開城連絡事務所に韓国政府が石油持ち出し、安保理が問題視(朝鮮日報)
韓国政府は開城の南北共同連絡事務所設置のため、昨年およそ340トンの石油製品を北朝鮮に運び出した。石油は安保理決議によって制裁品目に定められているが、韓国政府は石油製品を運び出した事実について事前に安保理に申告を行わなかった。韓国国内でもメディアや野党がこれについて何度も指摘したが、それでも政府は「連絡事務所と関連した石油製品の搬出は、制裁違反かどうかを検討すべき事案ではない」との説明を繰り返してきた。昨年8月には韓国統一部(省に相当、以下同じ)の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官と外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官、国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長が国会で「(連絡事務所設置に関する問題は)制裁関連の事案に相当しない」との考えを示し、また韓国大統領府の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官も「制裁対象ではないし、米国も理解を示したと聞いている」とコメントしていた。

 ところが国連安保理専門家パネルの判断は違っていた。専門家パネルは今回の報告書に添付した資料の中で、国連加盟国に「北朝鮮への石油製品移転報告義務」を課すことを定めた国連安保理決議2397号に言及し「加盟国は精製石油製品の北朝鮮移転を全て委員会に報告しなければならない」「これは所有ではなく領土が基準となり、臨時移転か永久移転か、移転後には誰の統制下に入るかは関係ない。これらの具体的項目に注目している」という趣旨の記載を行っている。北朝鮮領土に持ち出される石油製品は、いかなる場合であれ報告対象であることを明確にしたのだ。これについてある外交筋は「(専門家パネルが)『韓国政府は制裁に違反している』とあからさまに指摘したわけではないが、『同じようなケースは今後あってはならない』とはっきり警告したようなものだ」との見方を示した。
(引用ここまで)

 昨日、ムン・ジェインとキム・ジョンウンのツーショット写真が掲載されているということで話題になった、北朝鮮の制裁違反に関する国連安保理による報告書。
 そこには「韓国の開城連絡事務所で制裁違反の恐れがある」という記載があったとのこと。
 以前から韓国大統領府は開城工業団地の連絡事務所に石油を持ち出していたのですが、野党側から国会で「原油等の運び込みは制裁違反になるのではないか」と追及されても延々と「制裁違反にはならない」と言い続けてきたのですね。
 制裁違反にならないという根拠を求められると「制裁違反にならないからだ」という禅問答のような回答をしていました。
 でもまあ、こんなのが制裁違反にならないんだったらなんでもありだろうと。
 当時の楽韓Webでは書いていましたね。
 で、今回の報告書も同様に考えている、という話。

 さらに昨日、ムン・ジョンイン特別補佐官が「今度の統一部長官は凄いヤツがくるぜ」(意訳)という話をしていましたが。
 いや、この人(キム・ヨンチョル)はホントにすごいのですよ。
 北朝鮮への支援は国連もなにも通す必要はないっていうのを持論にしている人物でして。
 この人が統一部長官に就任するのであれば、開城工業団地の再開強硬も充分にあり得るレベルのすごさ。
 あまりのすごさに記事にしにくくてスルーしているっていう。どうまとめたらいいのかいまでも悩んでいるほど。  おまけに「再開さえしてしまえばこっちのもので、アメリカだって手は出せない」みたいな話をムン・ジョンインがしたという記事が出てたりするような事態。
 ムン・ジェイン政権がセカンダリーボイコットすら恐れずに南北経済協力に向かおうとしている模様です。

 国連の意向というのはその大半がアメリカの意向といっても過言ではないと思うのですが、今回の報告書はその傾向が色濃く出ているものとなっています。
 アメリカは韓国の金融機関、さらにはアメリカに支社のある企業にまで「北朝鮮と関わったらセカンダリーボイコットになるから気をつけてね」という警告をしていたほどに韓国の動向には注意を払っています。

 ……これまで韓国は北朝鮮との統一に向けてアメリカという存在をレバレッジとして使ってきたのですね。
 少なくともシンガポールでの米朝首脳会談に向けては韓国の助力があったのは間違いないところでしょう。
 ですが、韓国の意図を離れてアメリカ(というか韓国を除いた全世界)が制裁をはじめとした圧力を強化する方向に動いているので、独自の方策を執ろうとしているように見えます。
 実はこのことは日本にとってもかなりのリスクとなるのですよ。という構造の解説を先日から書こうとしているのですが、うまくまとまりきらない今日この頃。