楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

ジョン・ボルトン

 相互RSS募集中です

米朝共同声明に中身がなかったのは、来週からの交渉が本番であるためか。交渉にはポンペオ長官、ボルトン補佐官らが参加する模様

米朝共同声明はスカスカ、あえて詳細決めない戦略か 上智大・前嶋和弘教授(産経新聞)
 非核化、体制保証、拉致問題の観点から今回の米朝首脳による共同声明をみると、中身がすかすかだ。会談後のトランプ米大統領の記者会見を聞いても曖昧な点が多い。1992年の非核化をめぐる南北共同宣言や2005年の6カ国協議の共同声明と比べても明らかに内容が弱い。

 ただ、最近まで戦争が始まってもおかしくないほどの緊張状態にあった米朝関係を考えると、両首脳が会談したこと自体が信頼醸成の場として意味があった。詳細を決めると物事が進まないので、大枠だけを作り詳細はあえて決めない戦略がトランプ流だったのではないか。しかし、会談が一度きりで終わってしまっては評価は低くなる。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)のうち共同声明で抜け落ちた、「検証可能で(V)不可逆的な(I)」非核化を実現するには、複数回にわたり高官級協議などを続けることが重要だ。
(引用ここまで)

 楽韓Webが主張している話と同じ視点の見方もこうしてありますよ、というご紹介。
 あそこまで米朝首脳会談の共同声明の中身がすかすかであった以上、首脳会談をやったという形だけが大事にされたということであり、非核化の中身についてはこれからの交渉で行われるということなのでしょう。
 追加協議についてはポンペオ国務長官がボルトン補佐官らを伴って行われるとトランプ大統領も言明しています。
 当日のシンガポールでの記者会見の様子はこんな感じでした。
Press Conference by President Trump(WHITE HOUSE)
Q I just wanted to find out. You described this as a process. What is the immediate next step? Is there some ongoing dialogue —

THE PRESIDENT: Yes. We’re getting together next week to go into the details.

Q And that’s (inaudible)?

THE PRESIDENT: Secretary Pompeo. Yeah. Next week, with John Bolton and our entire team, to go over the details and to get this stuff done. We want to get it done; he wants to get it done. We’re also working very much with South Korea. We’re working with Japan. We’re working with China, to a lesser extent, but we’re working with China.

Q ひとつ明確にしておきたいのですが。「これはプロセスである」と言われました。では、次の段階はどのようなものになるのでしょうか。なんらかの話し合いが継続されると ──
大統領:そうだ。我々は詳細を話し合うために来週から集まるだろう。

Q それは(聞き取れず。訳注「誰が行うのか、という感じ」)
大統領:ポンペオ国務長官だ。そう、来週にでもボルトン補佐官や我々のチームは詳細を話し合う。我々はことを為したいし、彼もそうだ。韓国と共に動き、日本とも動き、中国とも動く。より小さなものとはなるだろうが、中国と共に動くのは間違いない。
(引用ここまで)

 とまあ、後続の交渉についてはポンペオ長官やボルトン補佐官を中心にしたチームが当たると明言しています。
 来週、つまり月曜日以降の交渉がどのようなものになるか。
 ポンペオ長官は「共同声明に『検証可能』も『不可逆』も込められている」と言っていましたが、果たしてその解釈を北朝鮮に押しつけることは可能なのか。
 反対された場合にはどうなるのか。同じ記者会見で「制裁は非核化が完了するまで継続する」と述べていましたし。
 延長戦……というよりはむしろこれからが試合本番ですかね。

 ちなみに中国やロシアが独自に対北朝鮮の経済制裁解除に動こうとしたら、アメリカの施しているセカンダリーボイコットにがっつりハマって大騒ぎになるでしょう。
 それはそれでちょっと見てみたい風景ではありますけども。

ポンペオ国務長官、前日にも「アメリカが受容するのはCVIDのみ」と発言。さらに明日の拡大会談にはボルトン補佐官も出席との情報

ポンペオ氏 CVIDのみ受け入れ可能=朝米会談(聯合ニュース)
朝米会談直前に4時間半の実務協議 CVIDの明記巡り攻防か(聯合ニュース)
トランプ米大統領に同行してシンガポールを訪問中のポンペオ米国務長官は11日、翌日に迫った朝米(米朝)首脳会談について、「北朝鮮との対話が非常に早く進展している」とした上で、米国が受け入れられる唯一の結果は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)と述べた。
(引用ここまで)
史上初の朝米(米朝)首脳会談を翌日に控えた11日、会談が開かれるシンガポールで米国のソン・キム駐フィリピン大使(元駐韓大使)と北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が午前と午後に合計4時間30分にわたる実務協議を行った。 (中略)

