IMF危機を思い出す韓国人(日経ビジネスオンライン)
鈴置: 11月28日封切りの映画「国家不渡りの日」が韓国でヒットしています。初めの1週間で157万人が見たと報じられています。

 韓国は1997年秋から通貨危機に見舞われ結局、IMF(国際通貨基金)に救われました。タイトルが示すように、当時の経済危機を描いた映画です。 (中略)

──なぜ今、「国家不渡りの日」がヒットしているのでしょうか。

鈴置:状況が当時と似てきたからです。 (中略)

鈴置:もう1つ目的があると思われます。映画「国家不渡りの日」は実録風ではありますが、かなり脚色されていて米国陰謀論の色彩が濃い。

 この映画によって「米国のために通貨危機に陥った」との認識が深まり、反米ムードが盛り上がりかねない。
(引用ここまで)

 鈴置さんのいつものコラム。
 韓国人はあっさりと映画や小説で操られてしまう、ということについてちょっとフォローしてみましょうかね。
 いまはなきEnjoy Korea(旧NAVER)の日韓対話掲示板で「電文435号を調べてみろ」と韓国側から言われたことがあって、日本人の頭にはてなマークがいくつも浮かんだなんてことがあったのですが。
 この電文435号というのは朝鮮総督府から日本政府に閔妃暗殺が成功したことを報告したものだとのこと。
 そんなこともあって、韓国人の間では「閔妃暗殺は日本政府が命じたもの」という図式が成立しているのです。

 で、その電文435号をはじめとした閔妃暗殺云々のすべてが「皇太子妃拉致事件」という小説に書かれていたお話で、まったくのフィクション。
 よっぽど韓国のサブカルチャーや流行にまで詳しい人でなければ理解できないお話だったのです。

 慰安婦を扱った「鬼郷」という映画では、監督自ら「日本人が証拠がないというので映像証拠を創ってやるという意気込みで制作した」って言ってましたね。
 そんな韓国人ですら「いや、これはないわ」ってどん引きしたのが映画の「軍艦島」だったそうですが。

 というわけで、1997年の通貨危機、2008-9年の通貨危機に続いて、経済危機が訪れようとしている韓国で、「IMF管理下に置かれたのはアメリカのせいだった」とする映画が大ヒットの兆しを見せているそうですよ。
 2008年の通貨危機をなんとか無事乗り越えることができたのは日米の通貨スワップ協定があってドルが供給されていたから。そしてなによりも通貨スワップ協定そのものがあることで、ハゲタカファンドから1997年のような売り浴びせがなかったことが原因として挙げられます。

 その最後の盾として存在していた日米の通貨スワップ協定はすでになし。
 日本とのそれは協議すらできずに時折、うわごとのように「再開してクレメンス」とか外相会談で言い出すレベルになっています。

 で、今回予想される通貨危機を利用してアメリカ側は米韓軍事同盟を破棄するのではないか、と鈴置さんは考えているとのこと。
 あり得るシナリオだなぁ……とは感じます。
 経済危機に見舞われて、ムン・ジェインが国内からの突き上げに負けてアメリカを非難するようなことがあれば絶好のチャンスだと言えますね。

 以前にもちらと書いたように「見放すにしても、見放しかたというものがある」のです。
 曲がりなりにも軍事同盟まで結んでいる相手国ですからね。
 まあ、慰安婦合意を実質的に守るつもりがなかったあたりから、韓国に対して「こりゃダメだ」とばかりに本気で匙を投げていたようには感じますが。
 少なくとも段階を踏んでいく必要はある、ということです。だんだんと機は熟しつつあるように思いますよ。