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アメリカ「韓国のTHAADをフル配備で年内に稼働させるべき」→韓国大統領府「そんな発言は一切なかった!! 朝日新聞の誤報だ!」

米「THAAD年内配備を」 韓国側との温度差浮き彫り(朝日新聞)
 米国が今月、韓国に対し、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の韓国配備を年内に完了するよう改めて求めていたと、米韓関係筋が明らかにした。米国が北朝鮮の脅威を念頭にTHAAD配備を急ぐ一方、文在寅(ムンジェイン)大統領は22日、「当初は、年内に砲台1基だけを配備する約束だった」と主張。早期配備を歓迎しないような発言で、米国との立場の違いが浮かび上がった。

 米韓関係筋によれば、シャノン米国務次官が今月14日に訪韓した際、外交当局の局長級協議で、米側が現在稼働している砲台2基に加え、残る4基も年内に稼働させるよう求めた。韓国側は明言を避けた模様だ。

 韓国国防省は昨年7月、THAADの韓国配備での合意を発表した当日から、配備完了時期について「遅くとも2017年末が目標」と説明。今年2月の米韓国防長官会談でも同じ目標を確認していた。

 文氏の発言は22日、ロイター通信のインタビューで報じられた。なぜ、従来の動きと矛盾し、混乱を招きかねない発言をしたのか。

 韓国政府関係者は「当初の合意が変質したと訴えることで、環境影響評価の必要性を強調する狙いがあったようだ」と語る。  配備予定地の環境影響評価は1〜2年かかるとされ、韓国側が終了前に全6基の稼働を認めない可能性もあるとみられている。 (中略)

 韓国政府関係者らによれば、大統領府の外交当局者の力が弱く、外交方針の調整が不十分なケースが目立つという。関係筋の一人は文氏の発言について「頭の中にあることを全部話している印象だ」と語る。

 米韓関係筋の一人は「トランプ米大統領が月末の首脳会談で、文氏に強い懸念と不満を示す可能性が出てきた」と語る。
(引用ここまで)

 マケイン議員の訪韓(実質)拒否に続いて、シャノン国務次官から「フルセットのTHAADミサイル配備を年内に完了すべき」と要求されたという話。
 どちらも朝日新聞の単独報道なのですが。
 現在の大統領府の誰かになんらかのコネクションがあるのか、あるいはアメリカ側からの業を煮やしてのリークか。
 前者の可能性が高いと思いますが、後者の可能性も否定できないってところでしょうか。
 ムン・ジェインが「THAAD配備は本来、1+5で行われるはずだった」とか言い出したこともあって、アメリカ側からも圧力がかかっている……という想定はそれほど不自然ではないと思います

 ちなみに韓国大統領府はマケイン議員の訪韓拒否、THAADのフルセット年内配備要求のどちらも否定しています。

青瓦台「米国のTHAAD年内配備要求報道は事実ではない」(中央日報)

 どちらも表に出るような話ではなく、外交の機微に関わるような問題でダブルチェックはできない状況。
 であれば、韓国大統領府としては否定する以外にないですね。

 国務次官から「THAAD配備を瑕疵なく行え」って言われたということは、アメリカ政府からそう言われたということ。
 それを拒絶したということもセットになるのであれば、米韓軍事同盟において大問題です。
 それでなくても、米韓首脳会談でTHAAD問題は表だって取り上げないようにお願いしているような状況なのに、この要求が存在したことを認めるわけにはいかないのですよ。
 いま、韓国大統領府はどこからこれらの情報が漏れたのか必死に調査しているのではないでしょうか。

 ますます来週の米韓首脳会談が楽しみになってきましたね。

 

韓国で防衛産業不正への本格監査が開始、F-35の選定やTHAADの導入プロセスまで介入へ

防産不正照準... 監査院「THAAD報告書欠落」も監査用意(ノーカットニュース・朝鮮語)
今年の国防分野の監査組織を改善させた監査院が相次いで防衛産業関連の監査を行っているが続いて近いうちに国防部の「THAAD報告書不足」の件にも監査準備をしており注目される。

