楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

サムスン電子

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サムスン電子総帥とムン・ジェインがはじめて出会う場所がインドの工場であった理由とは

【社説】文大統領のサムスン工場訪問が大ニュースになる韓国(朝鮮日報)
文大統領、インドでサムスン電子副会長と面会(朝鮮日報)
文大統領、李在鎔サムスン電子副会長に「韓国でもさらに多くの雇用を」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領はインド訪問中の9日、現地のサムスン電子工場完工式に出席し、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と言葉を交わした。文大統領が大統領に就任してから二人が直接会うのはこれが初めてだ。文大統領は李氏の案内で工場を見学し説明を受けた。韓国大統領府は「通常の外交日程」と説明したが、財界関係者の間からはサムスンをはじめとする大企業と政府との関係改善のきっかけになることを期待する声も上がっている。サムスンは韓国を代表するグローバル企業だ。そのような大企業の海外工場を大統領が訪れるのはごく自然なことだろう。ところが今はそれが大きなニュースになっている。韓国の政治状況がいかに異常な状況にあるかはこれだけでも十分想像がつく。

 現政権が大企業を敵対視しているのは今や公然たる事実だ。政権発足直後に国政企画委員長が「財閥は最大の既得権だ」と発言したのを皮切りに、現政権は過去のどの政権よりも厳しい反大企業的な政策を進めてきた。韓国の10大グループの中で検察や警察、国税庁、公正取引委員会などから捜査や調査を受けていないところは一つもない。公正取引委員会による規制を強化し、それによって大株主の経営権を弱体化させる法案も相次いでいる。影響で大企業は経営権の確保に危機感を抱き、未来への投資に二の足を踏んでいるのが今の実情だ。

 中でもサムスングループに対する捜査は2年近くにわたり続いているが、これには大統領府が事実上の先頭に立っている。労働組合設立妨害事件では4回にわたる家宅捜索と14人に対する逮捕状申請という記録的な事態となった。さらにはサムスン半導体工場の企業秘密公開、バイオ関連子会社の粉飾決算、子会社が保有するサムスン電子株の売却など、どれも各部処(省庁)が実績を上げるためにサムスンを標的にしたものばかりだ。韓国の輸出全体の20%以上を占める大企業が政府によってここまで食い物にされているのだ。 (中略)

政府が企業から意見を聴き、それを政策に反映させれば、企業側は投資や雇用を生み出すことでそれに応える。政府が大企業と一線を画して敵対視するような先進国などない。大企業を「積弊」ではなく「経済運営のパートナー」とする政策の見直しが今後は必要だ。文大統領のサムスン電子工場訪問がぜひともそのきっかけになることを願う。
(引用ここまで・太字引用者)
 文大統領は李氏の案内を受けながら新工場の内部を視察した。李氏はモディ首相が車から降りた際には頭を下げただけだったが、文大統領が来たときは何度も腰を曲げてあいさつした。与党・共に民主党の一部議員からは文大統領のサムスン工場完工式出席を疑問視する声も上がっているが、韓国政府のある高官は「韓国とインド双方の経済発展と雇用の改善に貢献する工場だ。その完工式に出席することに特別な政治的意味合いはない」と主張した。

 大統領府も「文大統領と李氏との面会は、現政権が掲げる所得主導成長や大企業政策の転換を意味するものではない」とくぎを刺した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインとサムスン電子副会長であり、実質的なオーナーであるイ・ジェヨンが会うのは、大統領就任以来では今回がはじめてだとのことで。
 まあ、去年の2月に逮捕されてから今年の2月に高裁で執行猶予つきの有罪判決が出るまで収監されていたのだから当然ではないかという気がしますけどね。
 それでも両者がはじめて会うのが国外工場の完工式であるというのは象徴的です。

 法人税増税企業機密を暴露するといった大企業を叩くことでポピュリストとして人気を獲得してきたムン・ジェインが国内で会うのは難しい。
 まあ、国外で会うのであれば……ということなのでしょう。

 ムン・ジェインが「所得主導成長」なる経済政策を続ければ続けるほど、雇用は海外に逃げていくしかない。
 インドにスマートフォン組み立て工場ができる、というのはその典型例のひとつでしょう。
 こうした組み立てのような人手のかかる、言ってみれば雇用に直接影響するような工場は海外に建設する。
 半導体のように安定した電気の供給があればいいだけで最低限度の雇用しか産まない工場は韓国に残す。

