楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

米韓関係

 相互RSS募集中です

韓国外相「我々は首脳会談に先立ってトランプの握手のしかたを徹底的に分析した。ありとあらゆるメディアから握手シーンを入手したのだ」……ああ……そう……

韓国外交部長官「トランプの握手場面、すべて入手して分析」…その理由は?(中央日報)
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が「(ドナルド・トランプ米国大統領の)握手場面(握手の場面が映された映像資料など)は、入手できる限りすべて入手して分析した」と明らかにした。

康長官は3日午後、韓国メディア「聯合ニューステレビ」で臨んだインタビューで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の韓米首脳会談随行の事前準備過程を説明する途中でこのように説明した。トランプ大統領は他の国の首脳と会って握手をする時、強く握るか、長く握ったまま離さないといった独特の握手スタイルを見せて世界のメディアから関心を集めたことがある。外交部次元で文大統領とトランプ大統領の初めての対面を支援するために、トランプ大統領の握手の様子をまとめたビデオを入手して分析したという意味だ。

康長官は「大統領も(トランプの握手に対して)心の準備をしていたはずだが、いざ現場では気負いはなかったという」と明らかにした。

実際に文大統領の訪米期間中、トランプ大統領との握手の場面は国内外メディアの関心の的だった。トランプ大統領の「強い握手」がまた繰り出されるのか、関心が集まった。しかし、文大統領との握手で、トランプ大統領は握力勝負をするような握手を演出することはなかった。文大統領はトランプ大統領と握手をしながら左手で彼の右上腕部にそっと手を添えたりもした。
(引用ここまで)

 ……トランプが握手したときのシーンをありとあらゆるメディアから集めて、分析した……か。
 まあ、百歩譲って分析したという事実はよいでしょうよ。
 トランプがどういう相手に対してどういう握手をしたのか、とか分析する必要もまあ……なくはない。あってもいいでしょう。

 もしかしたらムン・ジェインとの握手シーンに対してそういう分析が必要になることもあるのかもしれませんしね。
 「偉大なる我が国の大統領様がトランプと握手を交わしたシーンを見て、国民は感動に打ち震えました」みたいな宣伝をしなくちゃいけないかもしれませんし。
 4秒の握手の中でどれだけ手を振ったのかとか、握力はどのくらいなのかとか、握手していない左手はどうしていたのかとか。必要なんでしょうね、分析が。角度とか。

 ただまあ、それをこんな風にインタビューで話してしまうことだけはどうにか死守できなかったのかと思います。
 しかも、外交部長官が自ら嬉々として「トランプの握手を分析したのだ!」ですって。
 あれだけ紆余曲折あってどうにかこうにか就任できた外交部長官として、はじめての外遊だったので舞い上がってるんでしょうかね。

 こんなのが対日外交最終兵器……ねえ。まあ、おめでたそうです。

握手といったら建築家コント。
空飛ぶモンティ・パイソン Vol.3 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2011/08/24

すべてを先送りにしただけの米韓首脳会談、その場で北朝鮮制裁と対中圧力を見せつけられたムン・ジェインの心中はいかに?

韓米首脳会談:夕食会直前、米財務省が中国企業に制裁発表(朝鮮日報)
韓米首脳会談:文大統領の目の前で中国を叩いて踏み絵を迫ったトランプ大統領(朝鮮日報)
 米財務省が6月29日(現地時間)、韓米首脳の初顔合わせとなる公式夕食会の4時間前に、北朝鮮を支援した丹東銀行など2つの中国企業および2人の中国人に対する独自制裁を電撃発表した。 (中略)

