楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

中韓関係

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ムン・ジェインが訪中でフルボッコだった→韓国与党議員「野党代表は安倍に謁見するように礼をしているぞ!」……ああ、それってアレですよね

安倍首相にお辞儀? 韓国最大野党代表の写真が物議「屈辱外交」「悪意の切り取り」(朝鮮日報)
韓国の最大野党「自由韓国党」洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表がこのほど訪日した際、安倍晋三首相に深々と頭を下げてあいさつしたとされる写真が公開され、非難を浴びている。この写真をめぐって与党が「屈辱外交だ」と攻撃すると、洪準杓代表側は「『悪魔の編集』により文在寅(ムン・ジェイン)大統領の朝貢外交をごまかそうとしている」と主張した。

 与党「共に民主党」のカン・ビョンウォン議員は16日、フェイスブックに洪準杓代表が14日午後、東京都内の首相官邸で安倍首相と会って握手をする際、腰を45度の角度で曲げて深々と頭を下げている写真を掲載し、「謁見? あ、洪準杓!」と書き込んだ。洪準杓代表は同日、中国を訪問していた文在寅大統領に対して「習近平中国国家主席に謁見するために行った」と批判したのに対抗して、逆に洪準杓代表の方が安倍首相に謁見しているような姿を見せたと指摘したものだ。同党の閔丙ドゥ(ミン・ビョンドゥ)議員も同日、フェイスブックに同じ写真を掲載して、「洪準杓代表は文在寅大統領の前では限りなく高慢で、安倍首相の前では限りなく卑屈だ。洪準杓代表には日本党地域委員長の方が似合っている」と書き込んだ。
(引用ここまで)

honjunpyo

 画像は朝鮮日報から。そもそもが日本のニュース番組のキャプチャっぽいですけどね。
 よくあるパターンです。
 会話でも言葉尻だけを捉える。
 会見で連写した写真から不機嫌そうな(不細工気味になった)写真をピックアップして「不満があったようだ」だの「こんなに不細工だった」だの報道する。
 こうして一連の動作の一瞬を切り取る。

 韓国的には行政の長を表敬訪問しても一礼もしないというのが「上に立つ人間」のやることなのでしょうかね。
 「平昌オリンピックに日本人が少なかったら、韓国人は東京オリンピックには一切行かせない」という素晴らしい提案で一気に日本での人気を獲得することに成功した韓国の国会議長であるチョン・セギュンは訪日時に「安倍総理と同じ椅子を用意してくれ」と注文したそうですが。
 まあ、斯様に韓国では格付けが大事な話なのですよ。

 にもかかわらず、中国では国家元首であるムン・ジェインがミリほども立場がない状況に追い込まれたわけです。
 そこから目をそらすための工作……というにはだいぶ子供じみた話ではありますが。
 一種の心理的防衛機制の投影ですね。
 「野党の代表だってこうなってるぞ!」っていう。
 逆説的にムン・ジェインへの訪中がコテンパンにやられたからこそ、こういう話が出ているということでもあるのですけどね。

フルボッコだったムン・ジェインの訪中、あえてよかった探しをしてみれば……

【社説】中国への依存度下げ外交・経済多角化せねば=韓国(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が習近平中国国家主席と韓中首脳会談を行ない16日に帰国した。外交欠礼と「1人飯」議論から中国警護員による韓国記者暴行事件まで、言葉も多く不満も多かった中国訪問だった。文大統領の今回の訪中は改めてさまざまな面で「韓国にとって中国は果たしてどんな隣人なのか」を問い質す契機になった。

21世紀の超強大国に浮上した中国は安保・経済・文化など、ある分野でも韓国だけでなく世界のすべての国に重要な存在であることを否定することはできない。だから文在寅政権も争って北京を訪ね習主席と主要懸案を話し合おうとしたのだ。

ところで訪中結果に対しては批判が多い。さらに「このタイミングでなぜ中国を訪問したのかわからない」とか「韓国が得たものはひとつもない」という酷評もあふれる。中身のない首脳会談と中国の無礼な外交的態度、さらに韓国の低姿勢外交が集まり総体的に屈辱的だったという自嘲も出てくる。「国賓訪問」の意味が果たしてこうしたものだったのかという反問も多い。 (中略)

ただこの機会に中国に対する依存度だけは確実に引き下げなければならないだろう。われわれが中国にばかり深く入れ込むなら差し迫った状況で抜け出すのが難しくなる。高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の時にわれわれはすでにこれを骨にしみるほど感じた。中国の経済報復が続き観光産業をはじめ自動車や化粧品に至るまでさまざまな分野で大きな打撃を受けた。 (中略)