 ムン・ジェイン政権と韓国企業の思惑ががっちり噛みあったのがインド工場での出会い、といったところです。
 逆にいえばこういった機会がなければムン・ジェインとサムスン電子の総帥が会うようなことはなかったと思うとそれも面白い。
 いまの韓国で何が起きているかということを象徴するような出会いですね。

ルポ 絶望の韓国 (文春新書)
牧野愛博
文藝春秋
2017/5/19

韓国経済:半導体があまりにも好調すぎて、韓国の不況具合が不透明に。サムスン電子の一人勝ちがさらに進む模様

【中央時評】失われた1年、残り4年も失うのか=韓国(中央日報)
上場企業の営業利益、過去最高も…サムスン電子を除けば?(中央日報)
最近、最も引っかかったのは青瓦台の雇用首席秘書官の発言だ。前年同期比で雇用が10万人しか増えなかったが、「実際、雇用は増え続けている」と主張した。今の韓国経済では30万人以上の雇用が増えてこそ正常だ。米国は毎年160万人の新規雇用を雇用指標の基準とする。青瓦台の論理なら、日本が「過去20年間、実際にマイナス成長した1998、99、2008、2009、2011を除けばわずかでも成長したので失われた5年だ」と言い張るのと変わらない。 (中略)

この1年間、所得主導成長の成績はみすぼらしい。美しかった政治スローガンは経済現場で変質して久しい。「人が先だ」は「人が怖い」に変わった。60歳の定年まで解雇できないため最初から雇用を避けているのだ。「経済民主化」は反市場・反企業・親労組の象徴になった。雇用のための最低賃金引き上げ、正規職化、勤労時間の短縮などが生産コストを急騰させ、雇用を脅かしている。

過度な市場統制は市場の逆襲を呼ぶ。最近、近所のコンビニエンスストアに見慣れない従業員が登場した。韓国語が拙い、付近の大学の中国人留学生だ。最低賃金が上がると、経営者が人件費の負担と4大保険を避けて安い留学生を不法雇用したのだ。このように価格(賃金)に人為的に触れると需要(雇用)が歪んで二重の市場が生じる。韓国の大学生のアルバイトだけが消えることになった。

過去1年間は「失われた1年」になった。このままだと残りの4年間もどうなるか分からない。さらに金利高・ウォン高・原油高の「新3高」環境が形成されている。金利が上がれば家計の負債の負担が増えて消費の余力は減る。為替レートはすでに半導体を除いて輸出採算性を合わせにくい水準であり、原油価格も1バレルあたり80ドルを上回った。経済機関は「景気低迷の入り口に入った」と口をそろえる。しかし青瓦台はあえてこうした診断に背を向ける。そうしてこそ所得主導成長の実験を継続できるからだ。青瓦台内部では競争力強化や労働改革の言葉も言い出せない雰囲気という。

しかし半導体スーパー好況のしん気楼が消えれば、遠からず韓国経済の素顔が表れるだろう。このままだと経済危機や大量失業の災難を迎えるかもしれない。経済実験に耐えられる体力も枯渇している。これ以上の失われた経済にならないためには表現から取り戻さなければいけない。今日の韓国を築いた市場、効率、自由競争、国際競争力などの言葉だ。
(引用ここまで)
上場企業の実績は4年連続で毎年過去最高を更新している。実質的な財務状態と経営成果を表すと評価される「連結財務諸表」が義務づけられた2011年以降の実績をみると、今年1−3月期の売上高、営業利益、純利益が最も多い。営業利益は2015年同期(28兆ウォン)から4年連続で増加している。 (中略)

サムスン電子は今年1−3月期の営業利益が15兆6422億ウォンと、前年同期比で58.03%増えた。

逆に言うと、サムスン電子を除いた上場企業の実績は期待に及ばなかったという分析が出てくる。サムスン電子を除いた1−3月期の上場企業の売上高は403兆3303億ウォンと、前年同期比2.89%増にとどまった。営業利益(27兆1604億ウォン)と純利益(21兆1452億ウォン)はむしろ6.43%減、13.01%減となった。
(引用ここまで)