 米財務省は29日、「中国・丹東銀行は、北朝鮮の核・ミサイル開発関連企業による数百万ドル規模の金融取引を支援した」として、マネーロンダリングのおそれがある機関に指定。米国と同行の間の取引を全面禁止した。国際金融秩序が米国中心で組み上げられていることを考慮すると、丹東銀行は外貨取引が妨げられ、事実上国際金融市場から締め出されたといえる。
(引用ここまで)
 今回の制裁は、妙なタイミングで行われた。米財務省は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と米国のドナルド・トランプ大統領の初顔合わせとなる公式夕食会の4時間前にこの制裁を電撃発表した。発表の場所も、夕食会が開かれるホワイトハウスだった。文大統領をワシントンに呼んでおいて、中国を圧迫する制裁を発表し、まるでトランプ大統領が文大統領に対し、北朝鮮問題関連で米国と中国のどちらを選ぶべきかはっきり見せてやろうとするかのような場面を演出したのだ。

 この措置をめぐって、外交消息筋は「今回の制裁は米国と事前協議がなされたもの。発表の時期についても、米国が前もって韓国側に了解を求めた」と語った。しかしこの言葉の通りだとしても、米国が発表の時期を決めて通知してきたのは間違いない。また、別の外交消息筋は「トランプ大統領は、来月初めに開かれるG20(主要20カ国・地域)サミットで中国の習近平国家主席と会う前に、北朝鮮制裁を発表することを望んだ」と語った。習主席と会う前に、北朝鮮問題に関して中国を圧迫するカードを切り、交渉の「てこ」として使おうと考えたという。
(引用ここまで)
 米中首脳会談のときに「さて、今日のシリアにはトマホークの雨が降っております」なんてことをやってのけたトランプ政権なので、なんらかの仕掛けはやってくるのだろうなとは思っていたのですが。
 北朝鮮と取引が多いとされている中国の銀行をマネーロンダリングの嫌疑でアメリカ企業との取引を禁止。
 夕食会直前でのタイミングで、しかも韓国側に発表のタイミングについて了解をもらっていたというおまけつき。

 韓国に対しては「おまえらが対話するっていうなら、それはそれでいい。だけども、うちらのやりかたはこうだ」と見せつける。ムン・ジェインの眼前で。
 中国に対しては「北朝鮮に圧力をかけるって言ったよな、まだまだ足りてない」と宣言。
 もちろん、北朝鮮に対しては大きな圧力になることは間違いない。

 ひとつのアクションで大きく3つの成果を得ることに成功したわけですね。
 最大の効果を得られるタイミングはどこかをじっくりと見定めて発表するところなんか、本当にビジネスマンライクです。

 今回の米韓首脳会談では決定的な亀裂を見ることはありませんでしたが、その実情はすべての問題を先送りにしているに過ぎないと見ました。
 米韓FTAについては「まず検証してみよう」という先送り。トランプからは「再交渉する」って断言されちゃいましたけどね。
 THAAD配備問題についても同様。
 北朝鮮核問題についても、なんら明確な宣言はありませんでした。
 全体的に捉えどころのない、「米韓関係は良好で〜す」というていどの話しか出ていないのですよね。
 詳細部分「に突っこまれないように共同記者会見での質疑応答なしという方針だったのでしょうが。

 その後、韓国では「ムン・ジェイン政権の対北朝鮮対話方針が認められた」みたいな記事がいくつか出ているのですが、そうであればそもそも丹東銀行への取引禁止処分の発表なんて必要ないわけで。
 杉山外務事務次官がサリバン国務副長官との会談で「対話ではなく、必要なのは圧力」なんて述べる必要もないのです。
 なにも決めることができなかった米韓首脳会談となったわけですが、とりあえず戦時統制権返還については弾みがついた模様です。もう一本、これについてのエントリを書く予定。

100日の猶予まであと2週間弱か……。
週刊ニューズウィーク日本版 「特集:トランプ vs 北朝鮮」〈2017年4月25日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/4/18

トランプ「米韓FTAはひどい協定だ、いますぐ再交渉をはじめる」 → 韓国大統領府「再交渉が決まったという事実はない!」

トランプ大統領「韓米FTA再交渉」…文大統領の面前で公式化(中央日報)
トランプ氏「貿易赤字認められない」 韓米FTA再交渉を正式表明(聯合ニュース)
韓国大統領府「韓米FTA再交渉に合意していない」(聯合ニュース)