 トランプ大統領に同行してシンガポールを訪問中のポンペオ国務長官がこの日行った会見で米国が受け入れられる唯一の結果は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)と述べたことから、両国は合意文にCVIDを明記するか否かで激しい攻防を繰り広げているものとみられる。
(引用ここまで)

 前日になってもまだ実務協議で4時間半。さらに夕食を摂ったあとも協議が続けられるのではないかという話。
 通常、首脳会談は実務協議ですべての物事が決定し、実際の首脳会談は象徴的なものとしてだけ行われます。
 でもまぁ……今回は「ドナルド・トランプ対キム・ジョンウン 新加坡の大決戦」ですからねぇ。いくらでもちゃぶ台返しがありそうではあります。

 さて、その一方でポンペイオ国務長官は前日にも再度「アメリカが受け入れることができる唯一の結果は、『完全で検証可能かつ不可逆な非核化』である」と発言。
 CVID堅持で曲がりませんね。
 非核化そのものにはあるていど時間がかかるにしても、「先に非核化、援助があるとしたらそれから」という形を譲るつもりはなさそうです。

 で、会談は1日のみ。最初は通訳だけをはさんだ単独会談。ついで閣僚の加わった拡大会談。最後に昼食会も行われるとのこと。

ホワイトハウス 「米朝会談12日のみ開催…単独→拡大→業務の昼食会」(聯合ニュース)

 拡大会談にはポンペイオ国務長官、ジョン・ケリー首席補佐官、そしてボルトン補佐官が同席するんですって。
 段階的非核化は認めない上に、ボルトンは拡大会談に参加する。
 まあ……そういうことですよ。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:米朝会談 失敗の歴史」〈2018年6月19日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2018/6/12

韓国メディア「ボルトンは北朝鮮を怒らせたのでシンガポールに帯同しない」 → 嘘でした

トランプの激怒... 「ボルトン、北米サミット行けない」(チャンネルA・朝鮮語)
John Bolton will travel to Singapore for Trump-Kim summit(The Hill・英語)
対北朝鮮強硬派のジョン・ボルトンホワイトハウス安保補佐官が、北米サミットに参加しないことが有力とチャンネルAが取材しました。
トランプ大統領が突然、北朝鮮に柔らかくなったものと無関係ではないという分析です。
どのような事情があったのか金正眼記者が報道します。

ホワイトハウスの事情に精通した外交消息筋は、北朝鮮強硬派であるボルトン大統領国家安保補佐官が来週、シンガポールに行かないことを確認した。
消息筋は「ボルトン補佐官は、シンガポール首脳会談に出席しない」とし「彼はトランプ政権の北朝鮮政策を含む外交安保政策に批判的な立場を堅持している」と伝えました。
対北朝鮮強硬派のボルトン補佐官が、現在の対北朝鮮政策調整の過程で排除されていることを意味します。
(引用ここまで)
国家安保補佐官のジョン・ボルトンは彼が対北外交から阻害されているとの報道があったものの、トランプ政権の一員としてシンガポールの米朝首脳会談に向かうことが確認された。

「ボルトン補佐官はシンガポールに赴く。会談の一員として」とケリーアン・コンウェイはクリスチャン・サイエンス・モニター紙主催の朝食会で述べた。
(引用ここまで)

 なぜか韓国メディアであるチャンネルAから「ボルトン補佐官はシンガポールに帯同しないことが確認された」というレポートがありまして。
 それ以前にCNNが「米朝首脳会談からボルトンは取り除かれつつある」という記事があったこともあるのでしょう。

Bolton sidelined as Trump readies for North Korea(CNN・英語)

