河野外相「金剛山・開城工業団地の再開はできない」…韓日米連携に「冷や水」(中央日報)
22日午後、河野太郎外相の記者会見では2日前に文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の電話会談の内容に関する質問が出た。

ある記者が「両首脳が電話会談を行った時、南北経済協力の用意があるという趣旨の発言があった。制裁の一部緩和が必要だといった」とし、日本政府の立場を質問した。

すると、河野外相は「韓国が言うのは制裁とは関係がない話であり、これは制裁が解除された後のことだと理解している」と話した。

南北経済協力は制裁が緩和されてから可能なもので、そのためには北朝鮮の完全な非核化が先行される必要があるという趣旨の発言をしたわけだ。北朝鮮が非核化の進展を見せない限り、南北経済協力や一部の制裁緩和もあり得ないということでもある。

河野外相は引き続き「北朝鮮が要求する金剛山観光と開城工業団地事業の再開を制裁の例外として認めてはならないということか」という質問に「そのように思っている」と釘を刺した。 (中略)

文大統領は電話会談で「南北間鉄道、道路連結から南北経済協力事業までトランプ大統領が要求すれば、その役割を果たす覚悟がある」とし「北朝鮮の非核化措置を牽引するための相応の措置で、韓国の役割を活用してほしい」と提案した。

文大統領が金剛山観光と開城工業団地に直接言及してはいないが、メディアを通じて韓国政府が非核化ロードマップの中間段階として両事業の再開を提案したという報道もあった。

トランプ大統領も文大統領の提案について「肯定的な反応」〔20日金宜謙(キム・ウィギョム)青瓦台報道官〕を見せた中で、日本外相の発言は韓日米連携体制に冷や水を浴びせたわけだ。
(引用ここまで)

 開城工業団地についてムン・ジェイン大統領は「アメリカが認めてくれるのであれば、南北経済協力を行いたい」という旨の話をトランプ大統領との電話会談でしていた、という話が出ています。
 かかる費用は韓国が丸抱えでやってもいいので、これを交渉カードにしてくれとのことでした。

米朝交渉のテーブルに上がる南北経済協力のカードは?(聯合ニュースTV・朝鮮語)

 開城工業団地の再開について、去年の8月には「なぜ南は関係改善を約束したのに開城工業団地の操業を再開しない」と北朝鮮から文句がついていました。
 さらにキム・ジョンウン本人から今年の年頭会見で「前提条件なしの開城工業団地の操業、および金剛山観光事業の再開」を求められていましたね。
 北朝鮮の走狗であるムン・ジェインとしてはなんとしてでも今回の米朝首脳会談で開城工業団地の操業再開への筋道をつけたくてしょうがないわけです。

 ですが、日本からしてみたら中途半端な制裁緩和は許しがたい。
 河野太郎外相の言葉がおおよその日本の総意といって間違いないでしょう。
 で、それをもって「日米韓連携体制に冷や水を浴びせた」と非難する韓国メディア、という立ち位置なのですが。
 まあ、韓国の立場なんてもはや日本にしてみたら知ったこっちゃない。
 日本には日本の要求や立場があって、韓国に対してなに憚ることなくそれを述べることのできる時代になっている、ということですね。

 元在英北朝鮮公使のテ・ヨンホ氏は「開城工業団地のような経済特区をいくつか作ることが北朝鮮の目的であって開国はありえない」とも語っていました。
 ちなみにその後、テ・ヨンホ氏は韓国政府系シンクタンクから追放されてます
 ちょっと話はずれますが、自分と周辺が高級品を入手して贅沢ができる範囲の経済成長さえできればいいのであって全面的な経済成長を望んでいるわけでもない……とする見方もあります。



 であれば、北朝鮮が求めるのは開城工業団地の再開と、同レベルの経済特区のいくつかていど。
 その代償としては全面非核化はありえないのではないか、という見方ですね。
 まあ、国家存続という意味から見てみたらそうなるでしょう。

 アメリカ、日本、韓国、北朝鮮のそれぞれにそれぞれの思惑があって当然という話なのです。
 韓国側に都合のいいときだけ「日米韓の連携はどうなったんだ」って言われても「そんなこた知ったこっちゃねえ、いいからとっとと北朝鮮を非核化させろ」って話になるだけですよね。