楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

ムン・ジェイン

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ムン・ジェインの支持率が61.7%へと急落、2ヶ月前で20%を超える大幅な下落に

文大統領の支持率61.7% 下落幅が就任後最大(聯合ニュース)
韓国の世論調査会社リアルメーターが19日発表した調査結果によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は前週より6.4ポイント下落の61.7%と集計された。昨年5月の就任後、最低となった今年1月第4週(60.8%)に次いで低い。下落幅は就任後で最も大きくなった。一方、不支持率は32.3%。

調査は16〜18日に全国の成人1504人を対象に実施された。支持率の急落には、中小・零細企業が反発する最低賃金の大幅な引き上げ決定などが影響したとみられる。職業別では自営業での支持率下落幅が12.2ポイントで最も大きかった。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインの支持率が下落基調。
 ぼろぼろの扱いをされていた中国訪問後ですら68.7%という異常な支持率だったものが、これといった理由もなく61.7%。
 去年の5月に就任してから1年と2ヶ月ちょっと。
 1年経過時の支持率は南北首脳会談もあって83%でしたが。
 そろそろいくばくかの韓国人が「あれ、こいつが国家元首だったら幸せになれないんじゃないの?」と気がつきはじめたところですかね。
 アーリーアダプターくらいまでが気がついているという感じになるのかな。

 まあ、客観的に第3国からの視線だと、大統領選の時点でそんなことは決まっていたのですけど。
 とはいえ、他の候補を選んだところで大差はなかったのではないかと思われます。全員の公約が「2020年には最低賃金1万ウォン」って言ってましたからね。

 まだそれでも国民の3/5が支持しているのですから立派なものじゃないですか。
 このまま公約を貫き通す大統領であって欲しいですね。


韓国政府「最低賃金を支払わなかったな! 名簿に晒して銀行からの融資を受けられないようにしてやる」……むしろ零細事業者が仕事を辞めるだけなんじゃ……

最低賃金を出さなかった零細企業の摘発数、昨年より44%増加(朝鮮日報・朝鮮語)
今年上半期(1〜6月)に雇用労働部勤労監督に摘発された最低賃金違反者が前年同期比43.7%増加したことが分かった。時間7530ウォンで、最低賃金が前年比16.4%上昇つつ、大幅に引き上げられた最低賃金を出さなかった零細企業が雇用部の調査で大挙摘発されたものである。11日、自由韓国党チャン・ソクチュン議員が雇用労働部から提出を受けた「2018年上半期の最低賃金違反現況」によると、今年1〜6月の勤労監督から最低賃金違反で摘発された業者は、928箇所であった。昨年1〜6月の違反業者(646ヶ所)より43.7%(282所)増えた。同じ期間、雇用部の勤労監督を受けた企業数は、昨年の8263カ所、今年9081ところである。今年勤労監督件数は前年比9.9%増え、違反企業数は43.7%増えたわけである。労働者が最低賃金に違反したという理由で事業を申告した件数も増えた。昨年上半期17万6960件で、今年は18万9882件と7.3%増加した。このうち、実際に最低賃金を支給していない場合は、昨年上半期995件から、今年1192件19.8%増加した。現行の最低賃金法によると、最低賃金に達した賃金を支給した事業主は、3年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金などの処罰を受けることになる。 (中略)

こうした中、国会では最低賃金違反事業主名簿を公開して融資制限などの信用を制裁する与党法案が発議された状態だ。賃金未払い事業主に適用した名簿の公開と信用制裁を最低賃金違反事業主にも拡大適用するというものである。パク・ジスン高麗大法学専門大学院教授は、「零細事業主が保障困難なレベルで最低賃金を上げながら、名簿を公開して、信用制裁して、事実上撤退するしかないなら、零細事業主としては大きな負担を負うしかない」と話した。
(引用ここまで)