 キム・ヨンチョルがホワイトハウスに来た際に、ボルトンが同席を許されなかった。なぜならリビア方式を提言して北朝鮮の激怒を買ったからだ。ボルトンはトランプへの影響力を失いつつあるというような論調でした。
 で、これを受けたのがチャンネルAで、さらに踏み込んで「強硬派のボルトンはシンガポールに帯同しない」と書いたわけですね。
 昨日の夜にこの記事が出て「え、アメリカでもこんな記事出てないよな」といろいろと検索しているうちに38ノースのミサイル実験施設解体の話題が入ってきてそれを扱ったのですが。

 その数時間後に出たのがThe Hillの報道で、こちらには「確かにキム・ヨンチョルと同席しなかったが彼には他の用事があったからに過ぎにない」「シンガポールには当然、政権の一員として帯同する」との報道が出てしまうという。
 別にチャンネルAの報道を受けての話ではないと思うのですが。
 オチとしてはなかなか面白い感じのものになったかな、というところです。

 米朝首脳会談を来週に控えていろいろとまあ、情報が錯綜しているのは間違いないという感じですかね。
 韓国の「ホワイトハウスの事情に精通した外交消息筋」っていうのがどのていどのものなのか、お里が知れてしまったというか。
 CNNや韓国としては強硬派のボルトンを排除したいのだな、ということが見えてくる結果でしたね。

「我々の求める非核化はリビア方式ではない、トランプ方式だ」とするアメリカ……CVIDを求めるトランプ方式≒リビア方式に見えるのですが、それは

ホワイトハウス「非核化、リビア式ではなくトランプ式でいく」(中央日報)
トランプ氏「正恩氏を保護する…リビアモデル適用しない」(中央日報)
非核化の道に順調に入るかのようだった北朝鮮が16日、米国にリビア式の一方的核廃棄の強要は受け入れられないと反発し、韓国には韓米合同軍事演習を問題にした。ホワイトハウスはこれについて「リビア式モデルは使っていない」というメッセージを北朝鮮に出した。 (中略)

これに対してサラ・ハッカビー・サンダース報道官は16日(現地時間)、「リビアモデルは我々が採用中のモデルではない」としながら「(私たちが進めているのは)トランプモデルだ」と述べた。ボルトン補佐官が既に言及した非核化方式を異なるものになる可能性があることを示唆した発言だとみられる。ボルトン補佐官はこれに先立ち、FOX(フォックス)ニュースに出演して「米朝首脳会談の成功は依然として希望的」としながら「大変な交渉になるだろうと考えて準備してきた」と述べた。また「もし会談が開催されないなら、我々は最大の圧迫戦略を継続していく」と付け加えた。
(引用ここまで・太字引用者)
トランプ大統領はこの日午後、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長の訪問を受けた席で「リビアで我々はその国を破壊した。カダフィとは守る合意がなかった」としながら「リビアモデルは(北朝鮮とは)ずいぶん違うモデル」と明らかにした。あわせてトランプ大統領は「もし(非核化)合意に至ることができなければ、その(リビア)モデルが発生するだろう」と付け加えた。

トランプ大統領はまた「米国が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に安全保障を提供するか」という質問に「喜んで多くのものを提供しようと思う。正恩氏は保護を受けるだろう。正恩氏ができる最善の方法は合意することだ」と強調した。

トランプ大統領は、現在の時点で米朝首脳会談に関連して北側から聞いたものはないとしながら「その会談が開かれるなら開かれるだろうし、開かれなければ次の段階に移る」と述べた。
(引用ここまで・太字引用者)

 北朝鮮に課す非核化はリビア方式ではなく、トランプ方式だ……と言われたところで、トランプ方式とやらがどんな方式なのかさっぱり分からないので意味がないのですが。
 完全かつ検証可能で不可逆的なCVID、もしくは永久的かつ検証可能で不可逆的なPVID。
 どちらになるとは分かりませんが、どちらにしたってアメリカが求めるレベルの非核化を実現するのであれば、ボルトン大統領補佐官が言及したようにリビア方式か近似したものにならざるを得ない。
 ロールモデルとしてリビア方式しかないわけですしね。

 施設を完全に公開し、弾頭をすべて取り上げ、IAEAが求める査察を行わなければアメリカは納得しないことでしょう。
 その一方でここ数日の感触としては北朝鮮は核凍結でなあなあに済ませたいというのが実際。
 北朝鮮としてはいくつかの核弾頭を持っていかれても、なんとか核戦力は保持できるレベルに収めたい。
 そもそも非核化なんてするつもりゼロでしょうからね。

