韓国の対米鉄鋼輸出、クオータ制受け入れは失敗だった(朝鮮日報)
約11カ月にわたる鉄鋼貿易戦争の末、韓国政府は関税免除を受ける代わりに、対米鉄鋼輸出を直近3年間の平均輸出量の70%に削減するクオータ制を受け入れた。当時韓国政府は「関税免除を早期に確定し、対米輸出の不確実性をなくした」と評価した。金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長は昨年3月26日、改定交渉の結果を契丹との交渉で義州周辺の江東六州を得た高麗の外交官、徐熙(ソ・ヒ)の交渉術になぞらえて自画自賛した。しかし、韓国は昨年、アジア太平洋地域で米国の通商拡大法232条適用による最大の被害者となった。日本、中国などライバル国は関税の例外条項で切り込み、韓国が自主的に削減した量よりも輸出の減少を抑えたからだ。

 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)ワシントン貿易館は19日、米商務省の統計を分析した結果、昨年1−11月に韓国の鉄鋼製品の対米輸出量が前年同期比で24.8%、輸出額が13%それぞれ減少したと指摘した。これに対し、米国への鉄鋼輸出が最も多いカナダの輸出量は1.2%、輸出額は9.1%それぞれ増えた。2位の欧州連合(EU)も輸出量は0.3%減ったが、輸出額は7.4%増えた。25%の関税の適用を受けた日本は、輸出量が20.8%減少したが、輸出額は0.7%の減少にとどまった。(中略)

 通商専門家が1年前に示した懸念が現実となっている。韓国の対米輸出はアジア太平洋地域で最も大幅に減少した。専門家は韓国政府が関税免除を受けることにばかりこだわり、米国内の鉄鋼需要をしっかりと予測できず、性急にクオータ制を受け入れたと指摘した。関税ではなくクオータ制を受け入れた国は韓国、アルゼンチン、ブラジルの3カ国だけだ。

 さらに、米国が高い関税を適用すれば、韓国の輸出メーカーだけでなく、米国内の消費者の負担も増すため、米国内での鉄鋼価格が大幅に上昇し、収益構造は改善する。しかし、クオータ制を受け入れた韓国の場合、価格が上昇しても輸出を増やすことができない状況だ。西江大の許允(ホ・ユン)教授は「交渉は間違っていた。特にクオータ制の終了時期など交渉条件が明示されていない不完全な交渉だった」と指摘した。
(引用ここまで)

 韓国政府が対米鉄鋼輸出の関税を避けるために、アメリカから出されたいくつかの条件を丸呑みしたというのは既報。
 輸出量を過去3年の輸出平均の70%に抑えるというクオータ制と、為替介入の透明化を求める付帯文書を採用させられるなんて羽目になりました。
 日本は25%の関税を課されることになりましたが、日本からの対米輸出はそう多くはなく高品位のパイプ等で代替の難しいものだったためにさほどの被害を受けることもなくむしろ鉄鋼好況で関税を相殺できるほどに売れたとのこと。
 そもそも新日鐵はアメリカに鉄工所を持ってて、アメリカの需要はそちらがメインですしね。

 韓国の中小鉄鋼はアメリカへの輸出に頼っていた部分が多かったために「クオータ制がはじまるのは関税開始以降だ」と勘違いして輸出攻勢をしてしまい、かつアメリカからは「いや、1年の総量に決まってるだろ」って言われて去年後半になる前に輸出枠を使い果たしてしまったなんてオチもつきましたっけ。

 当時は「これが韓国の外交力だ!」とばかりに自尊心(実際には虚栄心)を膨らませ切っていましたね。今回の記事中にもあるように「まるで高麗時代の名外交官のようだろう?」みたいなコメントを出していました。
 ですが、実際の輸出成果を見てみるとひとり負け。
 ひとり負けなのに為替介入では透明性を求められ、かつ保険でも自動車市場でも市場開放を約束させられているっていう。
 アメリカの出した条件にまんまと釣られただけだった、というオチでしたね。

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齋藤 勝裕
SBクリエイティブ
2016/2/15