楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

パク・クネ

 相互RSS募集中です

パク・クネが報道陣の殺到する裁判所の玄関から入らざるを得なかった理由とは……

国政介入:朴槿恵前大統領を逮捕(朝鮮日報)
朴槿恵前大統領を逮捕、拘置所に収容 韓国検察(産経新聞)
 ソウル中央地検特別捜査本部は31日、在任中に総額433億ウォン(約43億円)の賄賂を受け取った疑いなどで朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領(65)を逮捕した。

 ソウル中央地裁は30日午前10時半から午後7時すぎまで9時間近くにわたり逮捕状交付の是非をめぐる審査を行い、31日午前3時3分に逮捕状を交付した。前職の大統領が逮捕されるのは、1995年の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領に続き3人目となる。(中略)

 前職大統領に対する裁判所による礼遇はなかった。朴前大統領は一般の被疑者と同じく、ソウル中央地裁西館の出入り口を通り、法廷がある3階まで階段で上った。検察による聴取時の「大統領」という呼称は裁判所では「被疑者」へと変わった。
(引用ここまで)
 検察によると、朴容疑者は友人で女性実業家の崔順実(チェ・スンシル)被告と共謀し、最大財閥、サムスングループから約298億ウォン(約30億円)の賄賂を受け取った疑い。高額の賄賂犯罪を処罰する特定犯罪加重処罰法上の収賄などの容疑がある。

 また、朴容疑者は同法違反に加え、崔被告が実質支配した財団に対する計約774億ウォンの出資を大企業に強いた職権乱用や強要のほか、大統領府秘書官を通じて機密文書を崔被告に渡した公務上機密漏えいなどの容疑ももたれている。

 サムスンの経営トップである李在鎔(イ・ジェヨン)被告は既に起訴済みで、朴容疑者の起訴は避けられない情勢だ。
(引用ここまで)

 まあ、「やっぱりな」以外の言葉は出てきません。
 昨日は地裁で午前中から長時間の聴取を受けたのですが、パク・クネ側は地裁前の報道陣が集中する場所を避けたいと裁判所に依頼していたのだそうですよ。
 チェ・スンシルがもみくちゃにになって靴が脱げた場所ですね。で、それがプラダ製だったので、なおのこと韓国国民からの怒りを買ったという。
 あとナッツ姫が小声で「申し訳ございません」って言ってたところでもあります。
 いわば、あの裁判所前というのは「罪人が晒し首」になる場所なのですよ。

 地裁に入るのであれば地下駐車場から直接入ることのできるエレベーターもあるので、そちらを使わせてくれという依頼があったとのこと。
 だけども、地裁はそれを却下して「玄関口から入るように」とわざわざ通達したのだそうですよ。
 つまり、「おまえはもはやただの一般の被疑者と同じなのだ」ということを通達したのです。
 というか、そうしないと国民情緒が許さない。
 ヘタに特別扱いでもしようものなら、暴徒と化した国民情緒が裁判所に向かいかねないという危惧からこうしたというのが実際のところなのでしょう。

 実際の審理でも同様の経緯を辿ることになるのでしょうね。
 国民が求める逮捕で、国民が求める起訴をされ、国民が求める有罪になって、国民の求める即時拘束になって、国民の求める収監……。
 そしてその度に「我々はろうそく革命で正義を成し遂げた!」と気持ちよくなるのでしょうよ。

朴槿恵の真実 哀しき反日プリンセス (文春新書)
呉善花
文藝春秋
2015/8/20

パク・クネの逮捕は月末に決定、そしてムン・ジェインは党内予備選を圧勝で勝ち抜ける模様

朴前大統領の逮捕状発付是非 決定は31日未明か(聯合ニュース)
韓国大統領選 最大野党の初の予備選で文氏が圧勝(聯合ニュース)
ソウル中央地裁が収賄などの容疑で逮捕状が請求された朴槿恵(パク・クネ)前大統領の令状審査を30日午前10時半から行うと決めたことにより、朴氏が逮捕されるかどうかは30日深夜から31日未明ごろ決まる見通しになった。