これとともに韓国は経済・安保・韓流など諸分野で多角化に邁進しなければならない。THAAD問題で教訓を得た通り、「ポストチャイナ戦略」もさらに具体化しなければならない。そうした意味で先月文大統領が明らかにした韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による未来共同体構想は積極的に推進すべきだろう。文大統領は先月13日にフィリピンのマニラで「私と韓国政府はASEANとさらに親しい友人になろうとしている」と話した。 (中略)

中国は今回われわれに素顔を残らずさらけだした。習近平主席はトランプ米大統領に「韓国はかつて事実上中国の一部だった」と話したりもした。力が支配する国際社会で生き残るには力を育てなければならない。何がわれわれの力を育てる道なのか本当に深く熟考しなければならない時だ。
(引用ここまで)

 ひとつ前のエントリにあった大統領府高官のセリフのようなバカな話ではなく。
 本当にあえてなんとかよかったことを今回の訪中で探すのであれば、中国というものの本性が骨身に沁みたということでしょう。
 外交、経済等の投資先を分散しなければ、いつまで経ってもこの惨めな状況が変化しないということが、ようやく理解できたかな……という部分を理解した。
 まあ、そんなもんは本来であれば「三不の誓い」の時点で理解すべきなのですが。

 なにしろ2016年の対中国投資額は香港、シンガポールについで3位。香港がほぼ中国本土と同化しつつあり、かつシンガポールが金融中心であることを考えると、純粋な工場等への投資額ではおそらく世界一。
 2016年の上半期の時点で日本をはるかに追い抜いていたくらいで、楽韓さんは「なんでそんなに卵をひとつのバスケットにぎゅうぎゅうになるまで押し込んでいるのやら……」みたいな感想を書いていたほどでした。
 これまでサムスン電子はスマートフォン製造工場をベトナムに作って分散しているようでしたが、ヒュンダイ自動車はとにかくアホほど中国に投資してました。今年は第5工場まで完成して、製造能力は年間265万台
 ですが販売数は130万台以下がほぼ確定的。
 投資先としても販売先としても急激に苦しくなってしまった。もちろん、政治問題的にも。
 卵を入れたバスケットは複数持っておくべきなのです。

 ただ……ムン・ジェイン政権はあくまでも「大成功!」っていうスタンスなのが問題ですかね。

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2014/10/24

韓国政府「訪中は大成功、THAAD配備による隔たりは克服された!」……ああ……そうですか

文大統領訪中 「THAAD巡る隔たり克服」=韓国大統領府(聯合ニュース)
韓国青瓦台(大統領府)の高官は17日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問(13〜16日)について「文政権発足以降、外交的困難があったが、今回の訪中でまた一つ山を越えた」と述べた。北朝鮮の核・ミサイルによる挑発で緊迫する朝鮮半島情勢を外交的に解決し、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反発する中国の報復措置で冷え込んだ韓中関係を修復する上で重要な成果を挙げたと評価したものと受け止められる。

 同高官は「韓中首脳がTHAAD問題によるわだかまりを完全に克服したと思う」とした上で、「THAAD問題が完全に解決したわけではないが、(THAADへの)言及の頻度や強さは著しく低下した」との認識を示した。なかでも文大統領と習近平国家主席が14日の首脳会談を前後して5時間を共に過ごし、個人的な信頼と友情を築いたことが大きいと強調した。

 青瓦台は文大統領の訪中により中国がTHAAD配備に対する報復措置を事実上撤回したことを公式に宣言したと評価する。 (中略)

 青瓦台は訪中が成功したと評価することで、文大統領が中国から冷遇されたとの批判を一蹴した。青瓦台高官は「訪中に対する批判的評価も謙虚に受け止めるが、意味のある成果についてはしっかりと見てほしい」と述べた。THAAD問題を巡り韓国が中国に低姿勢を取っているとの指摘には「安全保障上の利益を確実に守り、中国の理解を求めたと評価できる」と反論した。
(引用ここまで)

 いやあ……強いなー。
 昨日の朝の時点であれだけの屈辱リストを晒されておきながら「THAADミサイル配備についての隔絶が緩んだから成功」ですって。
 たしかに習近平は首脳会談前の言葉においては直接言及をしてはいません。
 事前に楽韓Webでも予想していた通りに。