 今年も半導体のスーパーサイクルは絶賛継続中。
 中国でやたらめったら建造されているDRAM工場がいつ製品を出せるのかはちょっと見えていないのですが、まだアナウンスがないところを見ると遅れているのでしょう。
 当初は2018年中にも量産をはじめたいという話だったのでしたが。
 であればDRAMはNANDと違ってプレイヤーが少なめなのでサムスン電子の好調さは継続するとみてよいでしょうね。

 第1四半期においてサムスン電子1社の純利益は、上場企業の37%を占めるそうです。
 で、かつ売上高で上位20位までの韓国上場企業の2-19位までの純利益をすべて足してもサムスン電子の純利益に届かないという状況なのだそうですよ。
 完全に一強多弱状態。
 というか、半導体のスーパーサイクルのせいで完全に全体の経済状況を見誤るレベルです。
 それなのにこの政権は肝心のサムスン電子は徹底的に叩こうとしているのですよね……。

 何度か書いているように世界経済は好況期に入っています。
 にもかかわらず、外需依存の高い構造となっている韓国経済がそれに追随できていない。
 世界的に見ても失業率は低下しているのに韓国でだけは上昇し、雇用増加数は先細り40-50代のアルバイト収入は20%減っていたというのは怖ろしい数字ですよ。
 一見すると国家単位での経済成長はしているように見えるのですが、実際にはサムスン電子(とSKハイニックス)だけがその好況を享受している状況。完全に錯覚、錯視ですね。

勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語
ガイ・スピア
パンローリング株式会社
2015/11/11

ムン・ジェイン政権、サムスングループを徹底的に叩く。なお、法律や前例もすべて無視している模様

【コラム】サムスンは耐え抜くことができるだろうか(中央日報)
今、サムスングループは韓国で「公共の敵」さながらに集団バッシングに遭っている。その理由はおよそ10個を越える。朴槿恵(パク・クネ)・崔順実(チェ・スンシル)国政壟断特別検察官チームは、サムスンが李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長への経営権継承のためにわいろを提供したとして起訴した。裁判所は2審でこの容疑を無罪と判断した。無労組経営も口実になっている。検察はサムスン電子サービスが労組破壊活動をしたとして捜査を行ってきた。裁判所は争いの余地があるとして検察の拘束令状請求を棄却した。

韓国経済を支える柱である半導体工程が労災を引き起こしたという理由で、半導体生産工程を公開するよう求める圧迫も激しい。市民団体と雇用労働部は次々と攻勢をかけている。公正取引委員会の圧迫も限りがない。サムスングループのトップを李副会長と見て、循環出資解消を催促している。経営透明性を高めるよう促すものだが、急激な支配構造改編は企業経営を難しくする。これは投資の萎縮につながる。

サムスン生命が保有しているサムスン電子の持株処分の圧迫は法的根拠もなく続いている。保険業法上、取得原価で計算することになっている系列会社の株式を、突然、時価に変えて処分するよう命じられたためサムスン生命は当惑している。サムスン生命は「できない」ではなく「不可能」という立場だ。時価20兆ウォン(約2兆円)を越える大規模株式を売却すれば、経営に支障が出ることはもちろん、市場衝撃も大きいということだ。この問題を提起してきた金起式(キム・ギシク)前金融監督院長が半月で退くと、今回は崔鍾球(チェ・ジョング)金融委員長が圧迫バトンを受け継いだ。

サムソンバイロジクス(サムバ)問題は参与連帯の提起で政府が既存の立場まで豹変させている。金融監督院はサムバに対する監理を完了し、今月1日に措置事前通知書を会社と監査人に電子メールで通知した。サムバがサムソンバイオエピスを従属会社から関係会社に変更して、3000億ウォンだった持株価値が一気に4兆8000億ウォンに増えたことを会計詐欺だとしながらだ。国内3大会計法人の検討と公認会計士会の監理を経て、当時の金融監督院も承認した結果を翻意したのだ。

サムスン合併(サムスン物産と第一毛織)は「積弊」という烙印を押された。国民年金が合併に賛成したのは、当時朴槿恵政府の圧力のためというものだ。これは投機資本の攻撃を自らまねいている。2015年に合併を反対したエリオットは先月13日、「サムスン合併で損害を受けた」として法務部に投資家・国家間訴訟(ISD)の意向書を提出した。 (中略)

