【中央時評】「出産時3000万ウォン」…元大統領選候補の荒唐無形な公約が現実に=韓国(中央日報)
10年余り前、大統領候補に許京寧(ホ・ギョンヨン)氏がいた。大統領選挙には1人目立つ候補が出てくるものだが、許京寧氏ほど多くの人々の脳裏に刻まれている人はいない。当時の基準で考えるとまったくでたらめな公約を掲げて出てきたからだった。許京寧氏の公約には「出産時に3000万ウォン(約300万円)支給」という公約があった。多くの人々、特に政府と政界は話にならないと馬鹿にした。 (中略)

先週、国会で与野党は来年10月から生まれてくるすべての子供たちに出産支援金250万ウォンを支給することで合意した。これに先立ち、来年9月からは現在満5歳とされている児童手当て受給可能年齢を満9歳未満までに拡大する案も与野党の合意を経て確定した。現在0〜4歳には保育支援金が、満5歳にはヌリ(世の中)家庭支援金が支給されている。年齢と条件により差があるが子供1人につき平均して月に約30万ウォンが支出されている。児童手当て(月10万ウォン、9年間で合計1080万ウォン)、出産奨励金(1回250万ウォン)、保育およびヌリ家庭支援金(月30万ウォン、6年間)をすべて足せば来年から韓国政府は子供1人につき約3500万ウォンを支援するわけだ。一括払いかそうでないかという違いはあるが、許京寧氏の公約が実践されたようなものだ。

これから許京寧氏の公約が実践される予定なのだから来年あるいは後年には少し出産率が上がるのだろうか。そう予想する人は誰もいない。 (中略)

文在寅(ムン・ジェイン)政府はスタート直後、低出産と高齢化問題を扱うために政府内にコントロールタワーを構築すると宣言した。該当委員会には事務局も新設され、部署長も次官級に設定した。事務局は組織が作られるやいなや低出産問題に対する以前の政府の安易な対処を批判し、低出産政策の全面的な「再構造化」を宣言した。現在の委員会はコントロールタワーの役割を十分に果たしているだろうか。低出産政策の「再構造化」は進んだのだろうか。委員会は1年が過ぎるまで「再構造化」を叫ぶばかりで実際に「再構造化」された低出産政策や方向を提示したことはない。 (中略)

最近聞いたところでは委員会と事務局で低出産の何が問題なのかという声も出ているという。あきれたことだ。「国民はそう言ってもいい。しかし、政府は絶対にそういうことを言ってはならない。なぜなら国家だからだ」。筆者の言葉ではない。故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が政府に対し低出産対策準備を促しながらおっしゃったことだ。
(引用ここまで)

 今年の合計特殊出生率が1.0を切ることが確実になっている状況で、少子化対策が叫ばれています。
 とりあえず出産すればなんだかんだで9年間で3500万ウォン支給されることが韓国の国会で決まったそうです。
 いつものように叫んでいるだけ、というわけでもないようですが……。
 ムン・ジェイン政権になってから延々と行われている福祉バラまき政策の一環ですね。
 ま、それほしさに子供を産むかといったらそんなことはないでしょうけど。

 何度か書いているように、出生率というのは将来への成績表なのですよ。
 韓国人が「自分が味わったような人生を子供に体験させたい」と思うのであれば、出生率も増えるでしょうし、そういう状況でないというのであればこれからも減り続ける。
 少なくともソウル大生が絶望して「金の匙をくわえてこなかったらこの国では生きていけないんだ」って自死を選ぶような状況じゃ無理かなぁ。

 途上国の構造はもっと単純で、多産じゃないとまだまだ子供が死ぬ。あるいは単純に労働力として子供が必要っていう側面が大きかったりします。
 乳児死亡率(生後1年以内の子供の死亡率)が30%以上の国なんてまだいくらでもありますからね。

 すでに韓国は少子化が完成した社会で、少なくなった若者がさらに子供を少なく産むというスパイラルに入りこんでいます。
 これを回復することはまあ不可能です。
 少子化による人口消滅国家の第1号と予想されているのは伊達ではない、ということですわ。