 ですが、それはTHAADミサイル配備問題の終結そのものを意味していません。
 むしろ、きつくなるのはこれからであるのは間違いない。ことあるごとに「三不の誓い」を持ち出されては、ああだこうだと皇帝からの指示が大使を通じてくるでしょうよ。
 まあ、それ以前に日米韓の軍事演習のように宗主国に気を使って韓国自身が自粛することが多くなるでしょうけどね。

 三不の誓いを立て、APECで習近平への謁見を許してもらう。
 そして訪中のお伺いを立て、「三不の誓いを守っているようでもあるし、よかろう」と年内訪中を許してもらったと。
 そこで一点突破でTHAAD配備の圧迫さえやめてもらうことができれば外交勝利、という心づもりだったのでしょう。
 そうすることで韓国国内からは賞賛され、国外からは中国の一の子分としての地位が確定するのだというつもりだったのでしょうね。

 そのためには朝貢外交と言われようとも、どんな扱いを受けようともかまわないというつもりだったのでしょうね。
 一点突破からなんとかできるはず、と見積もっていた。
 一応、そのルートはしっかりと通ることはできた。
 だから本来の見積もり通りであれば賞賛を得られるはずだったのですが……。

 世界が注目しているのは中韓関係そのものではなく、北朝鮮にどのような影響を中国が与えられるかどうか。ひいては北朝鮮核事態におけるもう一方の主役であるはずの韓国の国家元首が中国に対して、どのようにして制裁なり圧迫なりの影響を及ぼすことができるかだったのですね。
 ところが出てきた「朝鮮半島4原則」とやらは、旧来のものと1ミリも変わらない残念な結果。
 韓国国内における訪中の評判も「いくらなんでもこの扱いはおかしいだろ」となってしまった。
 まあ、しょうがないので身内である韓国政府、大統領府だけでも「外交的大勝利だ!」と叫ぶことにした、というところでしょうか。

 そんな哀れな結果であってもネチズンは「外交天才ムン・ジェイン!」「外交王ムン・ジェイン!」と盲目的な支持を捧げているようです。
 このあたりは支持率調査でどうなるかというのを見ないと分からない部分かな。
 いくらなんでもあの扱いを日本の国家元首なり行政の長なりが受けたら「いいからもう椅子蹴って帰ってこい」ってなりますけどね……。
 あまりにも哀れすぎて。
 まあそれでもとりあえず21世紀前半までの中韓関係というものの基本路線は見えたかな、というところです。
 そういった意味においては成果があったといえるかな。

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2008/8/10

韓国メディア「まだ……まだ今回の訪中を外交惨事にしない方法がある!」……いや、それ無理だから

【社説】文大統領の訪中が外交惨事として記録されないためには (中央日報)
しかし習近平国家主席との首脳会談をはじめとする訪中の成果をみると、果たして文大統領が考えるように中国は韓国を同志と見ているのか、北朝鮮の核挑発に対して両国が同じ考えをしているのか、疑問を抱かざるを得ない。(中略)

両国の首脳会談に関する発表内容を見ると、中国は国連安保理レベルの制裁以上の独自制裁はする意向がなく、THAAD問題は決して終わっていないという点を明確にしている。一方の韓国は、北朝鮮が核武力完成を宣言した状況で、韓半島非核化に向けた中国の具体的協力の約束もなく韓半島戦争不用だけを強調したということだ。我々の今後の選択幅を狭める結果をもたらしただけだ。特に、北朝鮮の核放棄のために軍事的オプションを排除せず、一部ではその期間が3カ月しか残っていないという分析まで出している同盟国の米国との連携がさらに揺れるという負担まで抱えることになった。

こうした状況をみると、習主席が次期冬季オリンピック(五輪)開催国の首班として平昌(ピョンチャン)五輪に出席してほしいという韓国側の要請に中国が答えなかったことや、中国が国賓として訪問した文大統領を冷遇した状況などはむしろ些細なことなのかもしれない。にもかかわらず内容のない首脳会談の結果より、そのような「冷遇論」ばかり気にして強く否認する青瓦台の態度は、問題の軽重を判断できない愚を冒している。 (中略)

さらに重要なのは、今からでも中国に対する幻想と期待を捨てなければいけないという点だ。中国の内心を知った今、我々が北核に対処できる方法は米国との確実な連携だけだ。文大統領がそれを学んで帰ってくれば、今回の訪中はなぜ行ったのかも分からない「外交惨事」として記録されないだろう。
(引用ここまで)