 法曹界などによると、逮捕状発付の是非をめぐる令状審査は容疑者が立ち会って立場を明らかにするが、当事者が外部に露出することを望まないか、裁判所が質問を行う必要がないと判断すれば審査を行わない場合もあり、朴氏が出席するかは不明だ。

 朴氏が審査に出席すれば、弁護士の立ち会いの下、質問を受けることになる。容疑を否認しているだけに、長い時間を要すことが予想される。 (中略)

 記録が膨大な上、容疑が多岐にわたり、検察と弁護団の激しい意見対立が予想されることから裁判長の記録検討には相当な時間がかかる見通しだ。

 李被告の逮捕は審査開始から19時間後の翌日午前5時半ごろ決定した。

 そのため法曹界では31日未明に朴氏逮捕の是非が決定されるとの観測が出ている。
(引用ここまで)
5月9日に実施される韓国大統領選の公認候補選びに向け、最大野党「共に民主党」が27日に全羅道で行った初の地域別の予備選で、文在寅(ムン・ジェイン)前代表が60.2%を得票して圧勝した。

 安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事は20.0%、李在明(イ・ジェミョン)城南市長は19.4%を得票した。
(引用ここまで)

 ふたつの「やっぱりな」、もしくは「知ってた」をお送りします(笑)。
 まず、パク・クネに対して逮捕状請求が行われました。
 パク・クネの逮捕は太極旗デモ=保守派を除いた国民の多くが望むものになっているのですね。
 たとえ罪状が本当に逮捕しなければならないものかどうか怪しくても、検察は逮捕状請求を行い、裁判所はそれを認めなければならない。

 サムスン電子副会長であるイ・ジェヨンに対して逮捕状請求が行われ、裁判所から棄却された際には担当裁判官に対して「あいつの息子はサムスン電子に就職したそうだ」だのなんだののデマが流れました。
 なお、担当裁判官には息子はいなかったというオチ。

 2度目の逮捕状請求では逮捕が認められて、韓国全土が歓声を上げたと言っても過言ではなかった状況になりました。
 ニュースのユーザーコメントでは「裁判官、よくやった!」と喝采されていましたね。
 それとまったく同じ構造がパク・クネへの逮捕状請求でも見えています。
 この逮捕状請求を棄却できるような胆力のある裁判官はいないでしょうね。
 憲法裁判所の判事が8-0というパーフェクトゲームで弾劾を成立させたように、です。

 もうひとつの「やっぱりな」はムン・ジェインの大統領予備選挙の圧勝。
 ムン・ジェインは得票率60%オーバー。保守派の指示を集めているアン・ヒジョンは20.0%。「日本は敵性国」発言で知られるイ・ジェミョンは19.4%。
 まあ、予備選挙は党内選挙ですからね。こうなって当然。
 よほどなにかイレギュラーな事柄が起きないかぎりは党公認の大統領候補となり、5月9日には大統領に就任し、「新しい韓国」が誕生するでしょう。

 ムン・ジェインの就任で日韓関係の悪化を懸念するニュースが出るでしょうが、その悪化は「良好な悪化」なので心配することもないのですよ。
 そもそも日韓関係が悪化したからってなにが起こるというわけでもなし。

SAPIO (サピオ) 2017年 4月号 [雑誌]
SAPIO編集部
小学館
2017/03/04

パク・クネの罷免で完結したはずのろうそくデモがリブート、「首相辞めろ!」「パク・クネを逮捕しろ!」「時給を1万ウォンにしろ」←え?