 米朝首脳会談まで1ヶ月を切った時点ですが、北朝鮮とアメリカ間の齟齬はかなり大きなものになりつつある。
 というか。
 そもそも齟齬を来していたものを、ムン・ジェインが無理矢理まとめようとしていたのではないかとの疑惑が出てきてもおかしくない。
 日朝貿易を必要としていた対馬藩が、朝鮮通信使を出してもらうために李氏朝鮮と江戸幕府の両方に偽造文書を出していたという柳川一件を思い起こさずにはいられません。
 南北首脳会談でムン・ジェインが「段階的な非核化で、その都度に経済協力を与える」とか言及したって話が出てきてもなんの不思議もありませんね。

 太字部分を見ても分かるようにアメリカは会談が行われなかったあとのことも考えている。
 それが制裁の強化なのか、開戦なのかはまだ分かりませんが。
 ここまで北朝鮮を引きずり出してきた時点で、もう8割方が終わっているように思いますね。

「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命 (角川oneテーマ21)
重信 メイ
KADOKAWA / 角川書店
2014/8/10

アメリカが北朝鮮に求める「非核化」の形が見えてきた……これ無理じゃない?

ボルトン米補佐官「北朝鮮の核、全て米国に運搬して廃棄」(朝鮮日報)
 ボルトン補佐官は同日、米国のABC、CNNテレビとのインタビューで「恒久的な非核化(PVID)とはどんなものか」との質問に対し「全ての核兵器を除去・廃棄し、米国に搬入すること」として「(PVIDは)保障という恩恵が北朝鮮に流れ込む前に実現しなければならない」と述べた。さらに「非核化の手続きは完全に進行しなければならず、それは不可逆的なものだ」と主張した。オークリッジ国立研究所は第2次世界大戦当時、原子爆弾の製造を主導していた機関で、リビアで廃棄した核物質と装備を保管している。米国が北朝鮮の核兵器処理の場所について言及したのはこれが初めてだ。

 ボルトン補佐官はまた「非核化とは単に核兵器だけを意味するわけではなく、北朝鮮か過去に何度も同意してきたウラン濃縮とプルトニウム再処理能力の放棄も意味する」として「弾道ミサイル問題も交渉の議題に入っているし、化学・生物兵器についても考えなければならない」と述べた。非核化の概念について、核の原料、製造手段の廃棄だけでなく、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や生物・化学兵器など大量破壊兵器(WMD)全般の廃棄まで範囲を広げたわけだ。

 ボルトン補佐官は「北朝鮮は(核・ミサイル)施設の位置を全て公開し、開放的な視察を認めなければならないだろう」として「われわれは、これを非常に早く実施することを願う」と述べた。さらに、北朝鮮の核廃棄と検証の過程で「国際原子力機関(IAEA)が役割を果たすだろう」としながらも「実際の核兵器の解体は米国が実施するもので、恐らくほかの国々の支援を受けるだろう」と述べた。ボルトン補佐官はまた、米朝首脳会談で「(北朝鮮による)韓国人と日本人の拉致被害者問題についても取り上げる予定だ」と述べた。
(引用ここまで)

 アメリカの求める北朝鮮の非核化について、だんだんと概要が見えてきましたね。
 ジョン・ボルトン補佐官は南北首脳会談の直後にも「リビア方式でなければ意味がない」という発言をしています。
 今回はその具体的な方法についての言及。
 いつ、どこで、誰が、なにを、なぜ、どのようにしての5W1Hは以下のようになっています。

・いつ=可及的に速やかに。数ヶ月から2年以内(トランプの任期中)。
・どこで=北朝鮮の核・ミサイル施設すべてを公開し、弾頭をテネシー州オークリッジに運ぶ。
・誰が=アメリカが実施し、検証はIAEAが行う。他の国も支援をする。
・なにを=すべての核弾頭、ミサイル、生物・化学兵器。および核関連技術者・研究者
・なぜ=国連安保理決議の実行。
・どのようにして=リビア方式。

 ……これ、北朝鮮は飲めないでしょ。どう考えても。
 でも、アメリカはこれを「最低限」として要求するわけで。
 さて、どうなるんでしょうかね。

あとでちらっとレビューする予定。
週刊ニューズウィーク日本版 「特集:統一朝鮮 本当のリスク」〈2018年5月22日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2018/5/15

