楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

宇宙開発

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韓国の宇宙開発、「パク・クネのやったことはすべて積弊だ!」としてなにもかもご破算へ

【コラム】政争の中で袋叩きにあった韓国宇宙開発(中央日報)
与党・共に民主党の朴洪根(パク・ホングン)議員は国政監査で前政権の月探査事業が研究開発分野の代表的な積弊だと主張した。間違った話ではない。朴槿恵(パク・クネ)政権は当初、2020年に月着陸船を送って月に太極旗(韓国の国旗)がはためくようにすると公言した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が定めた最初の政府案を5年繰り上げた計画だった。科学界も戸惑った。

最近、科学技術情報通信部は朴槿恵政権当時に出てきた宇宙計画を全面的に見直す作業を進めている。12月に開かれる宇宙委員会では韓国の中長期宇宙計画を修正・確定する。これを控えた宇宙分科委員会では甲論乙駁の真っ最中だ。こうした中、月面着陸目標を2020年と2025年でもなく2030年に先送りする方向で意見がまとまりつつあるという。青瓦台は2030年まで待つにはあまりにも長いため、来年10月に1段ロケットの試験打ち上げをした後、現政権の任期内に2段を利用した追加の試験打ち上げをしようという話をしている。科学界はまた当惑している。3段ロケットで試験打ち上げする場合、最初から3段型でする必要があり、1段、2段を別に試験するのは科学的に意味がない予算の浪費だと話す。

朴槿恵政権の月探査が積弊である理由は政治が科学を揺さぶったからだ。権力行使の誘惑は甘い。積弊をなくそうとする文在寅政権がまた政治論理で宇宙計画を揺さぶらないことを願う。
(引用ここまで)

 ま、確かに宇宙開発の前倒し、特に月探査計画はパク・クネの発案でした。
 公約の中で「2020年に月着陸船を送って、太極旗を月面にはためかせる」と宣言してましたね。月面で旗はためかないよ、っていう無粋な突っこみはともかく。
 ローバーで月探査を行う。
 ルナインパクター計画はNASAが韓国の技術力に恐れおののいて共同開発を申し込んだ。
 月インターネット(?)を世界で初めて開通させる等々の計画が華々しくぶち上げられていましたっけ。

 記事には早ければ2016年には月周回軌道に乗る探査船を打ち上げるだの、2018年には打ち上げるだのと夢のような計画があったものです。
 楽韓Webでも「ぷぷぷ」と苦笑しつつもそのスケジュールを追っかけたりしてましたね。
 でも、ムン・ジェイン政権になってすべてのスケジュールがご破算で願いましては。

 まあ……開発陣は救われたと言っていいんじゃないでしょうか。
 2段式のKSLV-2は当初予定では来月、変更されたスケジュールでも2018年10月打ち上げとかでしたからね。
 来年10月には1段ロケットの打ち上げをするんですって。15年前のKSR-3レベルに後退してますよ(笑)。

 KSLV-2はケロシンロケットでH-2の持っているマーケットをすべて奪うことになるだろうなんて中央日報の記事もありましたっけ。
 パク・クネのやってきたことはすべて否定するように動き続けてきたムン・ジェイン政権でしたが、これは正直正解でしょう。
 そもそもの計画すべてを見直してもいいと思いますけどね。
 ま、ネタ的には残念ではありますが。

世界はなぜ月をめざすのか 月面に立つための知識と戦略 (ブルーバックス)
佐伯和人
講談社
2014/8/20

韓国メディア「韓国独自のGPS網を構築しなければ! 日本もやってるのに!」……それ以前にやることが山ほどあるんじゃない?