 最低賃金を守らなかった事業主が増加(646→928件)。
 最低賃金を払わなかったとして告発してきた労働者も増加(17万6960→18万9882件)。
 ……まあ、全業種、全国で一律に100円も最低賃金を上げればこうなりますわな。
 社会不安の要因にしかなっていない気がする。

 その一方で国会では「最低賃金を支払わなかったら名簿に晒して、信用制裁を課して銀行を使えなくしてやるからな」という法案が審議中。
 これ、以前から政府で検討されていたアイディアです。
 事業主に対して信用制裁=債務不履行者と同等の扱いとするということですね。
 まあ、そうすることで最低賃金を支払わなかったらとんでもないことになるぞという警告を出そうとしているのでしょうが。
 あと懲罰的な制裁金(差額の3倍)を支払わせるというアイディアもあったようですが、これはまだ立法化されていない模様。

 最低賃金を上げて国民の暮らしを楽にしよう、というのは、ムン・ジェイン大統領様の聖公約ですからね。
 その「善の循環」に逆らうような輩はこうやって晒されて当然ということなのでしょう。
 むしろ、こうして逆らうような輩がいるからこそ、所得主導成長がまともに動作していない可能性すらありますね。
 最低賃金を支払わなかった事業主は一人残らず懲役刑までいけるようにすればいいんじゃないかな? なんだったら「メガネをかけているから逮捕→死刑」でもよいと思いますけどね。

ポル・ポト〈革命〉史 虐殺と破壊の四年間 (講談社選書メチエ)
山田寛
講談社
2004/7/10


韓国経済:経済学者「ムン・ジェイン政権の経済政策は『落第』か『保留』……最悪レベルだ」

経済学者、文在寅政権の経済政策に「不可」「保留」評価(中央日報)
「この1年間、分配政策ばかりだったが、むしろ不平等は深まった。経済政策全般に『F(不可)』評価を与える」(シン・チャンソプ・シンガポール国立大経済学科教授)

「まだ勉強をまともにできていないので『保留』にしたい」(張夏準・英ケンブリッジ大経済学部教授)

全国経済人連合会(全経連)が10日、ソウル汝矣島(ヨイド)全経連会館で主催した「企業と革新生態系特別対談」。対談をした韓国の代表的な2人の経済学者は文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済政策をこのように総評した。2人の学者ともに高い点数を与えなかった。未来成長動力を確保するための産業政策が消えた点、エリオットなど外国系ヘッジファンドから国内産業が攻撃を受けても無防備に対応している点を、現政権が急いで改善すべき点に挙げた。直接的な非難は避けたが、株主資本主義を「財閥改革」の手段としている現政権の経済政策を間接的に批判したと解釈される。 (中略)

シン教授は「短期収益を追求するエリオットが大企業を揺さぶると、『財閥改革』を主張する人たちがこれをさらに好む状況も生じている」とし「憎い大企業が苦しむ姿を見ながらカタルシスを感じることはあるだろうが、韓国産業と国民経済には全く利益にならない」と説明した。 (中略)

両教授は経済民主化政策に対する批判的な見解も示した。シン教授は「企業の革新はライバル企業より多くの超過利潤を追求するしかないため、根本的に不公平な過程」とし「現政権の革新成長は『平等化』を目指す経済民主化と本質的に合わない」と指摘した。

張教授も「すべての人が同じ権利を持って暮らそうという意味の民主主義を企業組織に適用するのは合わない」と指摘した。しかし福祉の拡大には前向きな見方を示した。張教授は「十分な福祉は新技術の導入による雇用の減少を懸念する労働者の抵抗を減らし、革新成長にもプラスになる」と述べた。
(引用ここまで・太字引用者)