北朝鮮に対して超強硬派であるジョン・ボルトン氏が大統領補佐官に就任した意味とは……

米「恫喝外交」助長の懸念 大統領補佐官にボルトン氏 (日経新聞)
ボルトン氏の世界観:イランは爆撃せよ、北朝鮮先制攻撃は完全に正当(ブルームバーグ)
【社説】ボルトン氏とポンペオ氏の登場が意味するもの(朝鮮日報)
 米国のトランプ大統領は22日、ホワイトハウスのマクマスター国家安全保障補佐官を解任し、後任にボルトン元国連駐在大使を任命した。ボルトン氏はブッシュ政権時代に強硬タカ派の外交政策を推し進めたネオコン(新保守主義)の代表的な人物として知られる。トランプ大統領とも政権発足直後から定期的に意見を交換してきたボルトン氏は、つい先日メディアとのインタビューで「トランプ大統領は米朝首脳会談によって北朝鮮が時間稼ぎをしていると判断すれば、即座に会談の席を後にするだろう」と発言している。

 トランプ大統領は先週も新しい国務長官に米中央情報局(CIA)のポンペオ長官を任命したことから、今回のボルトン氏の起用で5月に予想される米朝首脳会談の準備チームが整えられる形となった。ポンペオ氏とボルトン氏はいずれも「北朝鮮が対話によって核廃棄に応じる可能性は低い」という共通の考えを持っている。また北朝鮮の核問題を解決するには最悪の場合、軍事オプションを選択すべきともこれまで何度も主張してきた。 (中略)

 韓国政府はトランプ大統領が米朝首脳会談を快く受け入れた直後から、米国の外交・安全保障政策担当者が北朝鮮に対する強硬・原則主義者たちに次々と交代している意味を正確に理解しなければならないし、また北朝鮮にも米国の雰囲気を伝えねばならないだろう。金正恩氏は最近になってあまり表だった動きを示していないが、おそらく米国に伝える提案の内容について検討を行っているのだろう。しかし金正恩氏もポンペオ氏とボルトン氏の登場でこれまでのような局面転換用の遅延戦術が通用しなくなった事実を悟らねばならず、もし核廃棄を決意したのであれば、より明確にその意向を伝え、取引に応じるべきだ。
(引用ここまで)

 引用したのは朝鮮日報の記事だけですが、まあざっくりと3本読んでもらえればジョン・ボルトン氏という人物の人となりが分かってもらえるのではないかと思います。
 ウォールストリートジャーナルに寄稿した本人によるコラムを読んでもらえればより分かりやすいのですが、有料記事なので。

 ティラーソン国務長官の解任だけであれば、まだまだなんとも言えない部分があったのですよ。
 後任となるポンペオCIA長官は「北朝鮮のICBMの完成まであと3ヶ月」というレポートを上げていたとしても、まだマティス国防長官−マクマスター補佐官というラインがあってそれを突破するのは難しいかな……と考えていました。
 ところが国家安全保障担当大統領補佐官であるマクマスター氏まで解任され、その後任がジョン・ボルトン氏。
 逆にポンペオ−ボルトンというラインが形成されてしまったわけです。
 マティス国防長官が孤立する形になってしまったのですね。

 ちなみに「CIAはICBM関係までにあと3ヶ月しか残されていないと警告している」という話をイギリスの国会議員にしていたとされる人物こそが、ジョン・ボルトンだったのです。

 米朝首脳会談に対して、どのようにしてトランプ政権が立ち向かうかということがよく分かる選択肢です。
 以前から「米朝会談は0か100を迫るものになり、外交ではない」という話をしてきましたが。
 その傾向がより鮮明になり、非核化・核拡散防止の立場を採るのではないかということになってきました。
 さて、米朝首脳会談前に南北首脳会談を行うムン・ジェインはこの状況をキム・ジョンウンに伝えることができるでしょうかね。
 「外交天才」「外交大統領」のお手並み拝見ってところです。

在韓米軍が「対北朝鮮戦を想定」して大規模退避訓練を発表、同時に超強硬派のジョン・ボルトンの大統領補佐官就任……このふたつが示す未来とは?