韓経:【社説】火がついたグローバルGPS戦争、日本も独自網構築するのに…韓国(中央日報)
日本が独自の衛星利用測位システム(GPS)構築を目標にした衛星「みちびき4号」の打ち上げに成功した。これで日本は合わせて4基のGPS衛星を持つことになり、米国に依存しないGPS運用にさらに近づいたと評価される。しかも日本のGPSはセンチメートル単位の位置情報提供が可能な、世界で最も精密な機能を備えることになるとの分析まで出ている。

米国が全世界にGPSを無料で提供しているのに各国が独自にGPS構築に熱を上げているのにはそれだけの理由がある。米国がいつまでも無料で提供するという保障がないだけでなく、GPSの活用価値がますます高まっているためだ。軍事的衛星としての役割は言うまでもなく、自動運転車の運行、ドローン宅配システムなど、位置と視覚情報を必要とする商業的活用機会もまた無限だ。

国別のGPS競争もそれだけ激しくなっている。ロシアがグロナスGPSを運用している中で中国は北斗プロジェクトを、欧州は昨年末最後のGPS衛星を打ち上げることでガリレオプロジェクトを稼動している。米国と合わせこれらの国GPSがグローバルGPSならば、来年から独自のGPSを稼動する予定のインドと日本などは自国を中心にした地域GPSと言える。特に日本のGPSは中国と韓半島(朝鮮半島)まで管理対象に含んだシステムという。

GPS依存度が高い韓国としてはこうした動きを対岸の火事を見物するように眺めてはいられない状況だ。多くの国の基幹施設がGPSなくしてはまともに機能できないという点、国家安保次元から予期できない障害発生時の即時対応が可能でなければならないという点、そして第4次産業革命で位置情報の高度化が切実な課題として登場した点などを考慮すると特にそうだ。現在GPSの正確度や信頼度を高めるための補正情報提供などの事業が進められているがこれだけでは大きく不足する。韓国政府はGPSインフラ独立に向けた基本計画をまとめたことがあるが、実行が後にともなわない計画は効果がない。優先順位を調整してでも韓国版GPS開発を急がなければならない時だ。
(引用ここまで)

「韓国も独自のGPS開発を急がなければならない!」

 では、ここで衛星測位システムを持っている国の一覧をごらんください。

 アメリカ   GPS
 ヨーロッパ  ガリレオ
 ロシア    GLONASS
 中国     北斗2
 日本     みちびき
 インド    IRNSS

 日本とインドは地域用ですが、まあそれでもけっこうな広範囲の測位システムとなっています。
 で、これらの国々に共通点がありまして。
 「独自の衛星打ち上げシステムを持っている」ことなのですね。
 他国に打ち上げ依頼してそっちの都合に合わせて衛星製造とかしなくていい。

 つい最近までブラジルがだいぶがんばっていたのですが、爆発事故で多数の研究者・研究者が亡くなったこともあって失速気味。他に多段式の衛星打ち上げロケットを持っているのはイスラエル……と、北朝鮮くらい?

 韓国の感覚としては「うちよりGDPが下のロシアだって持ってるんだから、やって当然」くらいなものなのでしょうかね。
 でも、ロシアが宇宙開発を継続できているのは技術継承があったからで(最近はだいぶ怪しいけど)、そんなものがひとつもない韓国がやるようなことじゃないと思うのですけどね。
 韓国の国の大きさを鑑みてもKSLV-2と独自GPSとか正気じゃない。
 全然、理念が見えないのですよね。中堅国がわざわざ自前で打ち上げシステムを揃える。それはこういうことをやりたいからだという理念が。以前もそんな話をしていますが。

 ブラジルが宇宙開発を続けていたのは「地域大国である」という自負があったからで、韓国の場合はどう見てもそうではない。
 イスラエルが独自開発しているのは、政治的な問題が多分に影響を及ぼしている。
 技術継承があったわけでもなく、地域大国であるというわけでもなく、政治的な問題があるわけでもなく、理念があるわけでもなく。ただただメンツだけで開発参入。
 なので、よく分からないのでロシアから宇宙旅行の席を購入して「宇宙飛行士育成計画!」とか言い出しちゃうし、ロシアから1段目丸々買ってきて「宇宙開発!」とか言っちゃうレベル。
 おまけにその買ってきた宇宙旅行の席に座らせようとした最初の候補は窃盗でクビにされて、交替した女性は韓国の航空宇宙局を辞めちゃう
 あ、まだ独自の月面探査計画は生きているらしいです。一応。