 太字部分。
 ヒュンダイ自動車の投資方針についてアメリカのファンド企業であるエリオット・マネジメントからクレームがついたのですね。今年の春くらいでしたかね。
 いわく「再編ではなく現代モービスとヒュンダイ自動車は合併してホールディングス企業の傘下に入れ」というように。で、無駄を省いて余剰資金を株主に還元しろというような提言ですね。
 正直、ヒュンダイにとってはそれほど利のある提案ではないのですが、コメント全体が「いい気味だ」みたいな空気になってて「……どういうこと?」と疑問に思っていたのですが。
 あれが「大企業が苦しむ姿を見て楽しみを得ている」のであればなるほど、と納得ができます。
 「ついでに貴族労組も倒してくれ!」くらいの感覚なのでしょうかね。

 というかですね、この記事で経済学者が提言していることって要するに「共産主義に傾倒するのはもうやめてくれ」っていう叫び声なのですよ。
 分配政策ばかりをやっていて、しかもそれが効果的に働いていない。
 むしろ上下格差は拡がって取り返しのつかないレベルにまでいこうとしている。
 これまで極小だった韓国の福祉政策を拡充するのであればともかく、すべての労働者を平等に扱おうなんていう話はどだい無理であるという話ですよね。

 所得主導成長なんてものは幻なのだから諦めろと。
 でもまあ、そんな提言を受け入れるような度量があればそもそも最初からそんな経済政策に傾倒するわけがない。
 来年の最低賃金はこの金曜日に決定されます。
 いまだに企業側は賃金凍結、労組側は43%賃上げの1万790ウォンを主張したままで、まったくすりあわせができていません。
 ちなみに業種毎に最低賃金を変更しようという案は今日否決されました。
 2020年といわず、前倒しで1万ウォン行っちゃえばいいのにね。

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2013/2/21

韓国公取委員長「なんでムン・ジェイン政権は規制緩和をしない!」と内ゲバ状態……残された時間はあと半年?

韓国公取委委員長、成果ない文政権の経済政策にいら立ち(朝鮮日報)
 「過去1年は外交・安保問題で高い支持を得てきたが、政権の成否は結局、経済問題だ。国民の暮らしの問題をどのように解決するかにかかっているということだ。今はあまりにもいら立たしい」。市民団体にいたころは「財閥スナイパー」と呼ばれ、今では文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済民主化公約を総括している公正取引委員会の金尚祖(キム・サンジョ)委員長=写真=の口から「切迫」「いら立たしい」「危機」といった言葉が何度も飛び出した。金委員長は「今年下半期から経済環境がいっそう厳しくなる可能性が高い。政府が成果を出す時間的余裕は短くて6カ月、長くても1年しか残っていない」と述べた。

 金委員長とのインタビューは6日、ソウル市内の公正取引調停院で行われた。文在寅政権の経済政策で中心的役割をするブレーンに、この1年間の経済運用に関する評価と、今後の計画について説明を聞こうと企画されたインタビューだった。金委員長は「国民が耐えて待ってくれる時間はあまり残っていない。こうした状況を文大統領もよく分かっており、規制改革点検会議を中止するほど切迫感を抱いている」と言った。文大統領は先月、「国民が実感するほどの成果がない」という理由で規制革新点検会議を中止している。

 金委員長は「文大統領が2年目に入り、規制革新のための政治的決断に頭を痛めている。支持層の批判を受けざるを得ない非常に難しいことだが、規制改革がなければ政府は成功できないということをよく分かっている」と言った。規制革新を推進する過程で、文大統領の支持層である進歩系陣営の反発が避けられないため、これを受け止めて正面突破する方針だという説明が続けられた。この1年間の文在寅政権による経済政策の成果については、「所得主導成長・革新成長・公正経済という3つの軸が別々に動いていた面があり、政府も反省している。今は動きがそろってきたと感じている」と説明した。
(引用ここまで)

 鳴り物入りで入閣(正確にいうのであれば公正取引委員長は大臣格ではなく、国会からの承認も必要ないので入閣ではありませんが)したキム・サンジョでしたがムン・ジェイン政権の経済政策に対する無策具合に苛立ちを隠せずにいます。
 ムン・ジェインが入閣させない人間の条件として挙げていたいわゆる5大不正「偽装転入、兵役逃れ、不動産投機、脱税、論文盗作」のうち偽装転入に引っかかっていたのですが、それでも公正取引委員長は彼しかいないという形で登用された人物です。