トランプ大統領は30日(現地時間)、ホワイトハウスで行われた首脳会談の冒頭発言で「我々は韓国と今すぐ韓米FTAの再交渉をする」とし「再交渉は両国にとって公正(equitable)で公平(fair)な協定(deal)にならなければいけない」と述べた。続いて「韓米FTAは不公正な協定だったが、今後変わることで両国に良い協定になるだろう」と強調した。

トランプ大統領は「我々は(国家)債務が巨大な、20兆ドルという状況で、貿易赤字が続くことを許容できない」とし「韓国と貿易協定を再交渉し、貿易赤字を減らし始める」とも話した。また「米国の労働者に利益になることを望む」と語った。 (中略)

トランプ大統領が韓米間の貿易協定を「米国には不公平な協定(rough deal for the US)」とまで表現し、今回の韓米首脳会談は米国優先主義を標ぼうしてきたトランプ大統領の対韓国貿易圧力を公式化する舞台となった。

トランプ大統領の直接的な表現も異例だが、トランプ大統領がこれを文大統領の面前で述べたという事実に青瓦台(チョンワデ、大統領府)は当惑したという。
(引用ここまで)
米国のトランプ大統領は30日午前(日本時間同日夜)、ワシントンのホワイトハウスで開催された文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との初の首脳会談後に行った共同記者会見で、「米国は多くの国に対して貿易赤字がある。これ(貿易赤字が続くこと)を認められない」と述べ、貿易不均衡を是正するため、すぐに韓米自由貿易協定(FTA)の再交渉に着手する意向を正式に表明した。
(引用ここまで)
 張夏成(チャン・ハソン)青瓦台政策室長はワシントンで30日(米東部時間)に記者会見を開き「韓国の一部メディアが、韓米首脳会談でFTA再交渉に合意した、または再交渉が正式に表明されたと報じたが事実と異なる」と述べた。

 張室長は「首脳会談でトランプ大統領は大規模な貿易赤字、自動車・鉄鋼分野の貿易不均衡について問題を提起しながら一定の措置を取るか、あるいは新たな交渉を行うかを判断する必要があると述べた。これに対し文在寅(ムン・ジェイン)大統領はFTAの互恵性を強調しながら、FTA発効後の効果に関する共同調査の実施を提案した」と説明した。
(引用ここまで)

 日本のニュースサイトの他にアメリカ、韓国のニュースサイトをざっくりと見ていますが、米韓首脳会談でこれといった特別なお話はない模様。
 少なくとも表だって流れているかぎりでは。
 あえていうなら、この首脳会談前と首脳会談後の両方でトランプが「米韓FTAはよろしくない。再交渉する」って言明していたくらいです。
 あ、事前に表明されていた通りに記者会見はありましたが、質疑応答はありませんでした。まあ、正解でしょうね。

 で、トランプがこうして何度か「米韓FTAは再交渉する」って宣言しているものだから、韓国マスコミも既成事実であると思って「再交渉公式決定」って報じてしまったと。
 だけども、正式な立場としては「韓国政府は米韓FTAの再交渉に同意してない」のね。とりあえず、まだ。少なくとも同意はしていない。
 多額の貿易黒字を叩き出してきたまさに「ドル箱」の協定が再交渉になるとなれば、経済的な(特に株価への)影響は避けられないところでしょう。
 なので必死に否定しなければならないということかな。

 でも、トランプは選挙期間中から延々と「韓国によって雇用が奪われてきた」と述べてきたし、それ以前からアメリカ人の多くからも「あれは失敗だった」という認識になっている。
 就任後も「あんなひどい協定は再交渉か破棄する」とインタビューで話している
 アメリカファーストを標榜しながら、成果を出すことができていないトランプとしては是が非であろうとも米韓FTA再交渉に向かうでしょうね。

貿易不均衡是正のために山ほどシェールガスを買うことに決めたそうですわ。
シェールガス革命とは何か―エネルギー救世主が未来を変える
伊原 賢
東洋経済新報社
2012/8/14

米下院議員「韓国はTHAAD配備か在韓米軍撤収かを選択すべき」→中央日報「感情的で極端な欲求だ」……え、まだ気がついてないの?