 日本がやれることを、韓国はすべてやれるつもりでいる、というのは本当なのだなぁ……と、こういう文章を見ると実感しますね。

NASA 宇宙開発の60年 (中公新書)
佐藤靖
中央公論新社
2014/6/25

【知ってた】韓国による月探査計画、2年延期が決定。打ち上げロケットも延期、月面探査ローバーも延期……

韓国の月探査1段階計画、2020年に延期(中央日報)
一時5年繰り上げた月探査計画目標時点が再び先送りされる。科学技術情報通信部は9日に国家宇宙委員会を開催し、「月探査1段階事業開発期間を2年さらに延長する」と発表した。2016年から2018年まで3年間に進めることにしていた開発期間を2020年まで増やすという意味だ。

月探査プロジェクトは1段階と2段階に区分され、韓国航空宇宙研究院が月探査計画を策定した2007年には目標完了時点として1段階2020年、2段階2025年を提示していた。

「1段階事業」は宇宙船(軌道船)を作り月の軌道に上げることが目標だ。韓国が地球軌道から抜け出し宇宙を探査しようとするのは今回が初めてだ。月軌道船は米航空宇宙局(NASA)の支援を受けて推進している。月まで行く飛行方法と技術の支援を受ける代わりにNASAが望む搭載体を軌道船に載せることにした。

軌道船を打ち上げた後には宇宙船(着陸船)を月面に着陸させるのが目標だ。着陸船は月軌道に進入した後に逆推進して月面に着陸し探査車を下ろす。これを「2段階事業」としている。1段階との差はすべての過程を純国産技術でするという点だ。これまで米国、ロシア、欧州、日本、中国、インドの6カ国だけ成功した。

ところが朴槿恵(パク・クネ)前大統領が大統領選候補時期にテレビ討論会で「2020年に月に太極旗を掲げる」と公約し、2013年に韓国政府が140の国政課題のうち最上位推進課題のひとつとして13番目に月探査を含めた。もともとの計画を5年前倒しし2020年までに2段階事業を終わらせるという内容だ。

これを推進する過程で予算削減により今年末に予定された発射体ロケットエンジン試験発射延期などのさまざまな要因が重なった。科学技術情報通信部専門家点検委員会が「衛星開発にも5〜8年かかるのに月探査1段階事業を3年で推進するのは現実的に難しい。開発期間を2年延長しよう」という意見を提示した背景だ。
(引用ここまで)

 2018年に外国製ロケットで打ち上げる予定だった月軌道船の開発を2020年に延期。
 2017年中に予定されていたKSLV-2の試験発射も来年に延期済み
 このときに「月探査船もどうなることやら」みたいなことを書いたのですが、まあ当然こうなりますわな。
 パク・クネが任期中になんとかしようとしていたことが原因で、いろいろと前倒しされていたプロジェクトが本来の期間に収まっているという感じですかね。

 現状のスケジュールはこんな感じ。

・2018年?月 2段式KSLV-2試験打ち上げ
・2019年?月 KSLV-2 1号機打ち上げ? ・2020年?月 月軌道船打ち上げ(外国製ロケットによる)?
・202X年?月 KSLV-2 2号機打ち上げ(韓国型月周回船?)?
・202X年?月 KSLV-2 3号機打ち上げ(韓国型月探査船?)?