青瓦台が問題を提起して大きな波紋を起こした米国防総省の「サード報告書不足」事態は長官の交換過程続いて一度水面下へと沈んだ状態だ。
大統領府は、具体的なレポートが見つからない経緯などを国防部が独自に把握したり、難しい場合は長官の要求に応じて、監査院が監査することもあるという立場を明らかにしたが、国防部は経緯の把握自体も新任長官就任以来、先送りしている状態だ。
これに対して、監査院の関係者は16日「国防部が要求すればすぐに監査に出るだろう」とし「これまで青瓦台の問題提起と国防部の動きなどを綿密に監視してきた」と述べた。
国防部の要請がなくても、年間計画の国防部への機関監査が予定されており、THAAD発射台4基追加導入レポート不足はもちろん、サード導入プロセス全体への監査につながる可能性が高いことが観測されている。

監査院は、特に今年から国防分野の監査組織を変更し、防衛産業不正清算を強調しており、注目される。
監査院によると既存の国防監査団、および防産不正監査団を今年から国防監査局へと統合した。
監査院の関係者は「防産不正清算の社会的ニーズを反映して、組織を改変したものである」とし「監査院長も継続的に防産不正清算のための監査を促している」と述べた。
これによって国防部には機関監査が行われ、防産不正については防衛事業庁の武器導入などと関連し、年中機動監査が行われる予定である。

最近、国防分野について相次いで監査結果が出ていることも異議延長線と思われる。

監査院によると、昨年失敗に終わった2000億ウォン台空軍レーダー国産化事業も全般的に不良だったことが分かった。
監査院は最近、この事業を主導した韓国防衛産業企業L社の契約を解除し、関係者を懲戒することを防衛事業庁に要求した。

レーダー国産化事業は、老朽化した地上固定レーダー5〜10台を交換する事業で総額2000億ウォン台の予算が投入される予定であり、計画通りであれば2015年にレーダーの開発が完了しべきであった。しかし、期限を1年延長した2016年まで、当初のROC(作戦要求性能)を満たしているレーダーが開発されていない。
監査院は、事業の中間評価の過程でL社の技術を適切に評価していないか、意図的に高い評価を与えるなどの不正疑惑もある見ることが分かった。

次世代戦闘機F-35の導入に関連した折衝交易問題についても監査が進行中である。
当初ロッキード・マーティン社が、韓国空軍に提供することにしたF-35の4大コア技術を移転しなくなった経緯と、それに対して空軍がしっかりとした対応を行ったかの監査となる。
防衛事業庁は去る2014年、米国ロッキード・マーチンから次期戦闘機であるF-35Aについて輸入契約を締結し、韓国型戦闘機(KF-X)開発のための25種類の技術移転を要請したが、米国政府が4つの技術移転を拒否して屈辱外交という問題が提起された。
4つのコア技術は、次世代戦闘機の目とすることができるAESAレーダーと赤外線探知追跡装置、電子光学追跡装置、電磁波妨害装置などで相手の動作と攻撃を検出することができる次世代戦闘機の中核の核心技術である。

監査院は、折衝交易部分の監査と入札終了後に選定機種が変更された疑惑、議論が絶えなかった次世代戦闘機導入プロセス全体への監査につながる可能性もある。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインへの大きく期待がかかっている分野のひとつとして「防衛関連事業の不正追放」が挙げられると思います。

 古くは対空砲だと思っていたものがただの鉄の管が装備されいたなんてことからスタートしてましたっけね。
 あるいはオートメラーラのベストセラーである76mm砲を装備していたと思ったら、まず駐退機が模造品であることが判明し、韓国でリバースエンジニアされて改良されたものである……と思ったら、実はただのオートメラーラの中古品だったなんてこともありました。
 わけわからないですよね。こうして書いててもいちいち確かめないとなにを言っているんだか分からなくなることがあります(笑)。

 その他、ヘルメット、防弾チョッキブーツ次世代ライフルアサルトライフル等々歩兵のすべてがダメ。
 最新鋭救助艦には魚探が搭載され、潜水艦はボルトが留まらない
 列挙していくと止まらないのでこのあたりにしておきましょうか。