在韓米軍が核戦争を想定した初の大規模退避訓練──連れて行ってもらえるのは誰?(ニューズウィーク)
ピョンチャン(平昌)五輪の開催で延期されていた米韓合同軍事演習は、4月1日から実施されることが決まった。米軍はこの演習に合わせて、アメリカ市民の韓国からの退避を想定した大規模な訓練を行う。軍事演習によって、一時収まっていた米朝間の緊張が再び高まることも予想される。

米軍機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」によると、今回の演習は、核武装した北朝鮮との間に戦争が勃発し、アメリカ市民20万人以上を避難させるという想定。ボランティアの参加者100人を実際にアメリカ本土まで移送する訓練は初めてになる。

この訓練は「フォーカスト・パッセージ」と呼ばれ、米韓両軍が4月1日から開始する野外機動訓練「フォール・イーグル」、指揮系統訓練「キー・リゾルブ」に続いて、4月16〜20日の期間で実施される。

ピョンチャン五輪開催以降、米朝間の緊張は一時収まっていたが、今回の軍事訓練は、朝鮮半島が今も戦争の影に覆われていることをあらためて示した。米太平洋軍のクリストファー・ガーバー大佐は2月、朝鮮半島情勢は新たにより緊張した局面に入り、民間人を安全に帰国させる新たな手段が必要だ、と語っていた。

「機密事項の詳細は明かせないが、有事の際の危険の範囲、規模は拡大しているし、軍事作戦自体も刻々と進化している。非戦闘員の退避計画はそれに適応させる必要がある」と、ガーバーはハワイの地元紙の取材に答えている。

米海軍によると、非戦闘員の退避作戦の対象になるのはアメリカ国籍の「米政府機関の職員とその家族、非戦闘員として避難を指定された米軍軍人、そして軍人の家族」。

またアメリカ以外の国籍の市民で、「当該国(韓国)に居住する米政府機関職員のうち避難する意志がある者、民間米国人の家族、米軍軍人と軍関係者の家族、さらに上記に指定された者の家族」も対象となる。
(引用ここまで)

 これまで在韓米軍の家族、および民間人の韓国からの避難訓練というものは定期的に行われてきました。
 去年の6月にも行われています。

 韓国メディア「在韓アメリカ人にも特別な動きはない、日本政府は騒ぎすぎだ! ブーメランが刺さるぞ」 → 在韓米軍、6月に民間人避難訓練へ

 ただし、これまでの訓練内容は「韓国から在日米軍基地」への避難というものでした。
 一時的な避難、という側面が大きいものでしたね。

 今回の訓練は「アメリカ本土への避難」というもの。
 これが韓国で行われるのははじめてとのこと。
 ……これは日本の米軍基地も戦火に巻きこまれる、という想定下での訓練ですね。
 オプションとしてより現実味のあるものになりつつあるのは間違いない。

 そして、国務長官はティラーソンから対北朝鮮強硬派のポンペオになり。
 国家安全保障問題担当の大統領補佐官がマクマスターからジョン・ボルトンになる。
 ジョン・ボルトン氏はウォールストリートジャーナルに「もはや北朝鮮への先制攻撃は正当だ」というコラムを寄稿しているほどの超強硬派。

 北朝鮮はこれら一連の動きをメッセージとして受け取っているでしょうね。
 かなり風雲急を告げてきた、という感じでしょうか。

アメリカが北朝鮮との戦争に向かう4つの理由

Have we got just three months to avert a US attack on North Korea?(The Guardian・英語)
米CIAが警告「北のICBM開発阻止、リミットまで3カ月」(朝鮮日報)
 米コロンビア大学のマーク・セドン客員教授(元国連事務総長スピーチライター)が4日(現地時間)、英ガーディアン紙への寄稿記事で明らかにした。セドン教授によると、先週米国のジョン・ボルトン元国連大使がロンドンを訪れ、英議会下院(庶民院)の議員と対面した。その席でボルトン元国連大使は「CIA首脳部はドナルド・トランプ大統領に、北朝鮮のICBMプログラム開発を中止させられるリミットまで3カ月しか残っていない」と告げたという。またセドン教授は「ボルトン元大使の訪問が公式なものなのか非公式なものなのかは分からないが、彼によると、(CIA首脳部は)3カ月たったら北朝鮮はワシントンDCを含む米国の諸都市を核ミサイルで攻撃できる能力を有するようになるだろう、とトランプ大統領に告げた」と記した。

