「新日鉄住金の韓国内資産売却、三一節がデッドライン」(中央日報)
日帝強制徴用被害者側が新日鉄住金に対し「3月1日までに交渉に応じなければ裁判所に国内財産売却命令を申請する」と明らかにした。交渉のデッドラインを「三一節(独立運動記念日)」に決めて最後通告をしたのだ。

新日鉄住金の韓国国内の財産は関連会社PNR(POSCO−Nippon Steel RHF Joint Venture)株(約234万株、約11億円)だ。現在までは被害者側の要求で裁判所が新日鉄住金の保有株に対する差し押さえ命令だけを出した状態だが、被害者側が裁判所に売却命令を申請すれば新日鉄住金の株式を売却できる。

強制徴用被害者側の代理人、崔鳳泰(チェ・ボンテ)弁護士は9日、「個別の訴訟で賠償金を受けるのではなく、提訴しなかった徴用被害者を含めて被害者を対象にした包括的な和解を望むため、売却命令までは申請しなかった」とし「しかしいつまでも待つことはできないため、3月1日まで交渉に応じなければ売却命令も申請するしかない」と明らかにした。

これに先立ち被害者側は最高裁の判決を通じて損害賠償責任が確定した三菱重工業に対しても、「3月1日までに交渉に応じなければ国内の特許・商標権に対する差し押さえ命令を申請する」と明らかにしている。
(引用ここまで)

 あっちもこっちも「3月1日をもって云々」としているのは、韓国人の愛国心がもっとも過剰になるのが3・1節があるからです。
 3月1日は韓国で独立運動が起きた日付であり、国民の祝日に指定されています。
 毎年、なんらかの形で大統領談話が出される日でもありますね。
 今年は独立運動からちょうど100周年ということもあって、格段の盛り上がりを見せることになるでしょう。
 韓国人的には3・1節までなんの対応もしないことはありえない、という意識があるのです。まあ、日本人的にはそんなもん知ったこっちゃないのですけどね。

 つまり、日本にとってはこの日は危険な日付であるともいえます。
 この日付近辺で国会議事堂や靖国神社、日本大使館は厳戒態勢を敷くべきでしょうね。 もう手配済みであろうとは思いますが。

 ただ、韓国国内でフランスのイエローベスト暴動のようなものが起きないともかぎらないのです。
 韓国人の中でムン・ジェインに対する鬱憤はかなりたまっています。
 鈴置さんの日経ビジネスの最後の記事でも「すでに韓国では至るところで反ムン・ジェインのデモが行われている」というような韓国人からのメールが紹介されていましたね。
 この鬱憤の行き先がどこに行くかがちょっと分からない。

 パク・クネが弾劾されればすべてが(というか具体的には経済が)好転するはずだという希望を見せられたのに、その期待は裏切られている。これが問題なのです。
 期待させておいて落とす、というのが心理的には厳しい。
 韓国人の状況はもう充分に「気化したガソリン」のようになっています。どこから火種がつくのかは予測がつきません。あるいはさっと風が吹いて拡散されてしまう可能性もあります。

 フランスにおいて弱者は厳しい状況に置かれています。失業率は高止まり。特に若年層のそれは23%前後。社会的弱者のそれはさらに高いものになっているでしょう。
 その鬱憤がマクロン政権に牙を向いた……というのがイエローベスト暴動のおおよその構造です。

 何度か指摘しているように、韓国でも似たような状況になっています。
 というか、相似しているのですね。
 全体の失業率こそ低いものの、若年層の失業率は10%前後。
 「失業者」として統計に入らない公務員試験をひたすら受け続けているような人々も含めれば、実質的な若年層失業率は25%前後ともされています。
 そして民主労総のような左からは「革命が足りない」と突き上げられ、保守層からは「経済がまったくよくなっていない」だの「弾圧をやめろ」だのと突き上げられている。
 一部で発火すれば、全国に拡がるのはそれほど難しくないのでは……と考えています。

 正直、日本でも韓国でもなにも起きないのが一番なのですけどね。徴用工裁判の行方も気になりますが、ふと感じたことを記しておこうと思ってこんなエントリにしてみました。
 明日のムン・ジェインの記者会見は午前10時から。20分ほど所信演説を行い、その後に1時間ちょっとの記者会見というスケジュールとなっています。
 一応、速報予定です。

アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか
イワン・クラステフ
岩波書店
2018/8/4