サムスン電子は売上の87%を海外であげている。生まれは韓国だが、今やグローバル企業だ。このような構造で全方向からの揺さぶりが続けば、海外進出が加速するほかない。サムスンは慶尚北道亀尾(キョンサンブクド・クミ)の携帯電話工場を2008年ベトナムに移した。それだけ韓国は雇用を失った。サムスンを殴るばかりではなく、企業の価値と役割もあわせて見なければならないのはこのためだ。サムスンも経営透明性を高め、雇用創出を通じて韓国内で共生していく努力をさらに強化しなければならない。それでこそ無差別的な嫉視と反感に耐え抜き、最優良企業として飛躍することができるはずだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 順調にムン・ジェイン政権がサムスングループを殺しにかかってますね。
 そもそも、長年「サムスンハンター」と呼ばれていた人物を公取委員長として任命した時点で、こういった状況になるのであろうとは予想がついてはいましたが。
 2年前にサムスン物産株を売却したときに公取委にお伺いを立てて「このようにすれば大丈夫」というお墨付きをもらって行った取引を「やっぱり循環投資が継続している状況だ」って言い出して、さらに株式売却をしなければならなくなった、なんてことがありました。
 あれは完全に公取委員長が「財閥絶対殺すマン」であるからこそできたことでしょうね。

 記事中にある半導体工場のノウハウを公表するとした件はとりあえず差し止め命令が通っているので一時停止状況になっているのですが。
 これ、さらにサムスンディスプレイにも同じ命令を出していて、同じように差し止め請求で一時停止になっているという状況です。
 本当に殺しにかかっているのですよ。

 イ・ミョンバクが逮捕された件でもサムスン電子が関わっているとされていますし、実質的な支配者であるイ・ジェヨンサムスン電子副会長は1審では「証拠はないがこれは心証として賄賂なので有罪」という未開な判決を受けていました。
 さすがに2審では執行猶予判決になりましたけどね。

 つい最近も韓国国内で半導体工場を建設しましたが、何度か書いているように半導体工場は本当に人を必要としないもので電気代を優先しているところがあります。
 多少は高くなったものの現状の韓国における産業用電気は格安と言ってもいいレベル……というか、政府が実質的に援助を行っていると見做されてもおかしくないレベルの安さ。
 サムスンを叩くならこのあたりも高くするのではないかと思ったのですが、そうすると他の産業も苦しむことになるからやらないのかもしれません。

 しかし、「サムスン系列」とすら言われていた中央日報が太字部分の「だけどサムスン側も悪いのですよ」みたいなことを書くようになるとは……。
 この政権は本気で財閥を潰しにかかっている、ということがこのあたりからも透けて見えてきていますね。

サムスン・クライシス 内部から見た武器と弱点 (文春e-book)
文藝春秋
2015/1/25

サムスン電子のスマホが中国ではシェア0%台、鉄板だったインドでもシェア2位に……頼みの綱は中国製品が規制されるアメリカ市場だけ?

サムスン電子のスマホ、中国市場でシェア0%台のショック…反撃に出たギャラクシー(中央日報)
サムスン電子の中国スマートフォン市場でのシェアが0%台に落ちたという調査結果が出た。

米市場調査会社ストラテジーアナリティクスが8日に明らかにしたところによると、昨年10−12月期にサムスン電子の中国スマートフォン市場のシェアは0.8%を記録したことがわかった。今年初めに発表した速報値では1.7%だったが確定値でシェアがさらに落ちた。

これに伴いサムスン電子のスマートフォンの年間中国市場シェアも速報値では2.4%で8位だったが、確定値では2.1%と9位に落ちた。

これはプレミアム製品群ではアップルに、中低価格製品群では中国企業に挟まれ「サンドイッチ」になった結果だ。 (中略)

インドでもサムスン電子は四半期別シェアで6年ぶりに1位の座を明け渡した。中国のシャオミは昨年10−12月期にインドのスマートフォン市場でシェア26.2%となり23.9%を記録したサムスンを抜き初めて1位に上がった。シャオミは2017年1−3月期だけでも14.1%のシェアで28.6%だったサムスン電子の半分にも満たなかったが、その後急速にシェアを拡大し結局サムスン電子を抜いた。