 これらの防衛関連産業の不正を追放することで、大きな予算が得られると思っているのです。
 なにしろ、子供手当と老齢基礎年金の支給金増加で1年に6000億円が必要となるのですが、防衛産業不正の是正とチェ・スンシル関連予算を正すことで捻出できると思っているほどですから。
 ムン・ジェインの政策がニュースになると、その度に「防産不正防止をお願いします!」みたいなコメントがつくくらい。
 というわけで監査院は嬉々として防産不正に切り込む気満々なのですが。

 THAAD導入プロセス全体やF-35選定のプロセスに問題があったとして、その選定をすべて取りやめたり、あるいは導入価格を引き下げたりできるんでしょうかね。
 F-4/F-5の代替機種を入札からまたやり直すとか? 現実的ではなさそうですけどね。
 
赤い韓国 危機を招く半島の真実 (産経セレクト)
櫻井よしこ / 呉善花
産経新聞出版
2017/5/9

韓国のTHAAD配備サボタージュにトランプが激怒、月末の米韓首脳会談ではどうなる?

「トランプ、サード韓国の配置めぐる議論に激怒した」(聯合ニュース・朝鮮語)
ドナルド・トランプ米国大統領がTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)の韓国配置問題をめぐる議論に「激怒」したものと把握されたと韓国政府関係者が17日(現地時間)発表した。

この関係者は聯合ニュースの記者と会い、トランプ大統領が8日、ホワイトハウスの執務室であるオーバルオフィスにレックス・ティラーソン国務長官とジェームズ・マティス国防長官を呼んで、韓半島の安保状況などを議論する場でTHAAD遅延論議に激しく怒りを露わにしたと伝えた。

チョン・ウィヨン国家安全保障室長が韓国時間で9日、大統領府春秋館でブリーフィングをして、「政府は韓米同盟次元で約束した内容を根本的に変えようとする意図はない」と緊急会見に出たのもこのようなホワイトハウスの状況を把握した後に出てきたと関係者は説明した。

特にチョン室長は会見で「THAADは北朝鮮の漸増する脅威から韓国と在韓米軍を保護するために決定した」とし「政権が交代したからといって、この決定を決して軽視しないものであり、米国と引き続き緊密に協議する」と強調した。

当時、ヘザー・ナウアート国務省報道官は、韓国政府がTHAAD配置敷地のための戦略環境影響評価を経た後、追加配置するかどうかを決定することに方針を定めた後、初めて開かれたホワイトハウスでの会合をブリーフィングしながら「韓国政府の決定に失望したのか」という質問に「そのような性格を規定つけしたくはない」とし「しかし、THAAD関連事項は、米国政府にとって非常に重要なことだ」と答えた。

続いて「これ(THAADミサイル論議)は最高位級レベルで行われた対話であり、我々は同盟国である韓国に献身している。その公約は確固たるものだ」と述べた後、「私たちは、その状況とTHAADの追加配置中断について知っている」と付け加えた。

しかし、政府関係者のこのようなホワイトハウスの温度の把握が正確であれば、今月末に迫った韓米首脳会談でTHAAD配備をめぐる陣痛が予想よりも大きくなることがあるという見通しも提起される。

両首脳の共同合意文には問題が含まれるかはまだ不透明だ。
(引用ここまで)

 「トランプが韓国政府によるTHAAD配備サボタージュに激怒」というニュースの英語ソースも探してみたのですけど、ほぼなかったですね。
 どうやらこの聯合ニュースのスクープである模様。

 トランプ大統領の激怒も当然で「北朝鮮の脅威から在韓米軍を守るために導入に合意した」はずのTHAAD配備を、その国家元首が阻んでいるわけですから。
 これを怒らずしてなにを怒るのか。
 なんのための軍事同盟なのかと怒りますわ。

 さて、記事中のチョン・ウィヨン国家安全保障室長の会見には続きがありまして
 「それでも環境アセスメントは合理的、かつ合法的に実施されるべきだ」と宣言しています。
 ついで先日、ムン・ジョンイン統一外交安保特別補佐官によって「北朝鮮が核開発・ミサイル実験を中断したら合同軍事演習は縮小」「アメリカと歩調を合わせる必要はない」「THAAD配備の環境アセスメントは法に則ったものだ。神さえもそれを飛び越えることはできない」「防衛兵器の配備問題ひとつで米韓同盟が崩れるわけがない」という発言がありました。
 あとになってから(2日以上経過してから)、韓国大統領府は「この発言は学者としての個人のものである」と警告しましたが、それでも「大統領府の立場とは異なる」とも言っていなかったりします。