 確定しているスケジュールがなにもなくなってしまいました。
 この記事でいうところの「2段階事業」は打ち上げも探査船もすべて韓国の独自技術でという話ですが、韓国の独自技術は基本的に技術移転もありなので、どこまでが本来の意味での独自技術なのか不明。
 ついでに2段階事業の打ち上げ時期も不明。  月面探査のできるローバーの開発も進んでいたのですが、開発ピッチも落ちついていくことでしょう。
 だいぶアレな出来でしたからね。

 まあ、本来の開発ペースはこのくらいなのでしょう。
 それでもまだちょっと速すぎる感がないでもないですが。
 KF-XとともにKSLV-2計画も韓国にはどうしても必要な事業ですからね。開発中止などせずにがんばってほしいものです。

韓国メディア「北朝鮮監視のために、民間情報や外国からの借り物ではなく独自の偵察衛星を確保しなければ!」……月探査とかよりもそっちの優先順位のほうが上じゃない?

【社説】北の核を監視する韓国独自の偵察衛星確保を急ぐ時(中央日報)
北朝鮮の6回目の核実験が秒読み段階に入った。米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は衛星写真を分析して「豊渓里(プンゲリ)核実験場が『装填、据銃』状態」と伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が命令さえ出せばいつでも核実験ができる準備を終えた状態だ。 (中略)

しかし問題は、現在のところ北朝鮮の核実験に関する主な情報を韓国政府ではなく米国の民間団体「38ノース」を通じて入手しているのが現実だ。この団体は民間衛星情報を活用しているという。もちろん韓国の軍と情報当局はこれよりはるかに高解像度の米軍事衛星の映像・信号情報を受けている。昨年11月に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結した日本とも衛星情報などを共有している。日本は韓半島(朝鮮半島)周辺に4基の静止衛星を運用し、北朝鮮を見つめている。衛星情報収集能力で韓国より一段階上と評価される。宇宙研究に着実に投資してきた結果だ。韓国当局も対北朝鮮映像・信号情報などを独自で収集するが、衛星情報は解像度が落ち、情報収集能力も制限的だ。

情報衛星を利用した情報収集能力はキルチェーンを通じた対北朝鮮核抑止力の核心であり、海上・空中作戦と国防体系・通信セキュリティー分野でも重要だ。偵察衛星・通信衛星・GPS衛星と空中早期警戒管制機などを利用して、北朝鮮のミサイル標的を探知するのは、探知−識別−決定−打撃とつながるキルチェーンの中枢神経でもある。したがって政府は昨日国会に報告した2018−2022年国防中期計画で、独自に北朝鮮地域を偵察する「偵察衛星映像情報体系」を構築することにし、そのためにドイツ・フランス・イスラエルなど外国の偵察衛星を借りることを打診しているという。かなり遅くなったが、衛星情報収集能力を一時的に増やす良い機会だ。

政府はこれをきっかけに国産衛星を確保する「4・25事業」の速度も高める必要がある。防衛事業庁は昨年、1兆ウォン(約950億円)を投入して2020−2022年に解像度0.3−0.5メートルの偵察衛星5基を戦力化する予定だと明らかにした。この日程は国防部情報本部が人工衛星戦力化事業を初めて要求してから3年近く遅延してきた。国家情報院が衛星管制権限を要求し、部処間の隔たりが整理されずに生じたことだ。

政府は部処間の隔たりを迅速に調整し、国産衛星開発・打ち上げ事業を積極的に進める責任がある。北核事態という厳しい状況で我々の生存のために、これ以上は外国の情報に依存するべきではない。情報戦の優位に立ってこそ、国際社会で誰も我々を無視できなくなる。情報こそが自主国防の核心だ。
(引用ここまで)

 北朝鮮を監視するのに、やっていることは民間の分析サイトから情報を買うこと。
 近い将来にやろうとしていることは外国の偵察衛星の一時借用。
 2020年以降にやろうとしているのが、自国所有の高精細偵察衛星の打ち上げ。