もちろん世界市場を見れば昨年のスマートフォン市場シェア世界1位はいまだサムスン電子だ。だが両市場での不振はサムスン電子のスマートフォン事業の危機につながりかねないという点で簡単な問題ではない。中国は年間にスマートフォンが4億5000万台以上売れる世界最大の市場だ。インドは最も速く成長する市場で、昨年米国を追い越し世界2位の市場に浮上した。
(引用ここまで)

 何度か書いていますが、半導体はスーパーサイクルに突入して久しい状況。メモリーに関してはDRAMにせよNANDフラッシュにあればあるだけ右から左に売れていっています。
 中国政府がこの状況を嫌っていてDRAMを内製しようとしていますが、まともなファブの稼働を見るのは来年以降になりそうな感触です。
 ですが、日本からも韓国からも技術者を引っ張っているとのことで、中国企業によるDRAM量産がはじまるのはそう遠い未来でもないのが実際でしょう。

 というわけで異常なほどに売れていて去年の営業利益は5兆円を突破したというサムスン電子ですが、実は半導体以外の業績がぱっとしません。
 その象徴が新興国でのスマートフォン販売で、中国では去年の第4四半期のシェアが0%台に突入。
 2013年頃はシェア20%を越えて1位。我が世の春とばかりに中国市場での販売を謳歌していたのですが、2015年頃からは「もう中国でサムスン電子のスマートフォンなんて誰も使わない」といわれるようになり、シェアは右肩下がりだったのですがついに0.8%。
 完全に「その他」のプレイヤーに成り下がったって感じですかね。
 中国製スマートフォンが政治的理由で入り込めていないアメリカではまだまだサムスン電子のシェアが高いのですが、欧州やラテンアメリカといった地域ではファーウェイやZTEといった中国メーカーがシェアを高めています。
 ファーウェイの新機種発表はどの国でも大きく扱われるようになっていますね。

 スマートフォン製造については以前に語ったようなレッドオーシャン化が進んでいるのですが、そこをうまく泳いでいるのが水平分業を徹底している中国企業って感じです。グループ内でスマートフォン製造をほぼ完結できる垂直統合型のサムスン電子が遅れをとっているのが面白いといえば面白いですかね。
 昔から楽韓Webでは「韓国にできることは中国にもできるようになる」と強く言ってきましたが、その時代がやってきたということですよ。

韓国政府が財閥叩きに本腰を入れてきた模様

韓国政府、「サムスン半導体の有害性測定結果を公開」(ハンギョレ)
 雇用労働部が、サムスン電子半導体工場の作業環境測定結果報告書を、白血病で亡くなった同工場の労働者の遺族に公開することを決めた。報告書はこれまで雇用部が「経営・営業上の秘密」として公開を拒否してきた資料だ。

 雇用部は18日、「サムスン電子温陽(オニャン)工場の作業環境測定結果報告書を公開せよという裁判所の判決を尊重し、最高裁(大法院)への上告をあきらめ白血病で亡くなった工場労働者、故イ・ボムウ氏(当時46)の遺族に報告書を公開することを決めた」と明らかにした。報告書には、作業場内で労働者がどれくらい有害因子に露出しているかを測定した結果が書かれている。

 イ氏は、1986年から28年余りサムスン電子温陽工場で勤務したが、2014年8月に白血病で亡くなった。イ氏が亡くなった二カ月後、遺族は労災立証のために雇用部天安(チョナン)支庁に報告書を公開するよう請求したが、天安支庁は「経営・営業上の秘密」だとしてこれを拒否した。遺族は行政審判に続き行政訴訟を相次いで提起したが棄却され、その後の控訴審では「公開せよ」という判決を受け取った。1日、大田(テジョン)高裁は、該当報告書が「事業活動によって発生する危害から人の生命・身体または健康を保護するために公開する必要がある情報に該当する」として「測定対象労働者の名前を除いた資料全体を公開せよ」と判決した。
(引用ここまで)

 これまでほとんど秘められてきたサムスン電子の半導体工場における半導体洗浄剤による白血病罹患が明らかにされようとしていますね。
 ムン・ジェイン政権であればこそ、という明の部分なのですが。
 サムスン電子本社の傍らで、セウォル号遺族会と同じように怪人像と共に座り込みを続けている遺族は果たしてこれで満足するのでしょうかね?


