韓国が建設したUAE原発に“亀裂”可能性…UAE側“調査中”(ハンギョレ)
 アラブ首長国連邦(UAE)で韓国が建設中のパラカ原子力発電所3号機格納建物に“亀裂”がある可能性が提起された。コンクリート壁内に注入した潤滑油のグリスが、壁の外側にできた空隙から漏れ出ているのが発見された。不良施工問題で、工事期間の遅延と建設費用の増加が予想される。

 アラブ首長国連邦連邦のクリステル・ヴィクトルソン原子力規制庁(FANR)庁長は先月21日、米国のエネルギー分野専門紙「エネルギー・インテリジェンス」(EI)とのインタビューで、昨年3号機の格納建物の壁でグリスの漏出が発見されたと明らかにした。ヴィクトルソン庁長は「予想外の所からグリスが流れ出始めた」として「作業者が一カ所で空隙を発見した」と明らかにした。 (中略)

 グリスが漏れ出たというのは、当初知らされた問題の“空隙”より深刻な水準である“亀裂”がある可能性を示唆する。厚さ100〜120センチの格納建物の壁は、原子炉の異常などで内部の圧力が増加しても耐えられるよう、壁内に金属のケーブル“テンドン(腱)”を複数埋設する。コンクリート打ちを終えれば、鉄鋼材の円筒内に入れたテンドンを引き寄せ、壁に張力をかけるいわゆる「ポストテンショニンング」工法を使うが、この過程を容易にするため円筒内にはグリスを注入する。

 したがって、グリスが外壁で発見されたということは、壁に亀裂があるかもしれないという話になる。今年8月、同じ問題が発見された全羅南道霊光(ヨングァン)のハンビッ4号機は、現在もグリスの漏洩部位を探しているほど、簡単でない問題だ。「エネルギー・インテリジェンス」も「テンドンからコンクリート壁までの“漏洩経路”(leakage path)がありうる」という業界専門家の説明を伝え、アラブ首長国連邦の原子力発電所建設の「技術的問題が予想より大きくなった」と評価した。 (中略)

 エネクは公式立場文で「パラカ2・3号機の整備が、原子力発電所建設プロジェクトには影響を与えないと予想される」と明らかにした。しかし、当初3号機の竣工目標時期は今年末であり、もう半月しか残っていない。1〜4号機全体を対象に空隙の存在有無を確認するために、すでに追加の費用と時間が少なからず投入された。さらにエネクと韓電は契約当時「工事遅延時には一日60万ドルの遅滞補償金を賦課する」ことに合意した。脱原発のためにアラブ首長国連邦の原子力発電所事業が揺らいでいるという原子力発電所業界など一部の主張とは異なり、建設中に生じた技術問題が工期の遅延および費用増加の憂慮を膨らませている。ヴィクトルソン庁長はインタビューで「私たちが運営許可を出す前に、彼ら(韓国)がこの問題を直さなければならない」と話した。
(引用ここまで)

 韓国がUAEに建設している原発の格納建屋に隙間があることが確認されていました。
 10月の時点で1〜4号機のすべてに問題があり、その同型モデルとなる「韓国型原発」である新古里3・4号機もチェックする必要があるのではないかという議論があったのですね。

新古里3・4号機をモデルにしたUAE原発でも、格納建屋壁に「すき間」(ハンギョレ)

 APR1400型と呼ばれるもので、新古里3・4号は建設中にケーブルの不良(というか……いつもの不正部品)で運用開始が遅れに遅れてUAE側に違約金を支払う支払わないで揉めたことがありましたっけね。

 で、UAE側の3号機で今回は「隙間」ではなく「亀裂」が発見されてしまって大慌て、と。
 1号機は本来であれば2016年に完成していたはずなのですが、なんだかんだで遅延していまして。
 今年いっぱいまでに完成させなければ、それ以降は1日につき60万ドルの遅延補償金を支払う必要があるそうです。1ヶ月遅れたとすれば1800万ドル。
 記事中では3号機の完成予定は今年までとなっていますが、これは1号機の遅れに従ってスライドさせているんじゃないかな……とも思えますが詳細は不明。

 UAEから受注が取れた日を国指定の「原子力発電の日」にまでしておきながら、遅延で完成まで2年延長。
 しかも、オプションとして確約していた軍事協力も「政権交代したから」という理由で再検討
 言い訳として「軍事協力には国会での批准が必要だ」って言い出したら、UAE側からは「それじゃ国会で批准してこい」って言われる始末。

 ……そりゃまあ、外交問題にもなりますわ。
 ちなみに遅延補償金は契約にあったとしても施行側に要求しないかぎり、支払い義務は生じないものとなっています。
 信頼関係を壊したくないから、というような理由で要求されないことも多々あります。
 けど、このケースはどうなんでしょうね?

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竜田一人
講談社
2014/4/23