ろうそくに再び灯がともる…「セウォル号の真相究明・朴槿恵拘束」(ハンギョレ)
 朴槿恵(パク・クネ)政権退陣のための非常国民行動(退陣行動)は25日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で第21回汎国民行動の日行事を開き、セウォル号惨事の真相究明と責任者処罰をはじめ、THAAD配備の撤回など、朴槿恵)政権政策の撤回と積弊清算を要求することにした。また、朴槿恵前大統領拘束と黄教安(ファン・ギョアン)首相の退陣、ウ・ビョンウ元民政首席や財閥トップなどの処罰も要求する予定だ。

 午後5時、市民の発言台を皮切りに6時に本集会が開かれ、夕方7時30分から首相公館や鐘路(チョンノ)・明洞(ミョンドン)など2つの方面で街頭行進が行われる。それに先立ち、午後2時から光化門広場一帯では民主労総の「最低賃金1万ウォン(約990円)、非正規雇用のない世の中」の行事をはじめ、低成果者退出制度の廃止を要求する公務員労組の集会、双龍自動車労組などの「労働3権保障、損害賠償仮差押の中断、”黄色の封筒法”の立法請願に向けた街頭署名戦」が開かれる。

 朴槿恵退陣光州市民運動本部は同日午後6時、光州(クァンジュ)5・18民主広場(旧全羅南道道庁前)で第20回ろうそく集会を開く。光州市民運動本部は「朴槿恵前大統領の拘束と黄教安権限代行の退陣と共に、セウォル号が完全に引き揚げられことを祈る気持ちを込めて集会を開く予定」だと明らかにした。
(引用ここまで)

 パク・クネの罷免を受けて先々週で終了とされていたろうそくデモが、わずか1週間の休みを経てリブート。
 パク・クネの逮捕、ファン・ギョアンの退陣、最低賃金1万ウォンなんかを要求するそうですよ。
 もはやパク・クネの弾劾運動となんの関係もない。
 単純にデモしたいだけ。

 現状でファン・ギョアンを退陣させたら、おそらく副首相兼企画財政部長官が大統領代行になるはずですが。
 いまでも死ぬほど外交・安保で停滞しているのに、まだ足りないんですかね。
 そういえば野党もファン・ギョアンも弾劾するって言っていました。
 もはや目の前にいるものはすべて斬るみたいな感じですわ。

 「世界に冠たる4大革命」に酔って、万能感に浸っているってところかな。
 絶対の正義と化したろうそくデモによって要求されるものは、すなわち正義。
 正義である自分たちが要求はすべて通す……ああ、それが「ムン・ジェインに政治を任せれば大丈夫」ということか。
 借金してまでデモしてないで、とっとと日常に戻れって話なんですがね。

[まとめ買い] 日常(角川コミックス・エース)
あらゐ けいいち
KADOKAWA / 角川書店

韓国与党の大統領候補も「慰安婦合意なんて破棄してやる!」と叫ぶ。保守も革新も関係ない模様

自由韓国党の大統領選候補「大統領になったら慰安婦合意は破棄する」(中央日報)
自由韓国党の大統領選挙戦に出馬した洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補と正しい政党の金武星(キム・ムソン)議員が最近会合を持ち、保守陣営の候補単一化を話し合ったことが分かった。22日、釜山(プサン)を訪問した洪候補は記者団に対し、先週金議員との会合事実を確認しながら「(金議員に)『時間上、大統領選挙前の党統合は難しくないだろうか。候補は単一化するのが正しい』と話した。執権すれば2党を統合しようと提案した」と明らかにした。当時、金議員は肯定も否定もしないまま特別な発言はしなかったという。 (中略)

この日、釜山市東区(プサンシ・トング)の慰安婦少女像を訪れて献花した洪候補は、朴槿恵(パク・クネ)政府の韓日慰安婦合意について「政府は10億円ではなく10兆円をもらっても合意してはいけない。大統領になったら慰安婦合意は破棄する」と述べた。洪候補は「慰安婦問題はナチのユダヤ人虐殺に匹敵するほどの反倫理的犯罪」とし「そのような犯罪は合意の対象ではなく、それを金で取り引きするというのは外交ではなく闇取引に過ぎない」と主張した。
(引用ここまで・太字引用者)

