年年末前後のアメリカによる韓国揺り戻し策は、韓国の中国傾倒におけるデッドキャットバウンスに過ぎなかったのですが。
 日本側はそれをうまく利用したとはいえますかね。

 トランプは最初から韓国に対してそんな期待をしていないというだけ。
 「中立」ではなく「諦観」。
 むしろ、積極的に朝鮮半島からの撤退、新アチソンラインを目論んでいるまである。
 そういった風雲急を告げている中で、「トランプ政権は歴史問題に中立だ」とか、もうお気楽すぎるわ。
 そんなていどだから、今回の徴用工裁判への対応策でも2週間でやっと「識者に意見聴取」とかいうのろまさでいられるのですよ。
 外交でも経済政策でもムン・ジェイン政権は現状認識が甘すぎる。
 ま、日本にしてみたらその甘さにつけこめる余地があるのでありがたいところですけどね。

米韓同盟消滅(新潮新書)
鈴置高史
新潮社
2018/10/17