文大統領が到着した日、米下院議員「THAADか米軍撤収か選択するべき」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米国を訪問した28日(日本時間)、米下院で「韓国は高高度防衛ミサイル(THAAD)と在韓米軍のどちらかを選択するべきだ」という極端な要求が登場した。

この日の下院外交委員会の会議で共和党のスティーブ・シャボット議員は「文大統領の最初の措置の一つはTHAAD配備を遅らせたことであり、これは大きな失敗だと考える」とし「米国の軍隊を危険にさらした」と批判した。

シャボット議員は「トランプ大統領も最近、米国の軍隊がそこで安全でないと感じるという話をした」という発言もした。続いて「我々は韓国に選択させなければいけない」とし「韓国が最も精巧なミサイル防衛システムであるTHAADを持って自分たちと我々の軍隊を防御するのか、そしてミサイルシステムと我々の軍隊を持つのか、それともミサイルシステムも我々の軍隊も持たないのかという選択だ」と話した。シャボット議員は「鮮明な選択でなければいけない」と強調した。

その間、韓国がTHAAD配備決定を覆せばトランプ政権は在韓米軍を撤収する可能性もあるという懸念を米シンクタンクの一部の専門家らが表明したことはあった。しかし米下院議員が公開会議で韓米同盟の根幹である在韓米軍の撤収に言及したのは極めて異例だ。THAAD配備遅延に対する米国議会の強硬な立場が感情的な発言で飛び出したと分析される。 (中略)

この日、外交委に出席したヘイリー米国連大使は、THAAD問題に対する立場を尋ねるシャボット議員の質問に対し、「個人的には円満に解決されるとみる」としながらも「しかし米国の軍隊を保護することに好意的でない何かを見る瞬間、大統領が行動するものと私は理解している」と答えた。
(引用ここまで)
war_missile
 いや、極端な話でもなければ、感情的な話ですらないでしょ。
 アメリカ人、特に在韓米軍に出向している兵士の親だったら、こう思っているのが当然なくらい。

 北朝鮮がアメリカ人大学生を殺すような国であることはもう充分に知られている。
 その国のすぐ隣に米軍が駐留している。
 その北朝鮮がいつ暴発してくるかわからない中、アメリカ軍はその攻撃を防ぐ防衛兵器を配備したはずなのに韓国政府がそれを邪魔している。
 この構造はアメリカ側から見たら「おまえらも敵なんだな」という認識を持たれて当然のもの。

 ムン・ジェインに面会した上院議員からも「THAADミサイル配備の延期も国会の同意も理解できない」と言われているし、外交シンクタンクからも「遅らせている論理が理解できない」と言われてきた。
 トランプ大統領は配備遅延に激怒したとされている。

 ここまで条件が揃っていて、ムン・ジェインが訪米してきた日に下院議員から「THAADか在韓米軍か」っていう話が出て、選択肢を突きつけられることが「感情的な話」なのかどうか。
 むしろ、ごくごく普通の反応でしょう。
 一般的なアメリカ人ならそういう反応をすべき状態であることを、韓国人が認識できていないという恐ろしい状況になっている……ということなのですが。
 朝鮮日報はそれを理解できていないっぽいなぁ……。

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理
西多 昌規
草思社
2016/11/25

ムン・ジェイン「間もなくアメリカ企業も北朝鮮に投資できますよ。核凍結で対話開始です」→アメリカ政府「核廃棄以外のオプションはない」

文大統領「米国企業、いずれ北朝鮮投資のチャンスもある」(朝鮮日報)
文大統領「核凍結時の北への見返り、韓米間で緊密に協議」(朝鮮日報)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日(現地時間)、ワシントンで米国の企業関係者に向けて「韓国政府の(北朝鮮の核問題解決)構想が実現する過程において、皆さんは安心して韓国に投資することができ、ひいては北朝鮮に投資できるチャンスも手に入れることができるだろう。関心と支持を期待している」と語った。(中略)