 なにしろ「財閥スナイパー」の二つ名を持ち、イ・ジェヨンサムスン電子副会長の裁判でも証言をしにきたくらいの人物。当初は「財閥に牛耳られてきた韓国経済を規制緩和で正常化させてくれる」みたいな期待があったのですが。
 まー、ムン・ジェイン政権がなにもしない。
 しないというかできないというか。
 現在の韓国で財閥の手から経済を取り戻すということは、経済そのものをぶっ壊すことに他なりません。

 たとえばIMF管理下に置かれたあととかであればまだ発展途上国の勢いがキープされていた状況の中だったので、なんとかなったかもしれませんが。経済成長率もまだそこそこ高い状況でしたし。
 いまの韓国は先進国でもないのに先進国病にかかってるような状況。
 世界最高(最悪?)の少子高齢化社会となっていて、成長率も半導体のスーパーサイクルという上げ底があったのにぎりぎり3%。

 手を突っこんで引っかき回すには遅すぎた、ってところでしょうか。
 まあ、それでも今朝の韓国GMの件のように引っかき回せる部分は引っかき回して、明らかに悪化させていますけどね。
 経済構造そのものはほぼ手つかず。
 個人的には全部を引っかき回すほうを期待していたのですけどね。
 サムスン電子の工場で労働者に被害があったからという理由で、工場で使われている技法を企業機密もなんもかも含めてすべて公開しようとするとか、やりかけてはいるのですが(ちなみにこれはサムスンディスプレーでも同じことをやろうとしてどちらも公開停止の仮処分申請が通っています)。
 もっとハチャメチャな動きを期待していたのだけどなー。


韓国GM「工場閉鎖でようやく一息つけたわ」→韓国政府「非正規雇用者を全員正規雇用にしないと違法派遣認定な」

政府が幇助した韓国GM非正規職問題(中央日報)
民主労総韓国GM群山(クンサン)・富平(プピョン)・昌原(チャンウォン)非正規職支会は9日から韓国GM本社社長室の占拠を始めた。彼らは非正規職の直接雇用と解雇した非正規職労働者の復職を要求し徹夜で座り込みを行っている。

韓国GM富平非正規職支会は10日現在「カハー・カゼム社長が直接交渉すれば社長室占拠を解散する」という立場だが、韓国GMは「韓国GMの労働者ではない協力会社の労働者と韓国GM社長が直接対話する理由はない」として拒否している。

韓国GMがまたもこうした問題に巻き込まれたのは、韓国GM非正規職労働者の身分をめぐり意見が入り乱れているためだ。自動車工場では多くの下請け業者の労働者が勤務する。自動車メーカーは長期間の熟練が必要な工程には正規職労働者を投じ、単純組み立て工程は外注に任せる場合が多い。 (中略)

韓国GMは雇用労働部の監督結果を履行し、「工程ブロック化」作業を進めた。外注に任せる工程が正規職労働者の動線と重ならないようベルトコンベヤーから組み立てプロセスまで再配置した。派遣労働法の規定に基づいて独立的な場所で指揮監督権を行使しない一部組み立て工程だけを外注に任せた。

韓国GMのこうした工程ブロック化作業は2012年に雇用労働部から正式に「立派だ」という認定を受けた。

雇用労働部は2013年に再び点検に乗り出す。当時労働監督を実施した監督チーム長は10日、中央日報のインタビューで「下請け労働者が働く事業所も分離しており、下請け労働者の指揮・監督状況もなかった。派遣労働法上の違法派遣は判断基準が明確で、個人的に判断経験も豊富だが、韓国GMは違法派遣ではなかった」と断言した。

当時管理監督に参加したある関係者も「韓国GMを違法派遣とみるなら韓国の自動車・自動車部品産業自体が事実上派遣が不可能だ。明確な法令に基づいて私心なく判断した」と主張した。