 現在はイスラエル製の光学機器を搭載したアリラン2号と、EADSから技術供与を受けたアリラン3号3A号、合成開口レーダーを搭載したアリラン5号が観測衛星としてしようされています。
 どれも地球観測がメインの役割で、専門の偵察衛星というわけではないのですね。

 で、イスラエル製の偵察衛星を借りて当座をまかなってから、2020年以降の国産衛星を開発・打ち上げしていく予定だと。
 2020年以降というのは、KSLV-2の打ち上げスケジュールが順調に行けばということなのかな。もうすでに試験打ち上げですら10ヶ月遅れがアナウンスされていますが。
 まあ、独自ロケットで他国のスケジュールによって左右されずに打ち上げたいのでしょうね。
 アリラン5号打ち上げのときはロシアに邪魔されたという経緯があるのですよ。
 逆にアリラン3号のときは開発が遅れてH-IIAの打ち上げを遅延させてくれましたけど。

 むしろKSLV-2への予算、もしくは月探査予算をこっちに持ってくるべきではないかって思うのですが。
 優先順位を間違えてないですかね。
 北朝鮮の核開発監視なんて韓国にとっては最優先に行うべきもので、20年前からやっててもおかしくない事業ですわ。
 いまさらKSLV-2のあとから偵察衛星打ち上げって。

人工衛星をつくる ―設計から打ち上げまで―
宮崎 康行
オーム社
2011/11/30

「韓国型ロケット」のスケジュール遅延発表、パク・クネ弾劾で任期に間に合わせる必要がなくなった模様

韓国型ロケット打ち上げ実験10カ月先送り 18年10月に(聯合ニュース)
 韓国未来創造科学部は22日に国家宇宙委員会を開き、韓国の技術で製作する韓国型ロケットの打ち上げ実験を当初の予定より10カ月先送りし、2018年10月に行うことを決定した。

 委員会は当初、基本エンジンとなる75トン液体エンジンを用いた試験機の打ち上げ実験を朴槿恵(パク・クネ)大統領の任期終了間際の17年12月に行う計画だった。

 未来創造科学部は先送りした理由について、75トンエンジンの燃焼器とロケットのタンクの開発中に発生した燃焼不安定性や溶接不良などの問題を解決するのに時間がかかったためと説明している。

 韓国型ロケットは20年6月の完成を目標に進められている。委員会は、この目標はひとまず据え置くものの、実験の結果を踏まえて必要なら調整するとしている。
(引用ここまで)

 以前から10ヶ月の遅延が噂されていましたが、それが公式に発表されました。
 んでは、アップデートされたスケジュールを見てみましょう。

・2016年05月 75トンエンジン点火試験
・2016年06月 75トンエンジン 燃焼試験(75秒)
・2018年10月 2段式KSLV-2試験打ち上げ
・2018年?月 韓国型月探査船打ち上げ(外国製ロケットによる)
・2020年06月 KSLV-2 1号機打ち上げ?
・2020年?月 KSLV-2 2号機打ち上げ(韓国型月周回船)
・2020年?月 KSLV-2 3号機打ち上げ(韓国型月探査船)

 KSLV-2の完成(打ち上げ)は2019年中だったように記憶しているのですが、今回の記事では「2020年6月」となっているのでそのようにしてみました。
 まだすごい勢いでの開発スケジュールなんですけどね。

 以前からパク・クネ政権の最後になる2017年末の試験打ち上げ予定だったのです。
 今回の弾劾騒ぎで花道に打ち上げる必要がなくなったこともあって、公式に遅延を認めることが楽になったという部分もあるでしょう。
 開発陣にとってはパク・クネの弾劾は福音になったということですね。

ロケットの科学 日本が誇るH-IIAからソユーズ、アリアン、長征など世界のロケットを完全網羅 (サイエンス・アイ新書)
谷合 稔
SBクリエイティブ
2013/4/15

 

韓国がNASAと協定締結……月探査船計画ってまだやるつもりだったんだ?

