北朝鮮のロケット施設が活発化、打ち上げ準備か 米専門家(CNN)
北朝鮮の平壌近郊にあるロケット組み立て施設で活動が活発化し、打ち上げの準備が進んでいる可能性があることが衛星画像からわかった。ミドルベリー国際大学院モントレー校東アジア核不拡散プロジェクトトップのジェフリー・ルイス氏が8日、CNNに明らかにした。

一連の画像は米衛星画像企業デジタルグローブが先月22日に撮影したもので、平壌近郊の山陰洞(サンウムドン)にある施設で活動が活発化した様子をとらえている。専門家2人はCNNの取材に対し、衛星打ち上げを示唆する動きとみていることを明かした。 (中略)

これに先立ち、北朝鮮情報サイトとして定評のある「38ノース」は、西海(ソヘ)衛星発射場が通常の稼働状態に戻ったとの分析を発表した。同発射場は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の意向で一部解体されていたが、この数週間は復旧作業が進行。特にハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わって以降、作業ペースが上がったとみられる。 (中略)

ただ、北朝鮮が軍事用ミサイルと宇宙ロケットのどちらを準備しているのか把握するのは不可能とも注意を促した。また、米国の偵察衛星の注意を引こうと故意に行っている活動の可能性もある。
(引用ここまで)

 ICBMの発射テスト、もしくは衛星打ち上げを行おうとしているとのお話。
 北朝鮮は「核実験、ミサイル発射試験の中止は制裁緩和のため」という意識があるのは間違いないでしょう。
 で、米朝首脳会談がなんの結果も出せずに決裂したからには、元の状態に戻ってもよかろうと。
 それでもまあ、「衛星打ち上げである」という言い訳ができるロケットからやってやろうということでしょうね。
 瀬戸際外交の再開です。

 すっかり2016〜2017年くらいに状況が巻き戻っていますわ。
 当時は「明日、北爆がはじまっても不思議じゃない」くらいの状況になりつつありましたね。
 ただ、2017年からの国連安保理決議2375、および2397でかなり包囲網が狭まっている。特に後者では原油をはじめとして、鉄鋼や非鉄金属といった資源まで禁輸されたことで、北朝鮮は南北首脳会談、および米朝首脳会談に出てこざるを得なくなったわけで。
 なにも北朝鮮が平和を指向しているわけでもなければ、世界が安全になったというわけでもない。
 ただただ、制裁を強化したからこそミサイル発射も核実験もできなくなったというだけ。

 状況が巻き戻ったとしても、それが2017年と同じかと問われたら大きく異なる。
 すでに「北朝鮮との対話」自体が行われているにも関わらず、その脅威は取り除かれていないという認識が全世界に拡がっているのですね。
 ここで「ミサイル発射実験」と受け止められうる衛星打ち上げでもしようものなら、世界の表情が変わってきますよ。
 体制崩壊に伴って生じるであろう混乱を嫌っていた中国、ロシアも国連安保理を通すことで納得せざるを得なくなった。
 「最強の制裁」であった国連安保理決議2397を課してですら、対話で解決できなかったのであれば残る手はふたつ。
 さらなる制裁強化か、北朝鮮を攻撃することになるか。
 まだ完全に対話の目がなくなったとは思いませんが、対話のための対話になりつつある中で、どれだけ説得力を持つのやら……。
 第3回の米朝首脳会談があるとしても、大きな情勢変化がなければ次が最後でしょうね。