こうした雇用労働部の立場が180度急変したのは「非正規職の正規職転換」を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足してからだ。雇用労働部は5月28日、「韓国GMの特別労働監督を実施した結果、韓国GM昌原工場の下請け労働者774人の労働形態は違法派遣だ」とし、「彼らを全員直接雇用せよ」と判定した。

問題は2013年と現在の韓国GMの下請け勤務システムが完全に同一だという点だ。また、適法性を判断する派遣労働法と運営指針もほとんど変わっていない。すべての状況がそのままなのに、「合法」としていたシステムを突然「違法」と判断したのだ。これに対し雇用労働部は「現在捜査中である事案は判断の根拠を具体的に話せない。捜査終了後に違法派遣の労働を明らかにする」という立場だ。
(引用ここまで)

 事業をしていてなにが困るって、こういう「昨日までは合法だったけど、政権(の気分)が変わったから明日から違法ね」みたいなやりかたです。
 これをやられると本当に参ります。

 さて、ムン・ジェイン政権にとっては大企業はすべて悪。
 大企業こそが二極分化を招いた主犯だ、って言ったことすらありますからね。
 それでなくとも悪なのに、立場の弱い派遣労働者から切るとは大悪。
 よって成敗してくれる、くらいの感覚なのでしょう。

 ムン・ジェインが仁川空港の非正規雇用者をゼロにするという宣言をしたことがあります。公企業(公社)からは非正規雇用をゼロにするというのがムン・ジェインの公約のひとつでしたので。
 で、その宣言に対して仁川空港側が当初にとった方針は「じゃあ、非正規雇用者全員クビ」だったのですよ。
 まあ、非正規雇用にするにはそれなりの理由がある。
 繁忙期には人を増やしたいし、閑散期ならその逆。そういった雇用の調整弁として使えるのが非正規雇用だったのに全員を正規雇用にしてしまったら人件費がどうなるか分かったもんじゃない、というのが本音だったようです。
 さすがにムン・ジェインの聖公約に反するということでこの仁川空港の非正規雇用全員クビはなくなったのですが。

 まあ、こういった感じでムン・ジェイン政権は「労働者に優しい」ということを旗印にしているのですよ。
 韓国GMの場合、群山工場を閉鎖して大量の解雇者を出したことへの懲罰的な意味もあるでしょうね。
 「韓国国内の雇用を脅かしたらこうなるぞ」というアナウンス効果も狙っていると思われます。
 しかも、韓国GMは純粋な国内企業ではないというところに旨みがある。どれだけ叩いても企業側に韓国人からの同情が集まりにくい。
 一石何鳥もの効果を見逃すはずがありませんね。

 しかし、また社長室占拠か。本当に事業の邪魔させたら韓国の労組の右に出るものはないですね……。


ムン・ジェインが「ろうそくデモに対してパク政権は戒厳令を企図していた! 軍に対して捜査せよ!」と指示。軍情報機関の消滅も

ろうそく集会当時に「戒厳令」検討か 文大統領が捜査指示(聯合ニュース)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、市民らが朴槿恵(パク・クネ)前大統領の退陣を求めて「ろうそく集会」を行っていた当時、軍の捜査・情報機関である国軍機務司令部が「戒厳令」を検討する文書を作成したことと関連し、独立捜査団を構成して迅速かつ公正に捜査するよう宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官に指示した。青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が会見で伝えた。
(引用ここまで)

 機務司令部、いわゆるキムサ。旧保安司令部ですね。
 情報院(旧KCIA)とは別に存在する、軍部の情報機関のひとつ。
 軍政時代には共産主義者と目される連中に対して拷問を繰り返していたような部署でもあります。
 左派であるムン・ジェイン政権とは当然ながら相性最悪。