韓国、NASA「アポロ」の技術を活用して2020年に月探査(中央日報)
韓国と米国が宇宙探査技術を共有する政府間協定を締結した。これを受け、米航空宇宙局(NASA)が保有する先端技術も共有可能となり、2020年を目標に推進中の月探査船打ち上げ計画にも弾みがつく見通しだ。

未来創造科学部(未来部)は29日、米国政府とこうした内容の「韓米宇宙協力協定」を締結したと発表した。協定は宇宙探査と地球観測の分野での両国間の情報共有と協力の範囲などを盛り込んでいる。協定期間は10年で、延長が可能だ。未来部のパク・ジェムン研究開発政策室長は「韓米両国が宇宙開発協力を安定的に進行できる土台を用意した」と述べた。

今回の協定は韓国と米国が政府レベルで宇宙協力のための「ワンショット協定」を締結したということに意味がある。今までは国内の宇宙開発の責任を担う韓国航空宇宙研究院と韓国天文研究院、韓国科学技術院(KAIST)などがNASAなどと個別に協定を締結しなければならなかった。しかし政府間協定の締結で今後は個別機関同士の協定を締結する手続きを簡素化または省略できる。未来部の関係者は「NASAは米政府の承認を受けた後に海外機関と個別協定を結んでいる」とし「韓米宇宙協力協定の妥結で個別協定の締結時間も大きく短縮されると期待される」と述べた。

両国の「1号協力事業」は未来部が推進中の月探査船の打ち上げとなる見込みだ。未来部は2020年の月探査船打ち上げを目標に今年から3年間に1978億ウォン(約180億円)を投入する予定だ。これとは別に2965億ウォンを投入し、韓国型ロケットの開発にも取り組んでいる。韓国航空宇宙研究院のチェ・ギヒョク月探査研究団長は「米国はアポロプロジェクトなどを通じて月探査分野で膨大な情報と技術力を蓄積しただけに、深宇宙通信技術分野などで少なからず支援を受けることができるだろう」と述べた。

今回の協定で韓国は米国と宇宙協力協定を結んだアジア最初の国となった。米国はその間、ロシア・フランス・カナダなど10カ国と宇宙協力協定を締結した。ロシア・ブラジル・ウクライナ・アルゼンチンを除いて欧州の国に協定国を制限している。日本・中国政府も宇宙開発に関して米国と機関間の協定を結んでいるが、政府間協定はまだ締結していない状態だ。

未来部の関係者は「米国がそれだけ韓国の宇宙開発技術力と発展の可能性を高く評価しているという意味」と説明した。これとともに「その間、探査船の打ち上げなど宇宙探査関連技術をロシアに依存してきた状況から抜け出し、情報共有の窓口をさらに多様化する契機になるという点でも意味が大きい」と話した。

韓米宇宙協力協定は2010年から推進されたが、その間、特に進展がなかった。しかし朴槿恵(パク・クネ)大統領が訪米した昨年10月、両国首脳が協定締結の推進に合意し、急速に進展した。当時、朴大統領はワシントンDC付近のNASAゴダード宇宙飛行センターを訪問し、宇宙開発協力を強調した。
(引用ここまで・太字引用者)

 あれ、まだやる気あったんだ。
 こちらのエントリで韓国の主たる宇宙開発のタイムスケジュールを掲載しているのですが。
 最初の2018年に外国製ロケットで月探査船を打ち上げるという話は、KSLV-2の遅延と共になくなったんでしょうかね。
 今年の4月の段階ではいまだに「2018年に打ち上げる予定の〜」と言っていたのですが。
 どっちにしても、2016年末の段階で要求スペックも目標とする探査内容もなにもないのだったら、そこからたった3年ちょいでなにができるのかって話なんですが。