 文大統領は「分断された韓半島(朝鮮半島)は、経済分野でも痛い所だ。安全保障上のリスクは韓国が乗り越えるべき課題だが、それを乗り越えれば、韓国は新たなチャンスとめぐり合うことができる」と語った。
(引用ここまで)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、「北朝鮮の核凍結は対話の入り口であり、対話の出口は完全な核廃棄と韓半島(朝鮮半島)の平和体制構築だ」と述べた。文大統領はワシントンに向かう専用機に記者懇談会を開き、「最も理想的なのは、一度に完全な北朝鮮の核廃棄に向かうことだが、現実的には容易ではないだろう」とした上で、「最小限北朝鮮が追加的な核・ミサイルによる挑発を行わず、核凍結程度は約束しなければ、対話できない」と指摘した。

 文大統領は6月15日の南北首脳会談17周年記念行事での祝辞で、北朝鮮との対話条件として、「追加的な核・ミサイルによる挑発の中断」を示していたが、それに比べると、核施設の稼働中断などを伴う「核凍結」へと対話再開の条件を1段階厳しくした格好だ。ただ、北朝鮮核問題の解決法としては、「凍結→対話→廃棄」という段階的なアプローチを強調している点で変わりがない。 (中略)

 しかし、米政府のハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、ワシントンで「米国は過去に失敗したアプローチを繰り返すことはできない。トランプ大統領はそうしないよう指示した」と述べた。核凍結とその見返りを交換する過去の交渉を繰り返さないという意味と受け取れる。米国側は核凍結を前提に北朝鮮との対話再開を模索するような動きも見えるが、大学生ワームビアさん死亡事件で、ワシントンは再び強硬姿勢に転じている状況だ。こうした中、文大統領とトランプ大統領が北朝鮮の核問題をめぐり、どんな接点を探るのか注目される。
(引用ここまで)

 歪みねえなぁ……。
 まあ、ムン・ジェインはなにをどうしようとも北朝鮮宥和政策をとるであろうことは最初からわかっていたことですが。
 それでも世界の趨勢にここまで逆らって完全擁護で最初からクライマックス状態であるとは想像の埒外だったかなー。

 ムン・ジェインの外交政策におけるメンターであるムン・ジョンインがアメリカで「核凍結なら韓国は北朝鮮と対話に向かう。アメリカの意向なんか知ったこっちゃない(意訳)」と発言。
 それ以前にムン・ジェイン本人は凍結ですらなく「核開発中断で対話する」って言っていました。
 本音では国連安保理決議なんかどうでもいいということなのでしょう。

 記事中にあるように開発中断から凍結へと妥協したとは言えるでしょうが、もう国際社会においてその段階は1994年に終わっているのですよ。
 カーター元大統領が訪朝して「核開発凍結ならエネルギー援助」でなにが起きたか。20年以上前の失敗を繰り返すわけにはいかない。
 そういう話を封じるためにも、日本の外務次官がわざわざムン・ジェイン訪米直前に渡米して国務省副長官と会談して「いまは対話ではなく、圧力」って宣言しているのです。

 ワームビア氏の死によって、北朝鮮へ圧力をかけることをアメリカ国民が求めはじめている。
 これまで北朝鮮核問題はアメリカ国民にとって遠く離れた極東でのよくわからない事態であったものが、具体的な脅威であるとして語られつつある。
 この大義名分をアメリカが手放すわけがない。
 もはや弾丸は銃に込められ、撃鉄すら上がっている。あとは狙いを定めて、引き金を引くだけ。