 ムン・ジェイン本人も「環境アセスメントはやる。絶対にやる」と宣言しています。
 これだけ言ってしまった以上は、ここで退くわけにはいかないのですね。
 現在の高い支持率は「言ったことを行う」という面に支えられている部分があり、言葉に嘘があるとなれば反落せざるを得ない。
 「国民の支持」によって野党を無視して閣僚を強行任命したりもできているのですが、高支持率がなくなればそれもできなくなる。
 だから、THAADミサイルのランチャー4基追加配備に対しては絶対的に環境アセスメントをしなくてはならないのです。
 たとえアメリカがなんと言おうとも。

 でも、アメリカ側も退くわけにはいかない。
 北朝鮮にアメリカの若者を殺されたこともあり、「北朝鮮の脅威から韓国と在韓米軍を守るための防衛兵器の配備を拒むとは何事だ」と言わざるをえない。
 韓国側からは「月末の米韓首脳会談でTHAAD配備問題は議題にしないようにしましょう」というお願いが出ているようですが。
 これだけこじれた問題を脇に置くという手法を使う可能性は逆に増えたように思います。
 ただまあ……それでなにかが解決するわけでもないのですけども。
 それでも、決定的な米韓決裂を大統領就任からわずか50日で迎えなくても済む、という解決手段ではありますけどね。
 なんらかの形でTHAAD配備問題を扱うにしても、それほど強い扱いではなくなんとなーく「そういう問題も存在しているよね」みたいな微妙な扱いにするんではないかと思われます。
 とはいえ、相手はトランプだからなぁ……。

なんかなにを出せばいいのかよく分からんので楽天スーパーセールのバナーでも貼っておきます。

ムン・ジェイン政権の支持率、83%に上昇。その一方でTHAADミサイル配備にも賛成が多い模様

THAAD:「配備賛成」53%=1月調査より2ポイント増(朝鮮日報)
 韓国ギャラップが今月13日から15日にかけて、韓国の成人1003人を対象に世論調査を行ったところ、韓半島へのTHAAD配備に賛成という回答は53%、反対という回答は32%だった。今年1月に同じく韓国ギャラップが行った調査の結果と比較すると、賛成が2ポイント上昇し、反対が8ポイント下落している。

 THAAD配備に賛成する回答者に理由を尋ねたところ、「国家安全保障・国民安全のための防御システムだから」(49%)、「北朝鮮の核ミサイルの脅威に対応するため」(22%)、「米国との関係、韓米同盟強化のため」(8%)などが挙げられた。ところで与党「共に民主党」の支持層は、今年1月の調査では賛成30%、反対61%だったのに対し、今回の調査では賛成39%、反対44%となり、賛成が増えた一方で反対は減った。韓国ギャラップは「民主党が与党に変わったことなどが影響を与えたと分析している」とコメントした。

 また、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は83%で、先週の調査より1ポイント上昇した。不支持は10%だった。
(引用ここまで)

 世論調査で韓国人のTHAAD配備に関する可否を問うと、圧倒的というわけではないのですが賛成側が多くなる傾向にあります。これはほぼ常に。記事のように過半を超えることも少なくありません。
 韓国国民が反対しているのは、THAADのランチャーを4基追加する際の手続きに瑕疵があったというよりも、お笑い韓国軍に連なる防衛産業不正が山ほどあったからというほうが正しい解釈に近いと思われます。

 なんだかんだいっても防衛兵器であって、北朝鮮の脅威を減らすことができるものであるという知識は行き渡っているようですから。
 配備以前にあれだけ中国、アメリカとごたごたした甲斐があって、THAADミサイルがどのようなものかという解説はマスコミで山ほどされているのです。
 アメリカ以外で……いや、ヘタをしたら世界でもっともTHAADのことを知っているのが韓国人かもしれないというくらいに。