 これ、政権によるサムスン財閥叩きの一環なのでしょう。
 「経営上の秘密」であるとされて公開されずにいた資料が公開されるようになる。労災認定がされやすくなり、叩きやすくなるということです。
 かつての政権ではサムスン財閥は難攻不落のアンタッチャブルだったのですが、ムン・ジェイン政権では公取委員長に「サムスンハンター」と呼ばれる人物を登用するなど対決姿勢を見せています。

 サムスン電子の副会長であるイ・ジェヨンは「物証はないが心証では有罪」という地裁のトンデモ判決があって収監されていましたが、今月頭にあった高裁の執行猶予判決で1年ぶりに解放されています。
 これに対する怨嗟の声はとんでもないものでした。NAVERニュースの速報へのコメントが2万件を超えていましたね。
 案の定、執行猶予判決を出した裁判官に対して「こいつを叩け!」という韓国ネチズンの声が挙がり、またもや多くのプライバシーが晒されています。
 その後のロッテ会長であるシン・ドンビン(重光昭夫)への実刑判決(および即時収監)はそのバランスをとるためではないかと思われるほど。

 ムン・ジェインの大統領就任から9ヶ月ちょっと。
 韓国社会が変わったかと聞かれれば「最低賃金は上がりましたね」というくらいのもので、実際にはなにも変わっていない。堤川のビル火災密陽の病院火災を見ても社会構造はミリほども動いていない。
 ムン・ジェイン政権に期待されていたのは「偉大な韓民族にふさわしい社会」を描くことだったのですが、やっていることは「積弊清算」という名目で旧政権を叩くといういままでの政権と同じことだけ。

 「こんなはずじゃなかった」という支持者から挙がるであろう不満を、財閥叩きでなだめようとするでしょう。
 大企業を叩いたオチとしては海外脱出を加速させるというものになると思いますけどね。まあ、ある意味で平等が達成される社会になる可能性は高まっているんじゃないかな。

中国人が選ぶブランドパワートップ30に日本企業は3社、「中国で人気」のはずの韓国企業は……?

看懂2018年的中国消费者:全球品牌中国影响力指数首发(腾讯科技・中国語)

 昨日、ちらっと書いた中国消費者のブランドパワートップ30。
 スマホ、ネット企業、大衆自動車、高級自動車、銀行、不動産チェーン、レストランチェーンでそれぞれ中国の消費者にとって高いブランド力を持っている企業をピックアップした中国の腾讯(テンセント)傘下のペンギンインテリジェンスによる格付けです。
 まずはざくっとベスト30行ってみましょうか。

 1.腾讯 *1
 2.アップル
 3.ファーウェイ
 4.アリババ
 5.ケンタッキーフライドチキン
 6.シャオミ
 7.バイドゥ
 8.フォルクスワーゲン
 9.海底撈 *2
10.メルセデスベンツ
11.マクドナルド
12.万科地産 *3
13.BMW
14.アウディ
15.ピザハット
16.スターバックス
17.ポルシェ
18.京東 *1
19.恒大地産 *3
20.ボルボ
21.レクサス
22.リンカーン
23.キャデラック
24.ベントレー
25.トヨタ
26.カントリーガーデン *3
27.ランドローバー
28.ホンダ
29.全聚徳 *2
30.保利地産 *3

*1 ネット企業 *2 チェーンレストラン。火鍋と北京ダック。日本に支店あり *3 不動産業

 「ブランドパワー」の調査に不動産業と銀行が入ってくるのが中国の現状を表していますね。
 韓国企業はサムスンが唯一スマホ部門4位に入っています。ざっくり総合では32〜33位といったところ。
 その他の日本企業は大衆自動車でマツダと日産がランクイン。

 ヒュンダイはそこそこ売れてはいます。THAAD騒ぎもあって、28%減とかなり販売台数は下がってはいますが。それでも82万台は売れているのです。
 だけども中国人にとって「ブランドではない」ということでしょうね。
 ちなみにヒュンダイはアメリカでの販売台数でも11%減。どこか根本的な問題があるのでしょう。