 この状況に至っても米韓首脳会談直前でいまだに「北朝鮮への投資がー」だの「核開発凍結で対話」だの言っているというのは肝が据わっているのか、なにも見えていないのか。
 対話をはじめたり、開城工業団地を再開しようものならそれは「私はあちら側だ」と宣言しているのも同然なのですがね。


韓国人がアメリカ大使館前で反米、THAAD配備反対デモ → アメリカ大使館「韓国政府はウィーン条約を守る気はあるのか?」と正式抗議

“韓国初”のアメリカ大使館前合法集会、平和的に終了(ハンギョレ)
米大使館が韓国政府に正式抗議、THAAD反対デモで(朝鮮日報)
 ソウルの都心でTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に反対する大規模集会と行進が24日開かれた。市民はソウル光化門(クァンファムン)のアメリカ大使館周辺を行進の隊列で取り囲む「人間の鎖」行事を行い、警察も柔軟な対応で市民の遵法デモを保障した。 (中略)

 この日の集会は、アメリカ大使館を人間の鎖で取り囲む行事が初めて合法的に行われ、関心を集めた。これまでアメリカ大使館前での集会は、警察が韓国国内にある大使館から半径100メートル以内での集会を禁止できるよう定めた集会及び示威に関する法律(集示法)11条4項を根拠に通常禁止してきた。しかし、昨年12月市民団体(平和と統一を開く人々)がソウル鍾路警察署を相手に提起したアメリカ大使館前での集会禁止通告処分取り消し訴訟で、裁判所が市民団体の手を挙げ、今回も裁判所が警察の集会禁止通告を取り消しさせたことでアメリカ大使館前での集会が合法的に開かれることになった。ソウル行政裁判所は23日「集示法11条4項は、外交機関の機能や安寧を侵害する憂慮がないと認められる時には許されると例外規定を設けている」として、THAAD韓国配備阻止全国行動が出した執行停止申請を一部受け入れた。
(引用ここまで)
 全国民主労働組合総連盟(民労総)など数十の団体が加盟する「THAAD韓国配備阻止全国行動」は24日、ソウル中心部で大規模集会を開き、駐韓米国大使館を取り囲んでデモを行った。参加者らは19分間にわたりデモを続けた。

 米国大使館は、韓国政府が大使館周囲でのデモを許容したことについて、外交公館の保護義務を定めたウィーン条約に照らしても問題があるとの内容の文書を韓国外交部(省に相当)に送ったという。
(引用ここまで)

 韓国が「国民情緒法」によって法令を無視して行動することはよく知られています。
 その象徴として光化門広場の占拠が挙げられると思うのですが。
 遺族会がハンガーストライキをはじめてからこっち、セウォル号遺族会とその支援者がテントを張って光化門広場を占拠し続けています。法的根拠ゼロで。
 なぜかソウル市長はそれを認めてしまっているという状況。ソウル市庁広場からは右派のテントは撤去しているのですが。

 「これは特別な事柄だから法律を破ってもいいのだ」というような言いかたをよくします。
 でも、それをやってしまうと「これも特別」「あれも特別」「アレが特別と認められるのであれば、なんでこっちは特別じゃないんだ」となってしまう。というかすでになっている。
 今回は「日本大使館に対してはデモが認められているのに、なぜアメリカに対しては認められないのだ」ということになって、裁判所も反米政権に気を遣ってデモを認めてしまった。
 もちろん、大使館の安寧を保つように定められたウィーン条約に反していますが、そんなこたお構いなし。
 このデモの翌日は6・25、ユギオ。朝鮮戦争の開戦日です。

image

 画像はニューヨークの自由の女神があるリバティアイランドに向かうフェリー乗り場のすぐ横にある朝鮮戦争の記念碑。参戦国の戦死者が記されています。
 アメリカ軍は韓国軍の6万人に次ぐ4万人という戦死者・行方不明者を出しています。
 これほどの犠牲を払って守った国から、自国軍を守るための防衛兵器を撤去しろと大使館前でデモをされる。
 不条理だと感じてもおかしくないと思いますけどね。