 さて、その機務司令部がろうそくデモが行われている期間に戒厳令の宣布を検討していたということが確認されています。

機務司令部、「光化門に3個旅団配置」ろうそく集会への戒厳令を具体的に計画した(ハンギョレ)

 で、ムン・ジェインがそれに対して厳正に捜査せよという指示を出したという話。
 国軍が関与できない独自捜査が行われるとのことです。

 ただハンギョレの記事を見ても分かるように、機務司令部が企図していたのは「弾劾が棄却された場合にろうそくデモを行っていた連中が大統領府と憲法裁判所に乱入するであろうから、その対策として戒厳令の宣布を」というもの。
 治安維持を考えるのであれば、ごく普通の対応策ではないでしょうか。
 「軍情報機関に対して独立捜査権を持って捜査せよ」とか言うほどのものでもないような……。

 ろうそくデモが平和裏に行われていたのはそうするほうがパク・クネ政権に打撃を与えられるからという目論見があったからです。
 というような話を、楽韓Webでは当時から書いていますが。
 「市民がろうそくを掲げているだけのデモ」に対して警察力、軍事力を行使するようなことがあれば国際的な非難を避けられないという考えもあったでしょうね。
 ろうそくデモを主導していた連中(民主労総等)が本来やっているデモはこっちのほうですからね。



 まあ、この「戒厳令を企図した」ということを口実にして機務司令部解体まであるでしょう。
 朴正熙政権当時の学生運動時代に逮捕・収監の経験があるムン・ジェインの個人的な指向性としてそう感じます。
 軍への圧力としてもそうするだろうなぁ……といったところです。

情報機関を作る 国際テロから日本を守れ (文春新書)
吉野準
文藝春秋
2016/4/20

サムスン電子総帥とムン・ジェインがはじめて出会う場所がインドの工場であった理由とは

【社説】文大統領のサムスン工場訪問が大ニュースになる韓国(朝鮮日報)
文大統領、インドでサムスン電子副会長と面会(朝鮮日報)
文大統領、李在鎔サムスン電子副会長に「韓国でもさらに多くの雇用を」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領はインド訪問中の9日、現地のサムスン電子工場完工式に出席し、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と言葉を交わした。文大統領が大統領に就任してから二人が直接会うのはこれが初めてだ。文大統領は李氏の案内で工場を見学し説明を受けた。韓国大統領府は「通常の外交日程」と説明したが、財界関係者の間からはサムスンをはじめとする大企業と政府との関係改善のきっかけになることを期待する声も上がっている。サムスンは韓国を代表するグローバル企業だ。そのような大企業の海外工場を大統領が訪れるのはごく自然なことだろう。ところが今はそれが大きなニュースになっている。韓国の政治状況がいかに異常な状況にあるかはこれだけでも十分想像がつく。

 現政権が大企業を敵対視しているのは今や公然たる事実だ。政権発足直後に国政企画委員長が「財閥は最大の既得権だ」と発言したのを皮切りに、現政権は過去のどの政権よりも厳しい反大企業的な政策を進めてきた。韓国の10大グループの中で検察や警察、国税庁、公正取引委員会などから捜査や調査を受けていないところは一つもない。公正取引委員会による規制を強化し、それによって大株主の経営権を弱体化させる法案も相次いでいる。影響で大企業は経営権の確保に危機感を抱き、未来への投資に二の足を踏んでいるのが今の実情だ。

 中でもサムスングループに対する捜査は2年近くにわたり続いているが、これには大統領府が事実上の先頭に立っている。労働組合設立妨害事件では4回にわたる家宅捜索と14人に対する逮捕状申請という記録的な事態となった。さらにはサムスン半導体工場の企業秘密公開、バイオ関連子会社の粉飾決算、子会社が保有するサムスン電子株の売却など、どれも各部処(省庁)が実績を上げるためにサムスンを標的にしたものばかりだ。韓国の輸出全体の20%以上を占める大企業が政府によってここまで食い物にされているのだ。 (中略)

