「ストライキは雇用までは守ってくれない」……釜山に飛んできたルノー副会長の警告(韓国経済新聞・朝鮮語)
造船会社「ビッグディール」難航……大宇造船労組ストライキ予告(聯合ニュースTV・朝鮮語)
ホセ・ビセンテ・デ・ロス・モゾス・オビスポ ルノーグループ製造・供給担当副会長(写真)は21日、ルノーサムスン釜山工場を訪問した。午前8時から10時間近く工場に滞在し、現場責任者など5回懇談会をした。モゾス副会長は、「2週間以内に賃金・団体交渉を結び、葛藤がより長くなると、新車割り当てを保証することはできない」と警告した。

モゾス副会長は難しい自動車市場の状況を強調した。2008年のグローバル金融危機以来最悪の状況を迎えることができると懸念した。

彼は「世界のすべての自動車工場が新規物量を確保するためにこれまで以上に熾烈な生存競争を繰り広げている」とし「釜山工場のように輸出の割合が60%以上であれば、輸出量確保の可否が生存と直結されている重要な要素」と語った。 (中略)

副会長は釜山工場がぶつかっている「現実」を直視しなければならないと強調した。彼は「釜山工場の時間生産コストは、すでにルノーグループ内の工場の中で最高レベルに達していた」とし「釜山工場の生産コストが上昇しており、将来のの車種や生産量割り当ての過程で競争力を喪失する」と警告した。釜山工場は2014年日産日本の九州工場とローグ物量割り当てを置いて競合した時は、平均人件費が相対的に低かった。しかし、最近の調査では、釜山工場の平均人件費が20%ほど高いものと把握されたと会社側は説明した。 (中略)

ルノー本社のこのような圧迫にもかかわらず、「ルノーサムスン事態」は、長期化局面に入った。労使は21日、16回目の賃金と団体交渉をしたが、意見の相違を狭めるなかった。同社労組は基本給10万667ウォン引き上げなどを要求し、昨年10月から5ヶ月間で38回(144時間)のストライキした。22日にも部分ストを行った。
(引用ここまで)
現代重工業の大宇造船海洋の買収合併が労組の反発に直面しています。
大宇造船労組がストライキを決議したことに続き、現代重工業労組も同じ動きを見せ、世界2位の造船会社の「ビッグディール」成功の難航が予想されます。
(引用ここまで)

 ストライキの話題ふたつ。
 かつてルノーサムスンはサムスン系列らしく労組なしの企業経営をしていたのです。
 2011年に「世界最悪の労働組合」とされる民主労総傘下の金属労組に加入してからこっち、他の自動車産業と同様にストライキを連発してきました。
 記事にあるようにここのところはさらに激しくなっていて、ルノー本社から度重なる警告を受けていたのですね。

 釜山工場では日産ローグを生産しており、これが工場稼働の約50%を占めています。
 この生産割当の契約は9月に終了し、このまま人件費の高騰が続くのであれば契約をここで打ちきる可能性がある、というのが警告の内容。
 稼働率を半分にしてもいい、という覚悟がルノー本社側にあるということです。
 かつて韓国GMの群山工場も3年連続で稼働率20%台と低迷してから閉鎖されました。
 こちらはヨーロッパ向けに輸出していたシボレー車の生産ができなくなったことが原因でしたね。
 それとまったく同じ軌跡を描かせようとしているのではないか、という話になっています。
 本社から役員が飛んできて説得に当たる、なんてのもデジャヴですね……。

 で、もうひとつは大宇造船海洋を現代重工業が買収するという話。
 ずるずると巨額の公的資金を注入することで半ば以上韓国の国営企業と化していた大宇造船海洋を売却しなければならないというのはここ何年かの懸案だったのですね。
 どうにか折り合いがついて現代重工業が名乗りを上げてくれた、という状況なのですが。
 両者の労組が反対してストライキを起こそうとしているという話。

 大宇造船海洋側には軍用艦製造のラインがあるのですね。かねてから買収に際してこれが大きな問題となっていました。
 同じ巨済島に拠点のあるサムスン重工との合併も噂されていたのですが、サムスン側としてはどうしてもこの軍用艦製造を受け入れたくない。
 経営資源を集中させるために軍向けの装甲車製造などでそこそこの利益を稼ぎ出していたサムスン・テックウィンもハンファに売却していたほどなのに、また軍事ラインを吸収したくはないという意向があったとのことです。

 大宇造船の労組曰く「雇用が補償されない合併は絶対反対」とのことで。
 ……どっちにしてもリストラは免れない運命だと思いますけどね。
 んでもって現代重工業の労組も「あんな不良企業を買収したらこっちまで沈むわ」ということで、大宇造船労組と協力して買収合併に反対するためのストライキに突入するとのこと。
 まあ、そうやって日本と競争関係にある業種が自ら生産性を下落させてくれるのですから、ありがたいお話ですね。おめでたいお話というか。
 去年年初のムン・ジェイン大統領による最初の視察先が大宇造船海洋でしたね。
 なので韓国政府としては絶対に潰さないという気概ではあるのでしょうが……。まあ、がんばってくださいな。