【コラム】文在寅政権の「善の政策」が経済的弱者を締め出す(朝鮮日報)
米国の失業者教育プログラムを運営する訓練センターの職員は、失業者の就業率を引き上げた場合、金銭的な報奨を受け取った。すると、職員は就業率を意識し、再就職できる確率が高い失業者ばかりを選択した。訓練センターは教育が求められる長期失業者や非熟練労働者を受け入れなくなったのだ。

 韓国での最低賃金の急激な引き上げ政策もじきに経営学や経済学の教科書に載ることになるだろう。韓国政府は昨年7月、2018年の最低賃金を16.7%引き上げることを決めた。直後から「そんなに上げたら、経済的弱者層が仕事を失う」とする警告が相次いだ。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「最低賃金時給1万ウォン(約1000円)は単純に金額ではなく、人間らしく生きる権利を象徴するものだ」とし上で、「経済的効果の面でも来年から経済成長率を高める効果を生むと予想される」と指摘した。

 実験対象になった経済主体は、今年1年間それぞれ生存ゲームを始めた。零細中小企業と自営業者は人員削減を選択した。10人を雇っており、給与水準はほぼ同じという状況で、2人を削減する場合に誰を選ぶか。主な解雇対象は非熟練労働者、アルバイト、身体障害者など社会的弱者階層だ。韓国統計庁によると、青少年、警備員、駐車場管理員のような単純労働従事者が先月、前年同月比で10万1000人減少した。過去最大の減少幅だ。最低賃金の上昇を最初は喜んだ労働者にとっては晴天のへきれきだ。一部の経営者は事業自体を断念し、海外に脱出している。今年1−9月の中小企業による海外投資は昨年通年の数字を既に上回った。

 これで終わりではない。来年1月には最低賃金がさらに10.8%引き上げられる。時給8350ウォンに週休手当を加えると、1万20ウォンになる。週休手当は週15時間以上勤務した労働者に支払われる有給休日1日分の手当だ。韓国、台湾、トルコにだけ存在する制度だ。会員数20万人を超える自営業者インターネットコミュニティーでは、「来年からは週休手当までは支払えないため、アルバイトを(週15時間を超えないように)分けようと思う」「既に7人に分けて働いてもらっている」といった情報が飛び交っている。「これほど自営業者を窮地に追い込む政策は理解できない」という嘆きも聞かれる。
(引用ここまで)

 最低賃金、もしくはその近くで働くことって「とにかく現金収入を得ることができる」という側面がありますよね。
 なんのスキルも持っていなくとも、とにかく今日からでも働ける。とにかく現金を得ることができる。
 セーフティネットのひとつであるともいえるでしょう。
 でも、韓国ではそれが減少している。
 特に社会的弱者から仕事が奪われている。
 その他にも週休手当てという制度があって週15時間働くと1日分の賃金が生じるので、ひとりにつき15時間未満でシフトを廻すっていう状況も増えているそうです。

 韓国政府は懸命になって庁舎の掃除や、大学で無人の教室の電気を消す等の仕事を供給しているのですが。
 そんなのは高齢者が糊口をしのぐためのものであって、これからのスキルアップが必要になる20代が就労するようなものじゃないのですよね……。
 このあたりのミスマッチがムン・ジェインへの不支持率が支持率を上回った要因じゃないかなと。

【社説】文大統領の支持率、初めてデッドクロス(中央日報)

 1週間もするとさらに最低賃金が10%以上増えてるのですよね。
 確実に職にありつける層にとっては助かることなのでしょうが、社会的な弱者にとってはとてもじゃないけどもそういう状況ではない。
 ……まあ、社会的弱者は1000万ウォンほど借りればあとで帳消しになるのでOKなのかな。