 以前から「NASAがルナインパクター計画に韓国を引き込んだ」とか、何度も「韓国の宇宙開発の技術力を評価しているのだ」という主張だけは出てくるのですが、そもそもルナインパクター計画ってなんなのよっていう話なのですが。
 luna impactorで検索しても「月に隕石がぶつかって云々〜」みたいな話しか出てきませんし、lunar impactor koreaで検索をかけても同様。
 ルナインパクター云々の記事の出た2012年初頭から「米韓共同で月探査をするのだ」と延々と言っているのですが、青写真がなにも出てこないのです。
 記事では「月に水があるかないかを、韓国の優れた小型衛星の技術で探査するのだ」とかいう話でしたが、もうすでに月に水があるなんてことは発表されていますし。

 でもまぁ、2020年に打ち上げるのが最初の月探査船であれば、ハナからKSLV-2で打ち上げることもできるかもしれませんね。
 NASAの技術協力の下、韓国の独自技術で製造される月探査船。そしてそれがKSLV-2で打ち上げられる。なかなか見てみたい光景ではあるのですけどねぇ……。
 失敗したらチェ・スンシルのせいとかにできないものでしょうか?

世界はなぜ月をめざすのか 月面に立つための知識と戦略 (ブルーバックス)
佐伯和人
講談社
2014/8/20

韓国型ロケット開発者「パク・クネ大統領閣下の任期には間に合いません!」と悲鳴を上げる

「韓国型発射体の試験打ち上げ、朴槿恵政府任期内には不可能」(中央日報)
韓国型発射体の開発を総括している韓国航空宇宙研究院が、朴槿恵(パク・クネ)政府任期中には発射体の試験打ち上げは不可能だとする報告をしていたことが確認された。

5日、韓国国会未来創造科学放送通信委員会所属の金聖洙(キム・ソンス)議員(共に民主党)は、大田儒城区(テジョン・ユソング)の韓国科学技術院(KAIST)で開かれた国政監査で、韓国航空宇宙研究院がことし5月に未来創造科学部に報告した文書「計画に対する日程の遅延現況」を公開した。

韓国航空宇宙研究院はこの文書で、試験打ち上げ日程に関連して「約10カ月の遅延発生」としながら「現在の進ちょく状況と試験発射体適用エンジンの検討など技術的な分析結果に基づいて日程遅延を最小化し、現実的な打ち上げ日程(2018年10月)を提示および検討」と明らかにした。

朴大統領は2012年12月の大統領選挙テレビ討論で2025年に予定されていた月探査船打ち上げ時点を2020年に早めると公約していた。その後事業の再検討が行われ、当初計画された試験打ち上げ日程(2018年12月)は現政権任期中である2017年12月に1年操り上げられた。
(引用ここまで)

 今年7月の時点で「10ヶ月の遅延が決定的」とされていましたが、それが実際のスケジュールに反映されたわけですね。
 そもそもの来年12月の試験発射の目的自体が、パク・クネの任期に間に合わせるために本来のスケジュールから1年繰り上げられたものだったのですよ。
 元に戻ったというだけの話ではあるのですが。
 それが「大統領の任期には間に合わない」っていう報告である時点で草不可避。

 宇宙開発はどうしても国威発揚のために行われる部分があって、政治日程に左右されるのはやむを得ないともいえるのですが。
 特に韓国の場合は対北朝鮮との威信争いもあるので、プチ冷戦的な争いが起きてもしょうがない。
 米ソの宇宙開発競争のミニミニ版みたいなものですね。

 さらにいえばパク・クネには退任後に残せるレガシーがなにもない。
 そういう部分もあって宇宙開発に注力していたのでしょう。
 ノ・ムヒョンもイ・ミョンバクも財閥偏重や魚ロボットみたいな負のレガシーはあっても、まともなレガシーなんてないっちゃないですが。

 月探査のスケジュールもまともなものにしてあげればいいと思うのですがねぇ。
 あのローバーとかひどすぎる……。 

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)
大鐘 良一 / 小原 健右
光文社
2011/8/5