 またひとり、大統領候補が釜山の慰安婦像の元で候補として立つことの赦しを得てきた……ということですか。

 さて、記事中の正しい政党は旧セヌリ党非パク派がセヌリ党から分離してできた新政党。
 自由韓国党は残された旧セヌリ党が改名した政党です。両方とも保守として挙げられる政党ですね。
 今回の記事の候補は自由韓国党からの候補予定者。
 与党である保守政党からの候補であってですら、こうして「10兆円もらったとしても慰安婦合意は破棄する」と言っているわけですね。

 現在の与党なのにパク・クネの政策を引き継がないのかって思うでしょうが、これも当然のことなのです。
 同一政党だったイ・ミョンバクからパク・クネが政権を継いだ際にも、4大河川事業資源外交といったイ・ミョンバク政権色の強い政策はすべて否定しています。
 そもそもが大統領選挙の時点で「わたしはイ・ミョンバクとは違う」ということを主張していました。
 韓国の政権交代はたとえ同一政党間であっても易姓革命の性格を強く持っているのですね。

 通常時ですらそうやって前政権の政策を叩きつぶす方向性であるのに、今回はさらに前政権が弾劾されているというおまけつきです。
 そりゃ、すべてを否定されるに決まっています。
 そこに加えて現在の韓国において最高権威者となっている「慰安婦」に関しての案件。
 どの政党からであろうとも否定されて当然というべきでしょう。


 ただ、今回の大統領選挙にかんしてえはなにをどうひっくり返そうとも保守政党が大統領を出すなんてことはありえないので、この人物の言っていることなんてなにひとつ考慮に入れなくても構わないのですが。

慰安婦問題の決算 現代史の深淵
秦郁彦
PHP研究所
2016/5/20

韓国人「パク・クネの揮毫が入った碑がある! 撤去するぞ!」と大合唱……恥ずかしい歴史は塗りつぶそう!

【取材日記】朴前大統領の足跡だから無条件に消す?(中央日報)
罷免された朴槿恵(パク・クネ)前大統領の親筆揮毫石碑をめぐり世宗(セジョン)特別自治市周辺では論争が起きている。石碑は2015年7月と2016年1月、それぞれ世宗市庁舎と大統領記録館(世宗市所在)に設置された。

世宗市民は「憲法をじゅうりんした朴前大統領の石碑をそのまま置くこと自体が市民を冒とくすることだ」とし「恥ずかしい歴史の跡は消さなければいけない」と主張する。

罷免の前にも朴前大統領と関係があるものを消そうという動きはあった。昨年12月には慶尚北道亀尾(クミ)にある朴正熙(パク・ジョンヒ)前大統領の生家が放火にあった。朴前大統領の蔚山大王岩(デワンアム)公園訪問(昨年7月)を記念して設置された案内板の朴前大統領の写真を誰かが毀損すると、蔚山東区は案内板を撤去した。

功過論争がある政治家の足跡を消す事例は海外にもある。昨年1月に中国河南省開封で毛沢東の銅像が完工を控えて撤去された。毛沢東が発動した「大躍進運動」の最大被害地域が河南省だったという理由のためだった。

しかし恥ずかしい歴史という理由でなくすべきかどうかは冷静に考えてみる必要がある。ソウル鍾路区橋北洞(キョブクドン)の独立門に刻まれた「独立門」の文字は親日派の李完用(イ・ワンヨン)の親筆だ。ソウル松坡区(ソンパグ)にある三田渡碑(史跡101号)は丙子胡乱当時に仁祖が南漢山城(ナムハンサンソン)で降伏したことを記念するために清の太宗が設置した石碑だ。恥ずかしい過去を消すのなら、こういうものからなくさなければいけない。 (中略)