 おや、今回の訪中がまだ惨事ではなく取り返せるつもりでいるのですね。
 しかも、アメリカ側と連携ができるつもりでいるっていう。
 ここまできて取り返そうとするなら、大元からちゃぶ台返しして新たな構造を作らなければいけないのですが。
 ……それは無理でしょ。

 これまでの積み重ねてきた外交関係の結果として、今回の中国からの扱いが決定しているのですよ。
 政権は異なりますが、イ・ミョンバク時代から中国傾倒をはじめてアメリカ、日本を軽視してきた。
 多分にハプニング的ではありましたが、天皇謝罪要求が出たのは本音がそこにあったからこそなのです。
 アメリカ側から離脱して中国側につく方向性でこの10年というもの過ごしてきた。 

 その頂点がパク・クネの天安門でのスリーショット撮影でした。 
 そこからTHAADミサイル配備があって、ややアメリカ側に揺り戻しましたが、三不の誓いで中国の属国化が決定的になり、今回の「国賓扱い」になったわけです。 

 ここまでのいわば外交の歴史をすべてなかったことにして、一気に戻れるわけがない。
 アメリカ側に戻るということは慰安婦合意を遵守して、アメリカの求める三国同盟を結ぶということですからね。
 政権の成り立ちとしてそれは無理でしょう。
 日本もアメリカももはやツートラック外交を受け入れはしませんしね。

韓国メディア「どう考えてもこの訪中はおかしい」→韓国政府「120点の出来!」→韓国与党「重要な成果を挙げた」→韓国ネチズン「外交天才ムン・ジェイン、素敵です!」

韓経:【社説】格式・日程・内容のすべてが納得しがたい韓中首脳会談(中央日報・韓国経済新聞)
【社説】どう考えてもおかしすぎる文大統領の国賓訪中(朝鮮日報)
【社説】「THAAD」圧力と取材陣殴打で汚れた文大統領の訪中(中央日報)
[社説]文大統領の「訪中」めぐる論議と非難は行き過ぎだ(ハンギョレ)
文大統領の「一人飯」論争に…青瓦台「冷遇論には同意できない」(中央日報)
文大統領国賓訪中、政府・与党「120点」野党「朝貢・物乞い外交」(朝鮮日報)
サード封印優先... 訪中を通して控えめだった文大統領(国民日報・朝鮮語)

 上3つは「今回の訪中はどう考えてもおかしいだろ、中国にやられすぎだ」という韓国メディアの社説。保守系と目される朝鮮日報、韓国経済新聞はもちろん、中道保守系の中央日報も声を挙げている状態。
 左派であるムン・ジェイン政権にべったりのハンギョレは、それらのメディアの非難が「度を越した非難だ。国内政治の政争化が目的だろ」みたいな扱い。まあ、安定のハンギョレ。

 で、大統領府は保守系からの「冷遇されているだろ」という非難に対して「成果を挙げている。中韓首脳会談は予定よりも1時間も延長された」とアナウンス。点数にしたら何点かと問われて「120点」と答える。
 さらに与党からは「中韓関係を回復させるという重要な成果を挙げた」と褒め称えているコメントが続出。
 最後の国民日報の記事は「関係改善は分かるけど……」くらいの記事なのですが、それにネチズンが5000を超えるコメントを書いていて──

・「503(パク・クネの収容番号)のやった尻拭いをさせられている」
・「ムン・ジェイン素敵です!」
・「実利を取る外交は賞賛されるべき」

 ……といったコメントがメイン。「朝貢に行ったのか」とか「アルバイトの書きこみがすごいな」みたいなものもありますけどね。
 あれだけ心理的にも物理的にもぶん殴られて、格下扱いされてこういったコメントやら120点の祭典ができるのだから、ハードルが低いというか。
 実際に国格の評価が低い、もはや属国であるという認識があるからこそこんなコメントが出てくるのか。
 あるいはまだまだ「ろうそく革命」に酔っ払っているのか。
 まあ、この訪中を「大成功」だとするのであればムン・ジェインによる内政も外交もすべてうまくいくでしょうね。ありとあらゆる事柄のハードルは低く設定されるのでしょうから。

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2015/4/16

外交天才ムン・ジェイン、国賓としての中国訪問での扱いをまとめてみた

 たまーにやるニュースソースなしのまとめエントリ。
 どのくらい前にやったか覚えていないくらいですが、とりあえず今回はムン・ジェインの訪中があまりにもひどいので箇条書きにしたエントリが必要でしょう。
 後日にチェックするであろう記録としても。


