漂流を続ける韓日漁業協定交渉、日本が韓国漁船の違法操業を問題視(朝鮮日報)
 韓日漁業協定が4年にわたり交渉がまとまらず対立が続く背景に関心が集まっている。両国は今年4−6月にも6回にわたり交渉を行ったが、合意を見いだすことはできなかった。韓日両国は東海(日本海)と南海に相互に操業可能な暫定水域があり、毎年各国の排他的経済水域で相手国漁船の漁獲量について定める協定を締結する。

 韓国の漁業関係者が30日に明らかにしたところによると、交渉が進まない要因は主に日本側の不満にあるという。日本は韓国漁船による規定違反と違法操業を問題視している。韓国漁船は本来定められた量よりもはるかに多くの漁獲量を日本側から持ち出し、水産資源保護のために禁止されている漁法で操業しているというのだ。

 韓国政府関係者は「日本政府は2015年から外国漁船による違法操業に対して無寛容原則を貫いている」とした上で「中国との漁業協定も同じように2015年から締結されていないが、それも同じ理由だ」と説明した。日本政府は韓国政府に対して再発防止のための具体的な対策の提示を求めている。

 しかし合意を引き出すのは簡単ではないのが現状だ。日本の漁船は韓国の海域で漁獲がほとんどないことも、日本が交渉に消極的な理由の1つだ。韓日両国の漁船は済州島や対馬南側の海域で互いに操業を行っている。韓国漁船は日本の海域で太刀魚や鯖などを水揚げし、日本の漁船は韓国の海域で主に鯖を水揚げしている。しかし韓国漁船の水揚げは通常、日本漁船よりも通常で3−4倍、多いときは10倍に達することもあるという。業界関係者も「日本は水産資源管理をしっかりと行っているので日本の海域では魚がよく捕れる。自分たちが育てた海に韓国の漁船が入ってきて魚を捕っていくのだから、決して気分は良くないだろう」と語る。
(引用ここまで)

 日韓漁業交渉もまったくまとまらず。
 このあたりもちょっと前に語った非対称戦を対称戦に持ちこんだ成果のひとつでしょう。
 かつては韓国の言うことは「かつて同じ国であった」とか「小国のお願い」というような扱いであって、「聞き入れるべし」という前提があったのですよ。

 80年代に韓国に1兆円の援助をさせられた経緯を記している秘録・日韓1兆円資金とか読むと「なんじゃそりゃ!」とツッコミどころが満載で呆れるのですが、中曽根政権の頃は非対称戦の極大期だったのでしょうね。
 まあ、冷戦末期であって対共産国の最前線に韓国がいたというのは事実ですが、それにしてもなぁ……というのが印象。
 このあたりにはアメリカからの依頼というか「おまえの舎弟だろ」くらいの認識だったのでしょう、と感じます。
 日韓基本条約ですらアメリカの影響下で結ばれたわけですし。

 で、95年になってもまだ「(併合時に)韓国にいいこともした」という発言で閣僚を辞任(実質的には罷免)させられるような関係性でした。
 その関係性を21世紀になっても引きずっていたのですが、この数年で「日韓関係を適切にマネージする」ことができるようになった、ということです。

 かつてはそういった非対称戦でしか戦えなかったものが、国と国のまっとうな対称戦に持ちこめるようになったのが最大の原因でしょう。
 それを旧来の関係に戻そうというのが徴用工裁判であり、慰安婦合意の実質的な破棄であるわけですが。
 ま、そうはいかないよという象徴のひとつが日韓漁業交渉。
 釜山の漁師が廃業に追いこまれようと日本側の態度は揺るがない。
 韓国の海産物禁輸や造船企業への援助に対して、WTOにさくさくと提訴しているという行動も同じ文脈で語れるでしょうね。
 ようやく、日韓間でまともに国と国として交渉ができるようになりつつある、ということです。