 さらにセドン教授は「数日前に韓国の板門店を訪れた米国の軍事関係者も、欧州議会の議員に同様の内容を語った」「3カ月という『デッドライン』は(来年3月になったら)先制攻撃(があること)を意味する」と続けた。

 このほか、最近浮上した国務長官の交代説に関して、セドン教授は「強硬派のマイケル・ポンペオCIA長官が国務長官のポストに移ったら、朝米の膠着(こうちゃく)状態は一段と深刻になる」という見方を示した。
(引用ここまで)

 あと3ヶ月。
 つまり、2月末までがタイムリミット。そこまでで外交による交渉が成果を出せなければ、戦争のターン。
 先日書いていた「冬の間が戦争向きである」という話にも通じていますかね。

 ちょっと時期だけにかぎらず「アメリカにとって戦争に向かわなければならない理由」を羅列してみましょうか。

・3月までなら探査の結果を反映しやすい
 赤外線探査で地下施設を発見しやすいこの冬がタイムリミットであって、それを過ぎてしまうと最低でも9ヶ月は待たなければならない。しかも、それまでの情報をすべてとまではいかなくとも、その多くを捨てて再度探査からやり直す必要性がある。
 赤外線による探査だけではなく電力の配分とかもおそらくは監視しているでしょうけども。
 それでもやりやすさ、というものは見逃せないファクター。
 4月の段階から「新月」にこだわりを見せている人が延々といるのと同じことで、「戦争向きな時期」というのはいろいろとあるものなのです。

・核拡散ドミノを防ぎたい
 核拡散のドミノを止めたいというのは本心でしょうね。
 アメリカが保有したのでソ連が。
 ソ連が保有したので中国が。
 中国が保有したのでインドが。
 インドが保有したのでパキスタンが。

 きりがない。
 せっかくイランの核保有を防ぐことができたのに、北朝鮮に持たせたらどこまで核拡散が広がっていくか予想不能。
 なにしろ、世界でも最貧国といって過言でない北朝鮮が核を保有することができたのですから。
 ちょっと頑張って成長を犠牲にすればなんとかなりそうであると他の国も考えることは間違いない。北朝鮮にはノウハウがあるのですしね。
 そして、核保有さえできてしまえば、それをテコにして援助を引き出したりなんだりの交渉材料にできるっていう前例を作ることになってしまう。

「予防的先制攻撃」の欺瞞が顕わになる
 アメリカに対して攻撃的な「ワシントンもニューヨークも火の海になるだろう」といった論調を政府自らが出している国家が、ICBMの完成を待ち、さらに核保有することを見逃すことはできないのです。
 核保有を指をくわえたまま見逃すというのであれば「広島、長崎への攻撃は自国兵士の犠牲を作らないための予防的先制攻撃」であったという建前論が吹き飛ばされる可能性すらある。

・中国のプレゼンス肥大化防止
 このまま「外交による対話路線」で解決した場合、それを主導した中国のプレゼンスが大きくなってしまう。
 6者協議を復活させる?
 そして、核開発「停止」と引き替えに北朝鮮に援助を与える?
 アメリカは北朝鮮のような小国すらコントロールできないという事実が、アメリカの威厳に傷をつけ、同盟国に疑念を抱かせる種となるのです。「戦争が起きた時に、果たしてこの国は我々と共に戦ってくれるのだろうか」と。

 ――と、アメリカが戦争をする理由をピックアップしてみましたが。
 わりと説得力があるのではないかと思います。
 まあ、同じだけアメリカが戦争をしない理由を挙げることもできるでしょうが、それが説得力を持つかなー。
 今度、他のエントリでやってみましょう。

  ……いやはや、米朝合意は禍根だけを残しましたね。20年前に覚悟を決めることさえできれば、今日の脅威はなかったのに。
 結論の先延ばしは厄災以外のなにも招かないのです。
 ビジネスでも政治でも同じですね。

 それとガーディアンが「独立独歩のジャーナリズムのために、記事をオープンにしていたい(有料化したくない)と思うので1ポンドください」って言っているのに驚愕。
 うちが「おひねりくれ!」って言い出してもそれほどおかしくはないって情勢ではあるか……。

ガンダムWと迷ったけどこっちだな。ことここまで至ったら好きか嫌いかじゃないけどね……。
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