 とまあ、配備賛成が韓国人の基本的な姿勢であってもムン・ジェインとしては4基のランチャー追加にいつまで経ってもぐだぐだとアメリカに対して言い訳をし続ける。
 環境アセスメントを最初からやり直せば最低でも1年、ヘタを打つと(ムン・ジェイン政権の思惑通り行くと)2年ほどかかる。
 それを今月末の米韓首脳会談で議題として取り扱わないなんてことがあり得るんでしょうかね。

 あと、ギャロップのムン・ジェイン政権への支持率調査も出ています。
 83%という高支持率をキープ、さらに先週よりも1%上昇しているっていう。
 まだまだ当分は韓国国民とムン・ジェインの蜜月期は続きそうってところですかね。外交、特に対米外交ではヘタを打っている様子しか見られないのですが。

最強 世界のミサイル・ロケット兵器図鑑
坂本明
学研プラス
2015/4/28

「THAADの追加配備」問題で軍部に圧力をかけるムン・ジェイン政権

THAAD:韓国大統領府の「指摘」に戸惑う国防部(朝鮮日報)
【社説】韓米首脳会談直前にTHAADで大立ち回りの文大統領(朝鮮日報)
 国防部の複数の関係者は「大統領府が発射台問題になぜこれほど執着するのか理解できない」などと口をそろえる。韓国軍のある関係者も31日「これまでTHAAD配備で問題となってきたのは、中国がXバンドレーダー設置に強く反対しているからで、今回のように突然発射台が問題となった理由が理解できない。非常に困惑している」などとコメントした。在韓米軍も「韓国における大統領府と国防部の問題に関心はない」としながらも「発射台が10基、あるいは20基あってもそれ自体が重要な問題ではない」との考えをすでに示しているようだ。 (中略)

 国防部が大統領府国家安保室に報告した文書の中で、発射台に関する記述が簡略化されている理由も、発射台の数自体はさほど重要な問題にならないとの認識があったからとみられる。ところが大統領府はこれを「意図して記載しなかった」と解釈しているのだ。国防部は報告書の中で「年内にTHAADの運用能力を完成させる」と記載したが、国防部にとってはこれが残り4基の追加配備を前提としていることはあまりにも明白なことだったのだ。 (中略)

 また国防部関係者の間では、大統領府が何らかの政治的意図を持ってこの問題を取り上げたとの見方も語られている。今後の国防部トップ人事が国防改革を加速化する火種として活用される可能性があるからだ。
(引用ここまで)
基本的に4基の発射台が韓国国内に持ち込まれていることは4月末の時点ですでに周知の事実だったはずだが、大統領府安保室長がこのことを今まで知らなかったというのはどう考えてもおかしい。もし知らなかったのが事実なら、それ自体が非常に深刻な問題だ。大統領府は「国防部が何かを隠した」と主張するが、新しい大統領のご機嫌取りに忙しい国防部が何か隠し立てをして得るものがあるだろうか。また近く新しい国防長官が任命されれば何を隠しても当然すぐ明らかになるのに、今更誰が何の理由で何かを隠すというのか。

 そもそもこの問題の発端については「軍事関係の専門用語に対する理解の食い違いからくる誤解」との見方に説得力がある。大統領府によると、当初、鄭安保室長は韓長官に「4基が追加で配備されたのか」と確認したという。これが事実なら、韓長官はこれを否定するのは当然だ。軍事面における配備という言葉は、すでに運用可能な段階にあることを意味するからだ。このような誤解があったとの指摘に対して大統領府は、後から「配備」という言葉を修正した。この日(31日)韓長官が「ニュアンスの違い」と説明したのも、このことを言っていたようだ。

 国防部はこの日も「『THAAD1個砲台を展開した』という言葉で全てを報告した」と解釈しているなどと説明した。軍の関係者ならそれもある意味当然のことだ。1個砲台は6基の発射台で構成されており、うち2基はすでに配備されているのだから、残り4基もすでに韓国国内に搬入され、配備を待つ状態にあることを今更説明する必要がないと考えたとしても何ら不自然ではない。 (中略)