 すごいな。3日分でこれですよ。さすが中国は徹底していますね。
 今日は訪れている重慶で大韓民国臨時政府の拠点を訪問するそうです。その後、最新のヒュンダイ中国第5工場を視察して帰国の途につくとのこと。
 まさに「外交天才ムン・ジェイン」の本領発揮でしたね……。

 ちなみにいまだにNAVERの訪中関連ニュースコメントでは「外交天才!」「外交王!」との声でいっぱいです(笑)。

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2017/11/15

中国人警備員が韓国報道陣に骨折するほどの暴行を加えた理由は「国の格付け」が定まったから

【社説】文大統領の冷遇と記者への暴行、これこそ「中国夢」だ(朝鮮日報)
 国賓として中国を訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席した行事を取材中だった複数の韓国人記者が、中国公安(警察)の指揮下にある警備会社の警備員たちから集団で暴行を受けるというあり得ない事件が昨日発生した。現場では十数人の警備員が記者らを取り囲み、顔を殴る蹴るなど非常に悪質な暴行を行ったという。(中略)

 中国外交部(省に相当)の報道官は数時間後に行われた定例会見で「韓国主催の行事だったが、中国国内で発生したため大きな関心を持っている」とコメントした。(中略)ところが中国外交部報道官が口にした言葉は「謝罪」ではなく「関心」だった。米国や日本の首脳がやって来ればこのような問題が起こることなどまずあり得ないだろうが、たとえ起こったとしても中国政府はこれほど傲慢(ごうまん)な態度は取らなかっただろう。

 今回の文大統領の中国訪問をめぐっては中国側の意図的かつ悪意ある態度があちこちで見られる。空港で文大統領を出迎えるのは本来なら閣僚や次官であるべきだが、今回は次官補クラスの人物が出てきた。大統領府が公表した文大統領の日程には10回の食事会が予定されているが、うち中国政府関係者が同席するのはわずか2回だ。これでは国として最高の儀典が行われるはずの国賓接待とは到底考えられないし、大統領に随行していた記者に対する今回の暴行もその延長線上にある。韓国に何か「見せしめ」でも示そうとしたのだろうか。 (中略)

 もちろん韓国政府の責任も大きい。文大統領の訪中実現に全力を投入する余り、韓国の国家主権に傷を付ける「3不」という中国の餌に軽々しく飛び付いた。その後は執拗にこの3不について確認が求められ、「中国からの要求」と、「主権の侵害」という国内からの指摘に、身動きが取れなくなった。外交政策においてこれほど悲惨な状況があり得るだろうか。

 文大統領に対する中国の冷遇と記者に対する集団暴行は偶然でもなければ偶発的に起こった事件でもない。中国という国の傲慢で暴力的な本性と韓国政府の屈辱的な態度、無理な首脳会談の推進といった要因が複雑に絡み合って起こった事件だ。中国の習近平・国家主席は2カ月前に行われた中国共産党大会で2期目をスタートさせたが、その際「中華民族の偉大なる復興の時代を切り開く」とした上でこれを「中国夢」と呼んだ。今回中国が韓国の大統領を呼びつけて行ったこの無礼な態度こそ、この「中国夢」の本質に他ならない。
(引用ここまで)

 ひとつ前のエントリでも書いた「警備員による記者への暴行」がこんな感じだったというお話。
 もう、正直なところ13日、14日の出来事だけでお腹いっぱいっていうくらいにネタを出してくれてます。
 これでまだ今日15日、16日と訪中日程が残っているのですから、韓国ウォッチャーとしては夢のようなお話ですね。
 今日明日は李克強首相との(午餐を拒否された)会談。明日はヒュンダイの工場視察なんかだそうですよ。

 さて、果たして韓国はここまでの扱いを受けるようなことをしたのか、という問題ですが。
 実はそれほどのことをしているわけでもないのです。
 THAAD問題に関していえばアメリカから同盟国を引っぺがすためにもっとも簡単な韓国が、まんまと離間の計に引っかかっただけですし。
 なにより三不の誓いで跪いて忠誠を捧げていますしね。
 ただし、それは自由主義社会の視点から見ればの話。

 韓国人にも分かりやすい話をするのであれば、今回のことは「格付けが決まった」ために起きたことなのですよ。
 朝貢を行い、冊封国となった。
 国としての上下が完全に定められたのです。もはや覆らないレベルで。
 中国人の気分として、あるいは気持ちとして、空気として「韓国は格下の存在」ということが決まったのですよ。

