正恩氏、驚きの表情…拉致を「核」より先に提起(読売新聞)
 2月27〜28日の米朝首脳会談で、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に日本人拉致問題を提起したのは、初日に行われた1対1の会談の冒頭だったことがわかった。

 複数の日本政府関係者が明らかにした。

 安倍首相は2月20日のトランプ氏との電話会談で、拉致問題を正恩氏に提起するよう要請した。トランプ氏の発言は、これに配慮したものとみられる。正恩氏は核・ミサイル問題が最初の議題と想定していたのか、その場で「驚いた表情」を見せたという。
(引用ここまで)

 これ、本当であったとしたらなかなかに興味深い話ですね。
 単純に「トランプ大統領は日本のいうことを重視している」というだけの話ではないのですよ。
 つまり、首脳会談の一発目に「我々は北朝鮮による日本人拉致問題を重視している」ということで、複数の効果が得られるのです。

 まず、もちろんアメリカと日本は連携しているのだという事実を北朝鮮に見せつけるということ。当然のことではありますが、これは対韓国の戦略もあるでしょうね。韓国からの話は無視し、日本を重視しているという部分でもある。
 そして、日本に対して貸しを作れている。「わたしは日本が注視している拉致問題を米朝首脳会談で取り上げた。しかも最初の話としてだ」というようにして、日本に圧力を加えることができる。貿易問題の取引材料にもするでしょうね。
 さらに北朝鮮に対して「我々は核問題だけを議題にしているわけではない」と語ることもできる。「核問題だけではなく、北朝鮮の人権問題に対しても感心を持っている」という意思表示です。
 さらに想定外の話題を持ってくることで、相手の動揺を誘うという手段でもありますね。

 一石二鳥どころじゃない。
 ビジネスマンならではの手段ってところだな……。

メディアは死んでいた 検証 北朝鮮拉致報道
阿部雅美
産経新聞出版
2018/5/28