在韓米軍基地と韓国を守る武器体系の問題については、これまで韓国が中国の顔色を伺ってきたこともありただでさえ長い間混乱が続いた。しかも今度は大統領までが否定的な考えを表明したのだから、これに対して米国がどのような反応を示すか今更言うまでもない。このような韓国における混乱を意識したのか、米国防省報道官も「THAAD配備は非常に透明な形で行われた」と即座にコメントした。いずれにしてもこのままでは韓米間の対立が取り返しのつかない状況となる恐れも排除できなくなってきた。新政権もそのような現状を当然理解しているはずだが、なぜ問題をここまで大きくしたのか気になるところだ。
(引用ここまで)

 ざっくりとですが、昨日楽韓Webで書いていたこととほぼ同じ見解が述べられていますね。
 そもそもが6基ワンセットであるTHAADミサイルを配備したのであって、4基の発射台は追加されたものではないという認識の国防部。
 それに対して大統領府は4基はあくまでも追加されたものであり、国防部がその報告を意図的に上げてこなかったという認識でいる、と。

 これをきっかけにして大統領府は国防部に対してマウンティングを行いたいというのが実際のところなのでしょう。
 南スーダンで弾丸が足りなくなったときに、現地判断で自衛隊に貸し出しを依頼したように軍部には現実的な人間も多いのです。実際、あのときは近隣にいて5.56mm弾を持っている組織は自衛隊だけでしたしね。
 アメリカとの軍事同盟すらをも切りたがっているであろうムン・ジェイン政権にとって、軍部は目の上のたんこぶになりかねない。

 こういう形で軍部への圧力をじわじわと増やしていこうというのが、大統領府の意向なのでしょうね。少なくとも現状では国民の支持もありますし、無数のお笑い韓国軍につながる不正もあった。
 「不正の多い軍を改革するのだ」と言い出したら、誰も止められない状況であるのは間違いなところですが……。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:コリア・リスク」〈2017年5月16日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/5/9

ムン・ジェインが「軍からTHAADの追加配備の報告がなかった、どういうことだ!」と叱責する理由とは?

韓国、米THAAD追加配備に衝撃 文氏知らされず(日経新聞)
大統領府、わずか一日で「意図された報告不足」の結論... 高強度国防改革につながるか(聯合ニュース・朝鮮語)
韓国政府は30日、在韓米軍が地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の発射台4基を韓国に追加搬入していたと発表した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は韓国国防省がその事実を大統領府に報告していなかったとして、真相究明を指示した。韓国でTHAAD配備を巡る混乱が長引けば、米軍のTHAAD運用構想にも影響する可能性がある。

 大統領府によると、文氏は29日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長から報告を受け、「非常に衝撃的だ」と語った。文氏は韓民求(ハン・ミング)国防相に電話して、4基の追加搬入の事実を確認したという。

 大統領府の関係者によると、4基が韓国に搬入されたのは文氏の大統領就任前だった。だが、国防省は新政権発足後、機会があったにもかかわらずその事実を大統領府に報告しなかったという。

 文氏は米軍による追加搬入について、誰が国民に非公開とし、なぜ新政権に報告しなかったのかについて徹底した調査を指示した。国防省は「26日に安保室長に報告した」と弁明したが、大統領府は「その事実はない」と突っぱねた。

 THAADは北朝鮮の核・ミサイルに対処するため、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の昨年7月、米韓両軍が配備を決めた。米軍は今年3月から韓国に装備の搬入を始め、4月26日には配備先である南部の慶尚北道・星州(ソンジュ)の敷地に発射台2基とレーダーを運び込み、すでに運用が始まっている。発射台は6基で運用する体系で、4基が追加配備されればシステムが完成する。
(引用ここまで)
ユン・ヨウンチャン青瓦台国民疎通首席は31日、春秋館のブリーフィングで「大統領府はサード発射4基追加搬入報告不足の関連調査を行った結果、国防部が4基追加搬入事実を報告書で意図的に不足していることを確認した」と発表した。

ムン・ジェイン大統領がハンミング国防部長官に直接電話をかけてサード追加搬入事実を確認して、民政首席室に真相調査を指示してからわずか一日で意図的にサード追加搬入事実を報告していなかったと結論を下したのだ。 (中略)

大統領府がわずか一日で「意図的レポートが見つからない」を発表したのは示唆するところが少なくない解釈が出ている。
(引用ここまで)