 中国と韓国でのやりとりなので、いまひとつ日本人には実感が沸かないかもしれません。(日本人にとっては根本的には理解できない)儒教社会的な意味合いを多分に含んでいますしね。
 実際、三不の誓いはそこまでひどい話なのです。
 もし、河野外務大臣があんな発言をしたら解任要求デモ、倒閣デモをしますわ。なんだったらろうそく掲げます。「これが国か」って騒ぎ立てるでしょうね。
 斯様に国の格付けが終了し、上下関係が完璧なまでに定められたのが、カン・ギョンファによる三不の誓いでした。

 ムン・ジェインなんか、序列としては明白に格下である王毅外交部長から親しげに肘をぽんぽんと叩かれる始末。ちらっと前に「王毅は袁世凱」みたいな話をしましたっけ。当然、王毅にはムン・ジェインなんかよりははるかに格上であるという意識があるのでしょうね。
 そういえばあれほど「恐韓症」だのなんだの言ってたサッカーでも直近の2試合で1勝1分。
 儒教的意識では上下関係が決まったら、もはや滅多なことでは覆らないのです。

 そんな格下の韓国の報道陣が警備の制止を振り切ろうとした。
 「なにをしてんだ、この属国人が」くらいの気持ちになってもなにも不思議な話じゃない。むしろそうあって然るべき。
 暴力的に制止しても当然でしょう。なにしろ、格下の存在なのですから。
 これから同じようなことはいくらでも起きるでしょう。
 そういう立場に韓国は追いやられたのです。まあ、自業自得ですけどね。

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2017/2/20

ムン・ジェインが「国賓」なのに中国で軽い扱いを受けなければならなかった理由とは

【萬物相】儀典を武器にした外交(朝鮮日報)
 2007年12月、韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン)外相がパレスチナとイスラエルを歴訪した。先に到着したパレスチナではベンツ車に乗り、交通規制された道路を走った。しかしイスラエルにやって来た宋外相は、ボルボ車に乗り、途中で前のタイヤがパンクするという事故に遭った。しかもその車はドアに傷があり、「VOLVO」のVの字も欠けていた。イスラエル外務省の庁舎に掲げられた太極旗(韓国の国旗)は、四卦(しけ)がでたらめだった。イスラエル側はミスだと謝罪したが、宋外相が先にパレスチナを訪れたことに対する「儀典上の報復」という声もあった。 (中略)

 外交の舞台では、意図的におろそかにした儀典が相手を圧迫する武器になることがある。中国の王毅外相が「使い手」として知られている。王毅外相が約束より20−30分遅く現れたら、相手は「なぜ遅くなったのか」「どれくらい遅くなるのか」と思って、肝心の交渉内容への集中力をなくしてしまうというのだ。 (中略)

 儀典を意味する「Protocol」の語源には「関係を滑らかにする潤滑油」という意味がある。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、12月13日から中国を国賓訪問している。首脳外交において、国賓訪問は最高ランクに当たる。11月のトランプ大統領訪中時のように紫禁城をすっかり空にして応接するというのには及ばなくとも、国賓に対する最低限の礼儀は守ってこそ、きちんとした国といえる。文大統領を迎える人物として「高高度防衛ミサイル(THAAD)担当」の次官補を送るなど納得できない外交上の冷遇が続いているのは、韓国を飼い慣らそうとする手口とみられる。もちろん、これにどのように対応すべきかという点は、韓国の外交力と国の格の問題だ。
(引用ここまで)

 まあ、連なる事態のうちのひとつくらいであればまだ「偶然かな」とか「手違いかな」とか「アナウンサーが悪劣な人間なのかな」といった解釈もできるかもしれませんが。
 これだけ重なった上で、かつ報道陣が警備にぶん殴られるなんて事態が起きれば自分たちがどういう扱いになっているか理解できるでしょうよ。
 一方向の指向性を持った出来事が連続で起きることは、偶然ではないのですよ。
 2002年にそんなことが起きたことがありましたっけね。

 国賓として招かれているのに、次官補級が出迎え。
 CCTVのキャスターからはTHAAD問題で突き上げられる。
 序列第2位の首相からは午餐拒絶
 報道陣はぶん殴られる。

 三不の誓いを立てた以上、中国にとって韓国というのはこういう扱いを受けるべき国だということを教え込むために招いたということなのです。
 中国というのはそういう国ですよ。

 ムン・ジェインも「THAAD問題は封印された」という主張を一時的とはいえども裏書きしてもらえた。
 得るべきものは得た。その代償がこれらの「軽い扱い」だったわけです。まさに等価交換ってヤツですよ。

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