政府が企業から意見を聴き、それを政策に反映させれば、企業側は投資や雇用を生み出すことでそれに応える。政府が大企業と一線を画して敵対視するような先進国などない。大企業を「積弊」ではなく「経済運営のパートナー」とする政策の見直しが今後は必要だ。文大統領のサムスン電子工場訪問がぜひともそのきっかけになることを願う。
(引用ここまで・太字引用者)
 文大統領は李氏の案内を受けながら新工場の内部を視察した。李氏はモディ首相が車から降りた際には頭を下げただけだったが、文大統領が来たときは何度も腰を曲げてあいさつした。与党・共に民主党の一部議員からは文大統領のサムスン工場完工式出席を疑問視する声も上がっているが、韓国政府のある高官は「韓国とインド双方の経済発展と雇用の改善に貢献する工場だ。その完工式に出席することに特別な政治的意味合いはない」と主張した。

 大統領府も「文大統領と李氏との面会は、現政権が掲げる所得主導成長や大企業政策の転換を意味するものではない」とくぎを刺した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインとサムスン電子副会長であり、実質的なオーナーであるイ・ジェヨンが会うのは、大統領就任以来では今回がはじめてだとのことで。
 まあ、去年の2月に逮捕されてから今年の2月に高裁で執行猶予つきの有罪判決が出るまで収監されていたのだから当然ではないかという気がしますけどね。
 それでも両者がはじめて会うのが国外工場の完工式であるというのは象徴的です。

 法人税増税企業機密を暴露するといった大企業を叩くことでポピュリストとして人気を獲得してきたムン・ジェインが国内で会うのは難しい。
 まあ、国外で会うのであれば……ということなのでしょう。

 ムン・ジェインが「所得主導成長」なる経済政策を続ければ続けるほど、雇用は海外に逃げていくしかない。
 インドにスマートフォン組み立て工場ができる、というのはその典型例のひとつでしょう。
 こうした組み立てのような人手のかかる、言ってみれば雇用に直接影響するような工場は海外に建設する。
 半導体のように安定した電気の供給があればいいだけで最低限度の雇用しか産まない工場は韓国に残す。

 ムン・ジェイン政権と韓国企業の思惑ががっちり噛みあったのがインド工場での出会い、といったところです。
 逆にいえばこういった機会がなければムン・ジェインとサムスン電子の総帥が会うようなことはなかったと思うとそれも面白い。
 いまの韓国で何が起きているかということを象徴するような出会いですね。

ルポ 絶望の韓国 (文春新書)
牧野愛博
文藝春秋
2017/5/19

ムン・ジェインがロシア帰国から風邪でダウン……重病かとの憶測も。一方、マティス長官が訪韓して念願の戦時統制権返還に言及

米国防長官との会談も中止、心配される文大統領の健康状態(朝鮮日報)
文大統領に重病説 米国防長官との会談まで中止、W杯独撃破もコメントなし…(ZAKZAK)
 文大統領は24日にロシアから帰国して以降、4日以上も公式のスケジュールをこなしていない。26日に釜山で行われた6・25戦争(朝鮮戦争)関連の行事も、天候悪化を理由に参加を取りやめた。その前日の25日にも、予定されていた首席・補佐官会議が開催されなかった。青瓦台はこれについて「参謀陣を含め、休息したほうが良いとの理由で会議を開催しなかった」と説明した。さらに文大統領がこの日から2日間の休暇を取ったため、文大統領は今週のスケジュールを一切こなさないという形になった。

 このため、政界では「経済や北朝鮮問題など国内外で至急の懸案が山積している中、1週間も公式スケジュールをこなしていないということは、文大統領の健康状態が思ったより深刻なのではないか」との憶測が流れている。とりわけ、習近平中国国家主席との会談前に韓国を訪れたマティス米国防長官との会談までキャンセルしたことをめぐり、異例だとの反応が出ている。
(引用ここまで)

