国防部「空対地ミサイル独自開発」……KF-X事業遅延の懸念(文化日報・朝鮮語)
韓国型戦闘機(KF-X)が試作機の製作すらしていない状態で空軍が空対地ミサイルの独自開発を推進しており、戦力化の遅れに対する懸念を生んでいる。21日の安全保障の分野の一部ではパワーパック(エンジン+トランスミッション)国産開発に欲を出したために戦力化が遅れたK-2黒豹戦車の二の舞を踏むことはないかという指摘も出ている。

国防部は、国産長距離空対地ミサイル開発のために総額8100億ウォンを投入する計画があるという。先立って去る11日、国防部は国防中期計画の発表で、北朝鮮の核・大量破壊兵器(WMD)の脅威に対応戦力となるトーラス追加導入のほか、KF-Xなどに搭載することを目的とするトーラス級ミサイルを独自開発すると明らかにした。

しかし、世界の防衛産業史上、戦闘機の試作品も備えていない状態で、独自の技術で空対地ミサイル開発をしようとするのは類例がないというのが専門家たちの指摘だ。戦闘機事業に精通した防衛産業関係者は「戦闘機の試作品も出ていない状態で、技術難度が高い長距離空対地武装を開発するのは史上初のことで、米国、欧州などのミサイルの先進国などでも容易ではない」と述べた。この関係者は「過度な開発費はもちろん、輸出市場も確保していない状況で、困難の開発に成功したとしても、開発単価が高くリスクが大きい」と憂慮した。 (中略)

ホン・ソンミン安保政策ネットワーク代表は「国産黒豹戦車開発に着手した後パワーパック(エンジン+トランスミッション)国産化決定で車体と核心部品の国産化を並行しながら、リスクが上昇して戦力化支障がもたらされた戦車の二の舞になりそうだ」とし「KF-Xは、過度なウエポンベイの要求などによって開発リスクが上昇しつつある」と懸念を示した。
(引用ここまで)

 定期的にお送りしているKF-X関連ネタ。
 記事中のトーラスミサイルはドイツとスウェーデンが共同開発した空中発射型の巡航ミサイルです。トーラスは英語読みなので、タウルスと表記したほうがいいんでしょうかね。
 最高速度はマッハ1。発射後は40-50mという低高度を飛び、射程距離は500km以上。
 全長5メートル、直径1メートル。ステルス性を考慮された形状で迎撃しにくい特性があるとされています。
 現在までの採用国はドイツ、スペイン。そして韓国。ドイツはユーロファイター、スペインはF/A-18、韓国はF-15Kに搭載しているとのこと。
 検索するとユーロファイターに搭載されている画像が出てきます。最初見た時は「変な形の増槽だなぁ」と思った覚えが。
 共同開発国のスウェーデンは採用していないのですね。一応、グリペンにも搭載できるそうです。
 ちなみに日本はアメリカ製のJASSM-ERについて導入検討の予算がついてました。こちらは将来的にはF-35にも搭載できるようになるとのこと。

 で、韓国はこのトーラスミサイル相当のスペックを持つミサイルを独自開発し、KF-Xとセットで売り出そうという目論見を持っているそうですよ。
 KF-Xの予定価格はめちゃくちゃな安価で供給できるとされています。
 なんとF404を2基搭載した双発機なのに予定価格は6210万ドル
 その安価な4.5世代戦闘機が安価な巡航ミサイルとセットで販売できるとなったら、スーパーベストセラーとして中進国以下の戦闘機市場を独占してしまうことでしょう。
 ……販売できるようになるかどうかという以前に、本体を完成させることができるかが最大の問題ですけどね。

 空中発射型の巡航ミサイルは西側だけでもアメリカのJASSM-ER、ドイツのタウルスミサイル、イギリスのストームシャドウミサイルと選択肢があって、韓国が割って入る余地はなさそうに見えます。
 ま、KF-Xもこちらもがんばって開発してくださいな。

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かの よしのり
SBクリエイティブ
2016/4/15