韓国人「中国に押されて量産品で戦えない……そうだ、高価な宇宙産業に参入しよう」

【コラム】宇宙産業の育成、強小企業育てる時=韓国(中央日報)
国際的な景気不況で韓国内の産業界にも暗雲が立ち込めている。困難に直面した国家経済の突破口をつくるための戦略の1つとして宇宙産業に注目することを提案する。

韓国は過去40年間余りにわたりエネルギーと人材が大量に必要とされる装置型で発展してきた。しかし最近になって中国をはじめとする新興国の追撃により深刻な困難を経験している。この問題を解決していく対策として、少量の技術集約的な部品産業の育成が切実だ。少量の先端部品の分野は成功すれば世界第1〜3位の市場競争力を確保し、後発走者の追撃も怖くない。宇宙産業が代表的な少量・高品質の部品産業だ。一例として地上で使うベアリングはいくら高くても1個あたり数万ウォンである一方、宇宙空間で使われるベアリングはその1000倍〜1万倍にもなる高価格品だ。

宇宙強国を象徴するスペースクラブは人工衛星や宇宙センター、宇宙発射体(ロケット)を備えた国だけに資格があるが、大韓民国は11番目の加入国になった。しかし全世界の宇宙産業で韓国が占める割合は0.5%、15億ドル(約1億4000万円)に過ぎない。幸い政府は2014年から予算を大幅に増額し、今年は7464億ウォン(約690億円)を宇宙開発分野に投じる。次世代の観測衛星と通信衛星を開発して新型発射体の技術を確保する方針だ。2020年には月探査衛星も発射することを決めた。

宇宙産業が短期間で少量の多品種技術の集約業種に発展するためには次のような政策が必要だ。最初に宇宙開発予算の現実化だ。2015年基準で国内宇宙予算は国家R&D予算の3%、GDPの0.03%で日本・フランスの10%水準だ。これを最低3倍以上に増額しなければならない。2番目、核心戦略品目の国産化支援だ。「宇宙級」認証制を導入して価格比重の高い核心部品から国産化に向けて乗り出なければならない。3番目、宇宙技術の専門企業の指定だ。企業と優先開発品目を連携して強小企業を育てなければならない。指定企業については果敢な財政支援と認証制度で自生力を育てる必要がある。

宇宙産業に対する関心を喚起するために韓国宇宙技術振興協会は未来創造科学部と韓国航空宇宙研究院の協力を得て来月11日〜16日に国立果川(クァチョン)科学館で「国家宇宙開発成果特別展」を開催する。韓国の宇宙開発の歴史と未来ビジョン、企業の新開発製品など多様な展示品が披露される。「宇宙産業」というロケットを打ち上げて安定した軌道に乗せなければならない時がきた。
(引用ここまで)

 宇宙用の部品は確かに高価だけど、それで商売ができるってもんでもないけどなぁ……。
 高価だから利幅が高いとかそういうわけでもないし。軍事用よりも精度がさらに出す必要があるからおのずと高価になるというだけで。
 企業にとっては技術的なチャレンジであったり、技術力のアピールであったりするから引き受ける。
 もちろん、それなりに利益は得ているのでしょうけど。
 多くの場合で量産品ではないから巨額の利益は得がたい。

 そもそも絶対的な技術力を持つ中小企業なんて韓国には存在していないし、なんかの産業に極度に特化した技術屋も存在し得ない。彼らがなりたいのはサンジャンニム=社長様であって、技術屋とかではないのですよ。

 だいたいにして、韓国で宇宙産業が立ち上がったとしても、お笑い韓国軍のようにベアリングの品質保証書を偽造して爆発させるのがオチですわ。単価が高い部品なんて大好物ですからね。
 これが起きることは保証できます。なんだったら保証書を書いてあげてもいいですよ。

米ソ宇宙開発競争
山崎雅弘
六角堂出版
2014-03-13


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