【取材日記】「分配の悪化、緩和されている」という韓国政府の錯覚(中央日報)
韓国、「0人台合計特殊出生率時代」へ…7−9月期0.95人(中央日報)
「政府政策の努力などに力づけられて(分配の)悪化傾向は次第に緩和されている」。統計庁が22日、発表した「第3四半期家計動向調査」の結果に対する企画財政部の公式評価だ。 (中略)

企画財政部が判断した根拠はこれだ。今年と昨年の四半期別所得5分位倍率の格差が第1四半期には0.6(5.35→5.95)だったが、第2四半期は0.5(4.73→5.23)、第3四半期は0.34(5.18→5.52)にますます減っているということだ。同時に、企財部は「雇用・低所得層への支援政策の効果が本格的に現れれば、低所得層の所得状況は次第に改善されるだろう」という見通しを添えた。

所得関連統計は祝日・成果給支給時期など季節的変数に影響を大きく受ける。そのため、同年でも第1四半期と第2四半期の数値差に大きな意味がない。代わりに、同じ四半期を基準として過去の年度がどうだったかを比べる。主な統計に「前年同期比」という言葉がいつも登場する理由だ。

ところが、企財部は逆に昨年と今年の所得5分位倍率差を四半期別に単純比較し、分配緩和という結論を出した。 (中略)

このような「統計誤読」をめぐる議論が文在寅(ムン・ジェイン)政府に入って絶えない。文大統領は20日、閣僚会議で「鉄は熱いうちに打て」と呼びかけた。8〜10月の自動車生産実績の増加、造船業の10月世界市場シェア1位の奪還が根拠だ。しかし、自動車・造船業界では「どこから熱くなるのか」という反応だ。主力産業の不振が深化し、雇用・生産・投資などに全方向的に危機の暗雲が立ち込めているのが現実だ。これに先立ち、政府は新規就業者の増加幅が急減した原因として生産年齢人口(15〜64歳)の減少を挙げたが、失業者はむしろ増加するなど、つじつまが合わない解釈を出したりしている。
(引用ここまで)
韓国の7−9月期の

合計特殊出生率が1人を切った。4−6月期に続いて2期連続だ。産声が急激に聞こえなくなり、「0人台合計特殊出生率」が固定化する様相だ。

韓国統計庁が28日に発表した「9月の人口動向」によると、今年7−9月期の合計特殊出生率は0.95人を記録した。1年前と比べて0.1人減った。合計特殊出生率は女性1人が生涯に産むと予想される子どもの数をいう。分期別の合計特殊出生率(以下、出生率)は昨年10−12月期に0.94人を記録して初めて1人を下回り、今年1−3月期に1.07人へと反騰したが、4−6月期(0.97人)から再び1人を切るようになった。

今年全体の出生率も1人に満たない見通しだ。カン・シヌク統計庁長は最近「今年の出生率は1.0未満になるものと予想される」と述べた。出生率は昨年、統計を取り始めた1970年以降、史上最低の1.05人まで落ちた。現在の人口を維持するために必要な出生率は2.1人水準だが、今や半分にも至らない水準だ。経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の平均1.68人を大きく下回っていることはもちろん、圧倒的な最下位だ。
(引用ここまで)

 先日の四半期別で過去最悪を記録した韓国の上位20%、および下位20%の収入格差について、ムン・ジェイン政権から「格差はだんだんと縮まりつつある」という評価があったそうですよ。
 というのも四半期ごとの格差の増えかたが減っているから、ということらしいのですね。
 季節要因完全無視。
 単純に数字を並べているだけなら、子供だってできる話だろ……。
 第3四半期としては11年ぶりに格差が最悪の数字になったっていうのが実際。

 以前にも最低賃金を上げたことによる前向きな効果は90%に及ぶなんて話がありましたが、それも統計をねじ曲げた解釈によるものだったというオチがありましたっけ。しかも、解釈に使ったデータは非公開っていう。

 記事後半にもありますが、つい先日にも「造船、自動車産業は復活している」っていう大統領談話が出て、産業界とメディアからフルボッコになっていたのですが。
 まあ、これに関しては若干ですが同情の余地もあります。気になるようであれば、こちらの記事をどうぞ。

韓国産業界びっくり、大統領「造船・自動車回復」発言(JBPress)

 で、その実態がどうかって話ですが。
 第3四半期の合計特殊出生率も1を割り込みました。第2四半期に続いての数字です。
 季節要因から見ても第4四半期も同じになるであろうことは間違いないことから、今年全体の合計特殊出生率も1を割ること間違いなしとなった模様です。

 合計特殊出生率が1を割り込むのって、台湾がリーマンショックの翌年に0.89、香港が中国返還後に数年間0.9台を続けたくらいで他に例がないのですよ。
 よっぽどのショックがないとこんな事態にはならない。
 合計特殊出生率から見た現在の韓国はリーマンショック、中国返還くらいの状況になっているということなのですね。

老いてゆくアジア 繁栄の構図が変わるとき (中公新書)
大泉啓一郎
中央公論新社
2007/9/1