ソウル大教授「所得主導成長、韓国経済危機の本質でない」(中央日報)
李俊求(イ・ジュング)ソウル大名誉教授が12日、最近の経済状況について「危機の本質は韓国経済の根本的な脆弱性であり、決して所得主導成長政策ではない」と主張した。李教授は「所得主導成長政策に対する魔女狩りは政府・与党を追い込むのに効果的な手段になるかもしれないが、危機の本質的な解決には全く役に立たない」と断言した。

李教授はこの日、自身が運営するホームページに「所得主導成長政策は決して経済危機の本質ではない」と題した文章を掲載、「文在寅(ムン・ジェイン)政権の所得主導成長政策が悪の枢軸(axis of evil)のように罵倒されている。すべての危機の原因があたかも所得主導成長政策にあるように批判されている」とし、このように強調した。

まず李教授は文在寅政権の最低賃金引き上げなど一部の政策の問題点を認めた。李教授は「現政権が(政策執行を)あまりにも急いだことで相当な副作用を招いた点は確かだ」とし「最低賃金の急激な引き上げや勤労時間制限のような措置に対して市場がこれほど敏感に反応することを十分に予想できない失策を犯したのは間違いない」と指摘した。続いて「本当に支援が必要な未熟練、低賃金労働者と零細事業者をさらに厳しい状況にした」とし「政府が所得主導成長政策がもたらした副作用を深く反省し、改めるべき点は改めなければいけない」と訴えた。

ただ、李教授は「所得主導成長は危機の本質ではない」と強調した。「失業率が何%上がったとか、二極化がさらに進んだというのも大きな問題だが、危機の本質ではない。造船業・鉄鋼業・自動車産業までが厳しくなっている状況で、半導体や携帯電話など他の産業基盤が揺れ、インドと中国新興国が追撃する状況が危機の本質」とし「こうした韓国経済の根本的な脆弱性が我々が迎えている危機の本質」という見方を示した。
(引用ここまで)

 韓国経済が追いこまれている主因は中国やインド、その他の新興国からの追い上げを喰らっているから。
 あくまでも所得主導成長政策は副要因であって、主因ではないというソウル大名誉教授の話。
 まあ正論ではあります。

 楽韓Webでも「中国の部品内製方針が韓国の輸出産業を苦しめている」という話は何度かしていますね。最後の牙城であった半導体・メモリについても来年には量産ができるのではないかとされています。
 韓国のシンクタンクからも2014年時点で「あと4年もすれば中国はほとんどの産業で韓国に追いつく」としていました。
 同じ頃に「もう中国は韓国の部品とか必要としない」って話も出ていました。
 で、ちょうど4年後の今年、経済不振で苦しんでいるわけです。

 リーマンショック後に中国政府は「インフラ整備」という名目でなりふり構わないバラまきを行って国内経済を支えてきました。
 韓国が2010年には経済成長率6.5%と世界に先駆けて一気に回復できたのは、このバラまきの恩恵に浴することができたからだったのですね。
 あれで韓国の「中国についていけばなんとかなる」という勘違いがはじまってしまった気がします。2013年には中国からの貿易黒字が600億ドル以上になっていたから、しかたない部分もありますが。

 とはいえ、国内経済を滅多斬りにしてしまっているという意味で所得主導成長も罪深いとは思いますけどね。
 本来であれば傷つかなくてもいいような雇用にまでざっくり斬りこんだ結果、国内から工場を蹴り出しているようなものですから。
 ま、それでも来年からはついに所得主導成長の成果が大いに出て、韓国国民は楽になるという話ですから。
 期待しようじゃないですか。