ただいま63%オフ。
中国 目覚めた民衆―習近平体制と日中関係のゆくえ (NHK出版新書)
興梠 一郎
NHK出版
2013/1/10

サムスン電子のCMに富士山を使われるとむかついても、ASUSが使うとそんなことがない件

 AsusのZenfone3 Zoomという機種がありまして。
 日本だとZenfone Zoom Sという機種名です。デュアルレンズで、片方は光学2.3倍ズームレンズを搭載しているということから、カメラ機能に注力されているモデルであることが分かります。インカメも1300万画素。
 日本ではSIMフリーで販売されていて5万円ちょっとと、それなりの高級機扱い。

 台湾でのASUSダイレクトショップがあって、桜と富士山を使ったプロモーションがされています。

zenfone3zoom

 YouTubeでも動画がアップされています。台湾の著名なカメラマンが使った……というような筋書きっぽいですね。


 ふとサムスン電子が富士山(によく似た独立峰)をCMに使っているのを思い出したのですが、あのときみたいな不快感がないのです。

 台湾の会社だからかとも思ったのですが、それも違う。
 サムスン電子のアレは「信頼の置ける日本のものですよ」と消費者を騙しにかかっていたのに比べて、Zenfone3 Zoomのこれは「美しい桜や富士山をこの機種で撮ればさらに美しく撮れますよ」というものだからなのではないかと。
 尊重されているのが理解できるからではないかなと思い当たりました。

 韓国人の日本への対応はリスペクトに欠けるのですよね。
 一事が万事。
 まあ、欠けているリスペクトは日本人へのそれだけではありませんが。

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ASUSTek
2017/6/19

「物証はないが心証で有罪」は韓国の上級審でも通用するのか? → 国民情緒法があるかぎり、事態は変わらない

サムスン副会長懲役5年、韓国法曹界が見た判決の意味(中央日報)
法曹界内外で最も多く取り上げられているのは「暗黙的請託」を認めるかどうかだ。1審裁判所はサムスンの乗馬支援を朴前大統領に対する賄賂だと判断した。すなわち、サムスン側が明らかに請託はしていないが、暗黙的に継承作業に関し請託したその代価として支援が行われたという判断だ。だが、明確な請託がない状況で情況証拠だけで賄賂のやりとりがあったとみるには無理があるという指摘が出ている。検察官出身のあるロースクールの教授は「具体的な請託はなかったが、一種の禅問答を通じて両側が望むところを実現したと見るのは作為的だ。控訴審でも再び論争になるだろう」と指摘した。

「消極的な賄賂提供」の判断も控訴審で扱われるものと見られる。裁判所は李副会長などに対する有利な量刑要素として「大統領の要求を簡単に断ったり、無視したりすることは難しかったと見られる点」を取り上げた。ある判事出身弁護士は「大統領の要求を無視できず従った点を認めながらも、賄賂供与と見た部分は問題になる可能性がある」と話した。
(引用ここまで)

 「もっと重罰を科すべきだった」という国民情緒法の人々に比べて、法曹界からはあるていどまともな声が上がっているってところですかね。
 ただまあ、こんな原則論も当事者じゃないから言える(書ける)わけですよ。

 たとえば今回の裁判で無罪判決、あるいはそれに近しい判決(執行猶予等)であれば、抗議のデモが起きたでしょう。
 それも相当に激しいそれが。
 判事の家族構成や自宅住所といったプライバシーはすべて暴かれ、私生活は破壊されていたでしょうね。
 実際に検察からの逮捕状請求を棄却した裁判官はそんな目に遭ってます

 国民情緒法に反したら、あるいは「ろうそく革命」に対して反革命分子として認定されたら、人生は終わりなのですよ。
 そんなリスクを背負ってまで、「黙示的請託」を否定し、贈賄がなかったという事実認定ができる裁判官が存在するのかどうか。
 楽韓Webでは事前から「イ・ジェヨンは国民感情的にも、ムン・ジェイン政権の成り立ちからも有罪にならざるを得ない」と語ってきましたが。

 まあ、現実にそうなってみるとそれはそれでがっくりきますね。
 こんな国を相手に正論を語らなくてはいけないのですから。

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