 THAADミサイルはXバンドレーダーと6基の発射台がセットである、というのは当然の知識だとのこと。
 そもそもがそういう形で持ちこまれている、アメリカでも運用されているということなのでしょうね。
 日経の記事にもそのようにありますし、韓国で先行の2基が導入された際にも「後から4基が足されて〜」という記述がいくつかのメディアでありました。
 確か朝日新聞だったような気がするのですが……。

 つまり、4月に配備を強行したときはその必要があって最低限の装備として2基だけを実戦配備したということなのですね。
 北朝鮮からの脅威云々よりは、政権が切り替わる前に既成事実を作っておきたかったというほうが大きいかもしれませんが。
 どちらにせよ、後日に追加となる4基の配備があることはすでに分かっていたことなのです。

 ところが、ムン・ジェイン政権はまるでそれを「軍がなんの報告もなく、4基のTHAADミサイル発射台を導入した」というような話にしようとしているのです。
 後ろの聯合ニュースの記事では調査命令からわずか1日で「軍が報告を上げなかったのは意図があってのこと」というレポートが大統領府に出されています。
 「お笑い韓国軍」と揶揄されるくらいに不正による装備品の劣化が問題になっていたのは間違いないので、これを機会に綱紀粛正をという意図もあるのかもしれませんが。
 それよりも一気にTHAADミサイルを撤去させようという意図が濃いように思えます。

 ムン・ジェインは大統領選挙期間よりも前から「THAADミサイルについては次期政権に判断を任せる」と言い続けてきました。
 実際にはTHAADミサイルを撤去したいという気持ちが見え見えでしたが、北朝鮮の脅威から韓国を守る「防衛兵器」に対して撤去を宣言するわけにもいかないという現実面もあったのでしょう。国民の多数が配備に賛成してもいましたしね。
 当選前後からは「配備について国会での採決が必要だ」とか言いはじめています。軍事同盟を組んだ相手が配備した兵器について、国会での採決ってどういうことなんでしょうかね。
 新兵器が持ちこまれる度に国会採決が必要になるのですかねー。
 いまこそ「誰しもが満足する腹案」を披露するときだと思うのですが。

ムン・ジェイン「防衛産業に不正があったので究明するぞ!」 → 韓国人「それでこそムン・ジェイン!」 → まずはF-35A採用問題だ! → 韓国人「え、そこは違う」

防産不正清算に出るムン大統領... 「パク・クネ政権のF-35導入」照準?(毎日経済・朝鮮語)
ムン・ジェイン政府が本格的な「防衛不正清算」に乗り出し、パク・クネ政権時代に行われた武器海外導入事業を正照準するではないかという観測が出ている。 (中略)

これに関連し、ムン大統領が大統領候補時代に発刊した対談集「大韓民国が尋ねる」で防産不正と武器の導入に関連発言が注目されている。当時ムン候補は「本当に私たちの安全保障能力を侵食する巨大な不正はすべて海外の武器導入不正であり、それこそが核心」とし「李明博・朴槿恵政府のあった武器の不正が正しく究明されていない」とした。特に「F-35戦闘機の選定不正が存在すると推定される部分がある」とし「今後、この部分は特検が究明できない場合は、次の政権に行っても究明されなければならない部分」と強調した。

F-35戦闘機の選定は、2013年9月24日機種決定のために開催された防衛事業推進委員会で委員長であるキム・クァンジン当時の国防長官が「政務的に判断しなければならない」と発言したことが知られている議論になった。政府が行った入札プロセスを根こそぎ変えた理由が釈然としないなかったからである。
(引用ここまで)

 最後の「政府の行った入札プロセスを根こそぎ変えた理由が釈然としない」というのは、F-X事業入札のことですね。
 軽く経緯を解説しておきましょうか。
 老朽化の激しいF-4 60機をリプレイスするためにF-35、ユーロファイター、F-15SEを候補機として応札を募ったものの、予算内に納める企業ゼロ。当時から乖離が激しくて楽韓Webでは「これはどこまで行っても無理なんじゃないかなぁ」と語っていました。
 その後、55回も入札を繰り返したものの、案の定予算内に納めることができなかったというものでした。
 最終入札では予算に収まらなかったF-35Aが脱落。ユーロファイターが書類不備で脱落
 唯一残ったF-15SE サイレントイーグルが2013年9月に次期戦闘機として決定しました