朝鮮戦争(上) 血流の山河 (講談社文庫)
芝豪
講談社
2014/12/12

韓国与党代表「THAADがあるから戦争に突入することもある」とコウモリ外交の責任逃れ発言

韓国与党代表「THAADのため戦争になることも」(中央日報)
共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表が27日、高高度防衛ミサイル(THAAD)問題に関し、「THAADの政治的な意味合いが強まり、これが米中間の葛藤として表出し、南北間に誤解があったりすれば、その被害は戦争につながるしかない」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の米国訪問を翌日に控えて出てきた与党代表の発言だ。

秋代表はこの日、韓国学術研究院の主催でソウルウェスティン朝鮮ホテルで開かれた第14回コリアフォーラム北核問題国際学術会議で「(北は)すでにTHAADを越える非対称的な戦略武器を速いペースで開発して確保し、一部は性能が実戦配備できるほどという点も無視できない事実」と述べ、このように明らかにした。

秋代表のこの日の発言は予定になかったという。朴振(パク・ジン)アジア未来研究院理事長が「北の核・ミサイル開発ペースが非常に速くなった。(我々も)一日も早く(THAADを配備)しなければいけない」と述べると、これに反論するために出てきた。この日の学術会議の司会者は文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一・外交・安保特別補佐官だった。

秋代表はこの日、「外交の失敗は戦争につながる」という故ジョージ・ケナン氏(「封じ込め政策の父」と呼ばれる冷戦時代の米国戦略家)の言葉を引用し、「今の失敗や錯視は戦争につながりかねない。南北だけでなく米中間にも戦争が起こる可能性がある。韓半島(朝鮮半島)はその間で地政学的に脆弱だ」と話したりもした。

続いて「そのような(戦争を)避けることができる方法はすべて駆使しなければいけない。とはいえ単なる制裁や圧力だけでは通じないということも理解できる状況」とし「(THAADが)あたかも特別な方策・秘策であり、これだけが韓米同盟になるかのように考えてはいけない」と強調した。

秋代表は「戦争は突発的なもので、予告も兆候もない。戦争はその国の決定権者が戦争と宣言する瞬間に起こる」とも話した。また「『THAADというものが政治的に過剰・誇張されているのでは』という憂慮のため私は深く悩んでいる与党の代表」とし「南北間の緊張をどう緩和できるのか。必ず緩和しなければいけない。今はそのような時代」と話した。
(引用ここまで)

 緊張状態においてはなんらかの小さなアクシデントから戦争になり得るという話をしていて、その緊張状態を朝鮮半島に持ちこんでいるのがTHAADであるということにしたいのでしょうが。
 緊張の大本は北朝鮮の国連安保理決議違反である核開発と長距離ミサイル実験であって、THAADはそのカウンターでしかない。
 むしろ、米軍が自らの身を守るための防衛兵器に過ぎない。

 韓国の左派にとっての大前提である「北朝鮮は無謬の存在」が目を曇らせているのだろうなぁ……。
 特定の思想にはまるとどうしてもその前提となる思想から抜け出ることができない。
 どれほど優れた人間であったとしても、カエサルがいうところの「人は喜んで自分の臨むものを信じるものだ」というこの構造から抜け出ることは難しいのですね。
 うちも「おっと、これは目に鱗がはっついたままだったわ」となることもありますね。怖い怖い。

 韓国兵のTHAAD配備が米中の緊張を高まらせているという言い方もできると思いますが、それは韓国のコウモリ外交がそうさせているのです。
 緊張状態を招いている主体はTHAAD配備ではないのですよね。
 まあ、常に「悪いのは韓国ではない」というのは韓国の常套句ですので。

 それとこの共に民主党党首は慰安婦合意についても、そして今回のTHAAD配備についても韓国政府=大統領であるムン・ジェインの方針とは別のことを言っているのですが。
 公約だったはずの「慰安婦合意の再交渉」が遅々として進んでいない状況のガス抜きに使われているっぽい。
 「本来だったらこういう方針で政策をすべきなのだが、いろいろな圧力で遅れている。しかし、その政策を忘れているわけではない」というような感じで使われているのでしょうね。

