韓国艦のレーダー照射、本当に海自P-1哨戒機は「脅威」だったのか? 検証する(乗りものニュース)
 韓国側が公開した動画の内容は、日本側の主張を真っ向から否定する内容であり、防衛省は「我々の立場とは異なる主張がみられます」という公式見解を発表しています。特に「日本の哨戒機が高度150m、距離500mまで接近し威嚇飛行をした。日本側は謝罪しなければならない」という韓国国防部の主張は、その最たるものと言えるでしょう。

 韓国国防部は、P-1の接近を「乗組員たちが騒音と振動を強く感じる程に脅威的だった」としていますが、実際のところどうだったのでしょうか。 (中略)

直線距離は522mと算出できます(底辺500m、高さ150mの直角三角形の斜辺)。そして522m先にある約38mのP-1は、10cm先にある7.3mmの物体と同じ大きさに見えます。つまり理論上、「豆粒大」にしか見えなかったはずです。韓国側が公開した動画の、韓国艦艇から撮影したと見られる部分においても、P-1とされるものは、機種さえ識別不可能なかろうじて飛行機だとわかる黒点にしか映っていませんでした。 (中略)

 実のところ、監視対象から「高度150m、距離500m」という数字は、特別に低高度でもなく危険なほど接近してるともいえない数字です。たとえば韓国海軍は、P-1哨戒機とほぼ同様の運用をしているP-3哨戒機を保有していますが、韓国メディア「月刊朝鮮」の記者が2013年7月10日にこのP-3へ搭乗取材した記事によると、「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」とあり、韓国海軍の哨戒機部隊自身が外国の艦艇に対して、今回の事件におけるP-1よりもはるかに低い高度を飛んでいることが分かります。

 もし韓国国防部の主張どおり、相手からは豆粒大にしか見えない高度150m、距離500mにおける目視識別を、「威嚇」であり「謝罪に値する」行為だとするならば、今後、韓国海軍の哨戒機部隊は「威嚇」をともなわない洋上監視を実施するのでしょうから、全く仕事ができなくなることでしょう。もちろん実際にそうするとは考えづらく、ということはつまり、彼ら韓国海軍の哨戒機部隊は今後、韓国国防部が「謝罪に値する」と断ずるような任務に従事させられることになってしまいます。
(引用ここまで)

 乗りものニュースはその柔らかいサイト名とは裏腹に、骨太なミリタリー関連記事も多数掲載しているニュースサイトです。「F-35ポンコツ論」みたいなポンコツな記事などは決して掲載されないところですね。
 この記事の執筆者である関賢太郎さんは何冊か著書を上梓する航空軍事評論家。

 今回の記事は「韓国国防部が『P-1哨戒機が威嚇的な低空飛行を行い、脅威を感じた』『広開土大王でも振動を感じるほどだった』と主張しているが、それは本当か」という検証記事。
 数字をぽんぽんと出して「P-1の飛行が威嚇的なものであるとは思えない」との結論に至っています。

 韓国側が出してきた11秒の映像に映っているP-1がおそらく最接近した時のものなのでしょうね。
 それ以上の接近した映像が残っていないからこそ、たとえ豆粒大でも視認できるものとしてこれを出してきたとしか考えられません。

画像は韓国国防部が発表した動画から引用

 水平線の歪みかたから見てもけっこうな広角レンズで撮っているのが分かります。実際に見えた大きさよりは映像に小さく映り込んでいるとは思いますが。
 それでもこれで「脅威的云々」を言うのは片腹痛い状況です。

 海軍というものは軍の特性上、他国の海軍との交流も多く「海軍同士」のつながりというのは無視できないものがあるという話です。
 これから韓国海軍のP-3Cが他国の艦艇から500メートル以内に近づいた場合には「そちらは脅威的な低空飛行をしている」「今すぐ謝罪しろ」って警告されるようになるかもしれませんね。
 国防部上層部が先行していて、海軍が口を出せなくなっている状況であるとも見えますが。まあ、そんな韓国内部の状況なんて日本にとっては知ったこっちゃない。

こういう本を書いている人ですね。
F-35「超」入門: 何が得意で、何が不得意なのか
関賢太郎
パンダ・パブリッシング
2017/7/26