 ですが、空軍元参謀とやらが出張ってきて「本当にF-15SEで韓国が守れるのか?」と言い出しまして。
 結果、2週間後にはF-15SEの採用が取り消されました
 その2ヶ月後にはF-35Aが選定決定されていましたね。
 F-35Aの選定に問題がある、というのはこのあたりの手順の問題ではないかなと思われますが。

 F-35Aの採用自体はそんな間違っていることじゃないと思います。ただまあ、60機購入の予定が予算の問題で40機になってしまいましたが。
 正式な手順を経てF-15SEで応札し、選ばれたはずのボーイングにしてみたらいい面の皮でしたね。「訴えてやる!」って言ってましたが、あれはどうなったのかなー。
 で、そこから去年になって「THAAD配備もF-35A採用もKF-16の近代化改修事業もチェ・スンシルが介入したのだ」みたいな話になってきていました。

 まあ……F-35Aの採用取り消しとかやったら面白いのですけどね。
 中核技術とされているAESA等の4大技術に関してはアメリカから移転拒否されていますが、その他の細々とした技術に関してはF-35採用の見返りとして移転が行われているのです
 KF-X事業が立ちゆかなくなるところまで追い込まれること間違いないのですよ。
 それは楽韓さん的には非常に困るのです。あれだけのネタの宝庫を取り逃がしたくないっていう(笑)。

 THAAD配備撤回もF-35A採用撤回も対米外交としてはあり得ないのですが。
 ……なにしろノ・ムヒョンの系譜を継ぐ人物だからなぁ。

知られざるステルスの技術 現代の航空戦で勝敗の鍵を握る不可視化テクノロジーの秘密 (サイエンス・アイ新書)
青木謙知
SBクリエイティブ
2016/12/15

トランプ大統領の「朝鮮半島に2隻の原潜を派遣した」というセリフが意味するものとは?

原子力潜水艦の朝鮮半島沖派遣、トランプ氏が比大統領に漏らす=米紙(ロイター)
米紙ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領がフィリピンのドゥテルテ大統領に対し、原子力潜水艦二隻を朝鮮半島沖に派遣したという情報を漏らしていたと報じた。

4月29日に行われた電話会談の要旨として同紙が報じたところでは、トランプ氏は「(朝鮮半島沖に)原子力潜水艦二隻を配置している。使用したいわけではないが」などとドゥテルテ氏に話した。
(引用ここまで)

 おや、ミシガン以外にも改オハイオ級を派遣していたということですか。
 一部では機密の暴露という話にもなっていますが、巡航ミサイル原潜は姿を見せてなんぼという部分があります。戦略ミサイル原潜とは性格を異にしたものなのです。

 以前も書いたように、改オハイオ級はトマホークを最大で154発搭載できるお化け原潜です。
 戦略核ミサイルは核攻撃をされたら、世界の海のどこからでも同等以上の反撃ができるという「反撃力」を主眼としている兵器です。ですから、どこにいるかを明かすことはそれほどしません。
 かわぐちかいじの沈黙の艦隊はその反撃力をやまとが国連に委託する、という話でしたね。

 一方で巡航ミサイルのトマホークは気軽に使える兵器なのです。米中会談中にシリアにぶっ放したように、現代戦の空爆における主力兵器です。
 改オハイオ級が朝鮮半島周辺に2隻いるとしたら、それだけでトマホークが300発以上。
 もちろん、その他にもミサイル駆逐艦から発射されるものもあるでしょうけども。そういう意味で改オハイオ級は、北朝鮮空爆があるとしたら主力兵器とすらいえる存在なのです。

 というわけで、「この海域に改オハイオ級がおるで!」というアピールだけでも強大な圧力になるのですよ。
 いつでもトマホークをお届けできる、ということなのですね。
 なのでトランプもあえてリークされることを前提にして話したのではないか……というのは買いかぶりすぎかもしれませんけども。
 まあ、実際にそういう意図があってもまったくおかしくないということではあります。

名作ではありますよ。
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かわぐちかいじ
講談社

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