米韓首脳会談前に日本から揺さぶり。外務省次官「慰安婦合意の履行を。北朝鮮には対話より圧力」 駐韓日本大使「慰安婦合意は国際社会から高い評価を受けた、着実に履行を」

駐韓日本大使「慰安婦合意、国際社会で高い評価…着実に履行を」(中央日報)
日米外務次官が北朝鮮めぐり協議 日韓合意履行で連携強化を確認 文在寅・韓国大統領の訪米前に(産経新聞)
長嶺安政駐韓日本大使が韓日慰安婦交渉について「国際社会から非常に高い評価を受けた」と述べ、再交渉を求める声を一蹴した。

長嶺大使は27日、延世大同窓会館でアジア太平洋政策研究院の主催で開かれたフォーラムで「日韓慰安婦合意を着実に履行することが要求される」とし、このように話した。続いて「慰安婦合意の確実かつ着実な履行を日韓関係全体の適切なマネジメントの中に位置づけて進めたい」と話した。
(引用ここまで)
訪米中の杉山晋輔外務事務次官は26日、国務省でサリバン米国務副長官と会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応を中心に意見交換した。両者は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が29日にトランプ米大統領と初会談するのを前に、慰安婦問題に関する日韓合意の履行を含め、日米韓の連携を強める重要性を確認した。

 杉山、サリバン両氏は北朝鮮問題で「今は対話ではなく、圧力をかけていくことが必要」との考えで一致。杉山氏はサリバン氏に日本人拉致問題について説明し、連携して早期解決を目指すことを確認した。
(引用ここまで)

 ふむ。
 米韓首脳会談を前にして、日本側からの慰安婦合意を再交渉するつもりもないし、破棄すればそれなりの対応を取るという宣言ですね。
 韓国からは「ツートラック外交」とやらを対日外交の基本とすべきという話が盛んに出てきていますが、日本側はそうはいかないと。
 慰安婦合意こそが日韓関係の最初にあるものですよ、というスタンスになるのでしょう。
 ついでにいえばアトランタの総領事が「慰安婦は売春婦であった」という発言も、たまたま出たものとは思えません。探針を出して反応を探っている……とでもいうべきか。
 あ、これは「韓国の反応」ではなく、その他の世界、特にアメリカの対応がどうなるかということです。

 そもそも慰安婦合意自体がアメリカの外交方針である日米韓の対中国包囲網を形成するためのものでした。
 韓国(パク・クネ政権)がアメリカからなにを言われても「日本とは組めない。なぜなら歴史認識ガー、慰安婦ガー」と垂れ流し続けてきた言い訳を封印するための切り札として、アメリカが裏書きすることで慰安婦合意が形成されたのです。
 日韓の外相同士による発表の直後に、ケリー国務長官(当時)から歓迎の意向が出されています。その際にも「国際社会に対し、この合意を支持するように呼びかける」「アメリカは日韓両国と地域、地球規模での課題で協力し続けることを楽しみにしている」とのコメントがあったほどです。
 ついでに「日韓合意の精神に則って、アメリカの韓国系団体も慰安婦像を設置する運動をやめてくれ」なんていう国務省副報道官の発言もありましたね。

 そのアメリカの意向を覆してまで、あるいは徹底的に無視してまで慰安婦合意を再交渉、もしくは破棄まで持っていけるのか。
 さらに言うのであれば慰安婦合意を破棄することは、天安門でスリーショットを撮られるのと同じくらいに明白なレッドチーム入り宣言と受け取られる事柄であると理解しているのかどうか。
 もはやTHAAD配備問題でレッドチームに片足突っこんでいるような状況ではありますけどね。

圧力鍋で簡単!体に効くスープ[扶桑社ムック]
浜内 千波
扶桑社
2012/11/1

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楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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