【コラム】文在寅大統領、日本に激怒するだけでいいのか(朝鮮日報)
 今年最初の国務会議(閣議)が終わった後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は外交部(省に相当)長官・法務部長官、法制処(省庁の一つ)長ら数人の閣僚を別に呼んだ席で、強制徴用賠償判決とそれに伴う韓日の確執に対する自身の見解を説明した。その要旨は「徴用被害者(徴用工)に対する賠償は日本企業の問題で、韓国政府が率先してはならない」「日本は不当な内政干渉をしている」などというものだったという。「日本に対してもっと強く出ろ」という指針だと解釈できる。出席者の一部が「日本企業だけの問題ではなく、これまで韓国政府も徴用被害者問題は解決したと判断してきた点を考慮する必要がある」との意見を出したが、文大統領はかたくなな姿勢だったとのことだ。

 数日後、外交部幹部が大統領府に行った。韓日関係で強硬一辺倒の対応を再考する必要があると建議するためだった。ところが、大統領府の参謀たちは「我々が(文大統領に)そういう話をしていないとでも思っているのか」と言ってこの幹部を帰らせた。 (中略)

 だが、「大統領・文在寅」は弁護士の時とは比べものにならないほど多様で複雑な変数を考えなければならない。ところが、周囲の意見を十分聞いて考慮しているという話は聞こえてこない。「徴用被害者問題は1965年の韓日請求権協定で解決した」という見解を決めたのは2005年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時だった。当時この決定を下した委員会には文大統領も民政首席秘書官として参加していた。行政府がこれを覆すのは、司法府判決とはまた違う次元の負担だ。これに対する文大統領の見解はどうなのだろうか。

 文大統領が甘受しようとしている韓日関係悪化の「マジノ線(最終防衛ライン)」がどこなのかも不透明だ。安倍政権が圧力に屈し、韓国側が望む謝罪・賠償をするだろうと予想している人は政府内に誰もいない。両国の正面衝突は事実上、予定されているのも同然だ。そうした場合、北朝鮮の核の脅威に対応する安全保障協力に穴が開かないのか、経済的打撃にはどのように対応するのか、国際世論をどのように韓国側の味方につけるのか、責任ある当局者の説明を聞いたことがない。「歴史問題は歴史問題。将来のための協力は別個のもの」というむなしいスローガンがあるばかりだ。

 最初に原因を作ったのは日本で、それにもかかわらず反省しない日本の態度に我々全員が憤っている。しかし、大統領まで激怒するばかりで、現実的な突破口を見いだすための水面下の外交交渉をしないとすれば、問題はさらにこじれる。両国首脳の電話会談があってもいいところだが、その予定もないという。だからこそ、多くの外交関係者や専門家が「日本に容赦ないのはいいが、その後の戦略は何なのか。戦略があるにはあるのか」と文大統領に尋ねているのだ。
(引用ここまで)

 ああ、なるほどね。
 韓国がかつてとは異なり、日本への関心が薄くなっているということはある。ということは正しいのでしょう。
 それにしても、現状の韓国のやりかたはそれだけで説明できるもんでもないよなぁ……という話を何度か書いています。関心が薄かろうがなんだろうが、政府としてやるべきことは粛々とやるべきなのに、それすらできていない。
 その原因をどこに見るべきなのか、ということを考えていたところにこのコラムの冒頭部分がパズルのピースのようにかっちりとはまって納得。
 「皇帝的な権力を持つ」とも言われる韓国の大統領が指揮して「すべては日本企業の問題だ」としているのであれば、そりゃこういう対応になるでしょう。

 つまり、韓国企業や韓国政府が日本企業とともに財団を作る2+1すらも認めない。
 すなわち、外交部としても首相であるイ・ナギョンとしても手詰まりになるしかないのですよ。
 少なくとも2+1の財団方式はどうか、くらいの打診があってもおかしくない。すでに判決が出てからおおよそ3ヶ月が経過している状況ですからね。
 2+1方式ですら問題外としてダメ出しされるなら、なおのこと日韓であるていどの賛同を得られる対応策なんて出せるわけがない。
 外交は100:0を狙っていては成り立たないとされますが、ムン・ジェインのやろうとしていることはまさにそれ。
 他の経済関係や日韓の外交関係においてどんな損失をかぶろうとも、この一線から退かないというのであれば、こうしてすべてを棚上げにするしかないでしょうね。
 いやぁ……すごい。

 この経済がパンクしそうな中で、わざわざ向かわなくてもいい火の中に飛びこんでメンツだけを保とうとしているっていう。
 経済政策の頑なさから見ても、外交でだけは柔軟さを持つとも思えません。
 パク・クネの不通具合なんて目じゃないですわ。
 ですが、そんなムン・ジェインだからこそ応援すべきです。
 これを続けた結果、日韓関係はどうなるのか。
 ちょっと見てみたい気はしていますよ。