 ふむ。ドイツ戦の勝利にもコメントなし。
 そしてマティス国防長官との会談もキャンセル。かなり木曜日から日曜日までのスケジュールをすべてキャンセルしている、とのこと。
 かなり気になりますね。
 あのポピュリストがドイツ戦勝利という絶好の機会にコメントを出すことすらしなかった……か。

 そして今回、マティス国防長官とは戦時統制権返還についても語られる予定だったのです。
 戦時統制権返還はノ・ムヒョン政権からの言ってみれば念願です。
 自主国防につながり、北との統一に障害となる在韓米軍撤収のための第一歩となるものです。
 ノ・ムヒョン後は、イ・ミョンバク、パク・クネと保守政権が続いてしまったために棚上げになりました。
 そのため「積弊勢力による妨害」くらいに言われている部分でもあるのですよ。

 ムン・ジェインの選挙公約のひとつでもあります。
 そのとっかかりとなるマティス長官との会談はいわば「聖公約成就への栄光の第一歩」となるはずの晴れの舞台。
 ここにすら出席しなかったというのはだいぶ気になるところ。
 ムン・ジェインは日韓関係にとって、そして韓国経済にとって大事な人物です。
 健康問題で政権が変わるというようなことがないように祈っていますよ。

 さて、戦時統制権返還については米韓国防長官会談で語られています。あと続々と中止されている米韓合同軍事演習についても話し合われた模様。

韓米国防長官会談…戦作権早期転換を議論(中央日報)
韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官は28日、ソウル国防部庁舎で米国のジェームズ・マティス国防長官と会談し、「遅くとも2022年までに戦時作戦統制権(戦作権)を転換する方法について議論しよう」と提案したと複数の韓国政府消息筋が伝えた。2022年は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期が終わる年だ。これに対し、マティス長官は「10月に米国ワシントンで開かれる第50回米韓定例安保協議会(SCM)で協議しよう」と答えた。現在、戦時の韓国軍の作戦権は韓米連合司令部が持っている。有事の際には韓国軍の指揮権限が米軍隊長(韓米連合司令官)に渡される構造だ。

韓国政府は当初、文大統領の任期内の戦作権還収を推進したが、昨年7月に「早期に達成する」に修正した。当時北朝鮮の核ミサイル挑発が続き、戦作権還収目標時点設定において融通を利かせたのだ。だが、今春以後、北朝鮮が対南挑発の中止を約束し、韓半島(朝鮮半島)の軍事的緊張が大きく緩和されていると判断し、戦作権還収時点を「任期内」に再び具体化したと解釈される。 (中略)

韓米の国防長官は共同メディア報道文で「戦作権転換の準備に相当な進展があることに注目する」として「今後韓半島の安保状況の変化を十分に考慮しながら戦作権転換に必要な条件を早期に満すように協力していく」と明らかにした。

韓米の国防長官は韓米合同軍事演習猶予の原則を定めた。(中略)韓国国防部の関係者は「米国の外交的努力と韓国の対北朝鮮政策に役立つ時にのみ合同演習を猶予することにした」と説明した。合同演習を止めて発生する戦力の空白は、韓国軍の単独訓練で埋めるというのが韓国国防部の方針だ。 (中略)

マティス長官は宋長官との会談に先立ち、「米国は現在の在韓米軍の規模とその水準を維持していく」と強調した。米ドナルド・トランプ大統領の在韓米軍撤収意向に関する発言を収拾しようとするメッセージだ。
(引用ここまで)

 米韓共に戦時統制権返還についてはかなり前向き。
 在韓米軍撤収に関しては「規模と水準を維持する」というコメントこそあったものの、統制権も考慮にいれるとアメリカは「韓国の防衛」そのものについてかなり及び腰になっているのは間違いないですかね。
 そして韓国政府もそれに乗じている感じ。
 ムン・ジェイン政権終盤には大きな動きがあってもおかしくないかな、といったところですかね。

朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか 「戦後再発見」双書
五味 洋治
創元社
2017/12/20

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うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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