船橋洋一氏「韓国は韓米同盟解消の動きに備えるべき」(朝鮮日報)
米専門家が警告「韓米同盟は悲劇的な形で突然終わる可能性も」(朝鮮日報)
「米、朝鮮戦争直前のころ同様に韓国重視せず」

 アジア・パシフィック・イニシアティブの船橋洋一理事長(74)は、今年の国際情勢で最も注目すべき出来事に、米国でトランプ大統領にどんなことが起こるのかを挙げた。

 船橋理事長は昨年12月26日、本紙とのインタビューで、「トランプ大統領の『ロシア疑惑』捜査がどのようになるかが、北朝鮮問題をはじめとする世界の政治・経済・貿易に少なからぬ影響を与えることになるだろう」と予想した。また、米国が6・25戦争(朝鮮戦争)直前のころのように、「韓国は重要でない」という従来の見解に回帰し、韓米同盟を解消しようとしている動きに備えるべきだ、と助言した。 (中略)

−最近、韓米関係が弱まっている一方で、米・日関係はより緊密になっているのでは?

「トランプが韓米同盟を解消しようとしていることに懸念している。(1947年の)ジョージ・ケナン報告では、米国は朝鮮半島(韓半島)に関与する必要はないと書かれている。これは、地政学的に見た米国の昔からの見解だが、再びこの戦略に戻ろうとしているのではないかと憂慮している」

−そうならばどうすべきでしょうか。

「韓国国民は、北朝鮮はもちろん、中国の攻撃的な台頭に対抗するため、韓米同盟の重要性に気付くべきだ。また、韓国と日本の関係がこのように悪化していることを放っておく余裕はない。そうしていてはならない状況だ」
(引用ここまで)
 米国の外交専門誌『ディプロマット』は4日付で防衛費分担金交渉が韓米の間で決着がつかないことについて「(2013年の交渉など)防衛費分担金交渉が期限内に終わらないのは今回が初めてではない。しかし今回はさまざまな面でこれまでとは根本的に違う」「交渉の行き詰まりによる最も大きな問題は、安全保障におけるパートナーとして(韓国に対する)信頼が崩壊することだ」などと指摘した。韓国政府が最後まで分担金の増額に応じない場合、同誌は「トランプ大統領は2回目の米朝首脳会談で一方的に在韓米軍削減を宣言することもあり得る」との見方を示した。 (中略)

 米民主主義守護財団のマクスウェル研究員は米国の政治専門誌『ザ・ヒル』の中で「韓国は米国の本土以外では最も大きな米軍基地である(平沢の)キャンプ・デイビッド建設資金の90%を負担し、米軍駐留費用の半分を支援しているが、トランプ大統領はこれを評価していない」「これは韓米同盟の将来にとって良い兆候ではない」などと指摘した。

 マクスウェル研究員はさらに「(在韓米軍を取引の材料とする)トランプ大統領の同盟に対する見方が変わらない限り、トランプ大統領は韓国が(在韓米軍の駐留経費)全額を負担する以外に何を受け入れるか、確実なものは全くない」「もしトランプ大統領が(妥協案を)受け入れない場合、米軍は直ちに韓半島(朝鮮半島)から撤収するかもしれないし、そうなれば韓米同盟は悲劇的な形で突然終息するだろう」との見方を示した。
(引用ここまで)

 アメリカ、および日本のシンクタンクから「米韓軍事同盟は突然の終息を迎える可能性がある」との提唱が出るようになってきました。
 去年から見える形で米韓関係は揺らいでいますが、そもそもはオバマ政権後半からはじまったものであるという話を昨日のエントリでしていますね。
 韓国ではトランプ大統領の登場によって米韓関係が揺らいでいるというように語られることが多いのですが、それは明白に間違っています。

 かつての(数年前の)アメリカがなぜ日米韓の三角同盟強化にこだわっていたかといえば、中国の海洋進出を防ぎたかったからに他なりません。
 「中国の海洋進出に対抗するため」という命題を解決するためであれば日米韓の三角同盟は地政学的にも100点に近い回答ではあるのです。
 ですが、そのために韓国は日本側への譲歩を要求し続けてきた。
 そんな関係性に終止符を打つための打開手段としてアメリカが暗躍して成立したのが慰安婦合意だったのだ、という話はもうどれだけしたか分からないくらいですね。
 なんとしてでも三角同盟を強化したいというアメリカの要望を、うまく安倍政権が逆手にとったということもいえると思いますが。

 日本はそういった関係性をここ数年というもの明白に嫌いはじめてきたし、韓国は韓国でパク・クネ大統領がプーチン、習近平と一緒になって天安門に登ってスリーショットを撮影されて大喜びしていた。
 おまけに乾坤一擲の慰安婦合意についても韓国が実質的に横紙破りをしてきた。
 「どうやら韓国は『中国封じこめ』に参加するつもりがない」ということがアメリカにも見えてきていたわけです。
 その一方で日本は安倍総理がダイヤモンド安保構想を提唱するなどして、具体的な対策を出してくる。
 本来であれば、日米韓の三角同盟とダイヤモンド安保構想は矛盾するものでもないし、広域と狭域で戦術を使い分けるなんてこともできたはずなのですが。
 三不の誓い、特に「日米韓の三角同盟を結ばない」という約束をしてしまった韓国が離脱している状況では如何ともしがたい。
 なにしろ三不を理由にして三ヵ国での軍事演習すら断ってくるほどですし、ダイヤモンド安保構想にも加わらないと明言したほどでしたからね。

 もう去年の段階で「韓国を切り捨てる」準備は充分に整っているのです。
 もし、明日に米韓軍事同盟が切られることになっても「早いな」とは思うでしょうが、意外な選択肢ではないのですよ。
 今回の火器管制レーダー照射事件で日韓の諍いにアメリカが一切言及してこないというのは、もはや韓国なしでの安保構想が現実のものであるということを黙認しているからこそなのですね。
 ただ、切り捨てるにしても切り捨てかたというものがある、というのは楽韓Webで何度か語っていることです。切り捨てるにも最大利益を得るべきです。

 そして、「米韓軍事同盟」が切られつつあるということは、新アチソンラインの最前線に立っているのは日本であるということなのです。
 記事では「韓国は米韓同盟解消の動きに備えるべき」とありますが、本当に備えるべきなのは日本人なのですよ。
 世界がポストポスト冷戦とも呼べる激動の準備期間に入っていることは誰の目にも明らかだと思うのですが、「F-35を100機も購入するな」だの「空母保有は軍事大国化の野望の表れだ」とか言っている連中はなんなんだろっていう。
 この軋みあいの音が聞こえないとか、よっぽど高性能なノイズキャンセリングヘッドホンでも装着しているんでしょうかね。

まあ、このエントリならこれをおすすめするしかないわなー。
日本4.0 国家戦略の新しいリアル (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2018/9/20