北朝鮮、非核化交渉の中断示唆 正恩氏が近く声明(日経新聞)

 北朝鮮の外務次官が非核化交渉の中止を示唆。
 ついでキム・ジョンウン委員長からの声明も間もなくあるとのこと。
 外務次官の会見全文は探したのですがなかったなー。

 いわく「アメリカには妥協しようという姿勢が見られない」「(北朝鮮は)いかなる形でもアメリカに妥協しない。これらの交渉を希望、もしくは計画するつもりもない」とのことで、本気で寧辺の核施設(の一部)ごときで制裁緩和を勝ち取れると考えていた、もしくはいまだに考えている模様。
 この「寧辺核施設とほぼすべての制裁緩和」を取引するというものが北朝鮮側が出せる最大のカードであって、それ以上の妥協をするつもりはないという宣言ですね。
 とりあえずは外務次官に言わせてみて、様子を伺っているというところかな。

 これをもって2017年以前の危機状態に戻るのではないかというように考えている人も多いのですが。
 事態はそれよりもはるかに悪い。
 なぜなら2017年の段階では「アメリカの圧力に応じて北朝鮮が交渉という手段に出てくるかもしれない」という希望があったのですから。
 で、実際に交渉してみて決裂しているわけですからね。
 現状、アメリカの対北朝鮮外交を主導していると見られるジョン・ボルトン補佐官は「かつての政権のように北朝鮮の偽りには乗せられない」、すなわち生物化学兵器、核兵器、ミサイルのすべてを破棄しなければ制裁を解除しないと語っている。

 イラク戦争では「大量破壊兵器の有無を明らかにするために査察を受け入れろ」っていわれたイラクが最後までそれを拒絶していたために戦争になったわけです。
 けっきょくあれはイランに対して虚勢を張り続ける必要があったために、最後の最後まで「大量破壊兵器がないとは言わない」という態度をとりつづける以外になかったのですね。
 その虚勢とともに亡国せざるを得なかった。
 あとになって「大量破壊兵器なんてなかった」ってなって戦争参加国が唖然としたわけですが。

 北朝鮮は明確に事情が異なっていて、自ら大量破壊兵器を誇示している。あまつさえ「ワシントンを我々の核で火の海にしてやる」という意味のことを何度も語っている。
 アメリカは自国民を殺され、首脳会談までしてかつ粘り強く交渉を重ねたものの決裂してしまった……という事実を重ねている。
 最初からここを終着点と目指していたとは思えませんが、条件が揃ってしまっているのですよ。

 ただ、戦争によって支持率は一時的に回復することが多いのですが、半年もすれば元に戻ってしまいます。イラク戦争、湾岸戦争ともに同様でした。
 そのことからトランプ大統領が戦争を支持率のブーストと使うつもりがあるのであれば、時期は来年半ばにしたいはず。

 キム・ジョンウンがどのような声明を出すのか、ということにもかかっているかなぁ……。
 事態はかなり流動的になってきました。