行政首都の移転と世宗市誕生の過程で朴前大統領のポピュリズム的な姿が論議を呼んだりもした。在任の4年間に朴前大統領の不適切な行為が国民の胸に残した傷は到底言い表すことができない。実際、憲法裁判所は10日、「(朴前大統領の)憲法と法律に背く行為は在任期間全般にわたってあった」と指摘した。

だからといって「正しい過去」だけを残して「過ちの過去」を消してもかまわないのだろうか。記録がなければ歴史もなく未来もないだろう。
(引用ここまで)

image

 恥ずかしい歴史は覆い隠そうってことですね。
 パク・クネは多くの韓国国民にとってウリ、もしくはウリの象徴ではなくなった。
 ありとあらゆる足跡を削り取り、存在そのものをなかったものにしたい。

 記事中にあるように「パク・クネ大統領がお歩きになった公園」という表記はすでに破棄。朴正熙の生家には放火。パク・クネ本人の生家跡には「ここがパク・クネの生家である」という看板が撤去されて囚人服姿のコラ画像看板が掲示される

 であれば、この揮毫石碑も撤去されるべきだろう、というのは韓国人の考えかたなのでしょう。
 特にその周辺住民にとっては「あっちは撤去されたのに、こっちはそのまま?」という気分にもなりますわな。
 記事中には「三田渡碑も消すつもりか?」みたいに書かれていますが、実際に何度も毀損されているのですよ。碑文ももうあるんだかないんだか分からないレベルで掠れてる。韓国の文化財の扱い方が常にそうだろって話もありますが。

 パク・クネに多少でも関わったものは人物であろうと、こういった物であろうとすべて悪という勢いですねぇ……。

いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編
安藤 達朗 / 佐藤 優 / 山岸 良二
東洋経済新報社
2016/3/30

韓国メディアが「読売新聞の弾劾を否定するような社説は行き過ぎた干渉だ」と書かなくてはいけない理由

[記者手帳]日本マスコミの“度を越した”報道をどう見るべきか(ハンギョレ)
読売新聞、憲法裁判所判決に「国民の声におもねったとすれば行き過ぎだろう」(ハンギョレ)
 10日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免決定に対する日本マスコミの報道態度もこれと似ている。日本の保守を代弁する読売新聞は12日、朴前大統領の罷免を確定した憲法裁判所決定に対して「憲法裁判所が大統領罷免を要求する国民の声におもねって権力を行使したのなら行きすぎだろう」と主張した。それと共に、韓米日3角同盟深化、THAAD配備決定維持、12・28合意尊重を要求した。日本の口に合うように韓国の国家利益を規定した後、干渉して、入れ知恵して、罷免決定が下されると癇癪を起こすような態度だ。

 安倍晋三政権は彼らの支援を背景に韓国の新しい政権が朴槿恵政権の外交・安保政策を修正しようとすれば、多様な報復措置を次々と与えると予想される。日本マスコミの「大陸浪人」のような報道を見て、韓日関係の本質は100余年前と全く変わっていないことを改めて痛感する。
(引用ここまで)
 日本の保守を代弁する読売新聞は12日、朴槿恵大統領の罷免を確定した韓国憲法裁判所の10日の決定に対して「司法の行き過ぎた政治的決定か」というタイトルの特別社説を載せた。社説で同新聞は、憲法裁判所が「朴氏が崔被告の国政介入を隠蔽し、政府から独立して捜査する特別検察官や検察の取り調べに応じなかったとも指摘した。(それにより)朴氏には『憲法を守る意志がない』と結論づけた」として「憲法裁が、大統領罷免を求める国民の声に阿(おもね)って権力を行使したとすれば、行き過ぎだろう」と指摘した。進歩と保守を合わせた8人の韓国の憲法裁判官が下した「全員一致」の決定に対して、外国のマスコミが「国民におもねった政治的決定」ではないかと疑問を提起するのは行き過ぎた干渉と受け止められる。
(引用ここまで)

 ハンギョレは今回の弾劾騒ぎを「世界史的にも類例を探し難い市民革命の貴重な勝利」と位置づけているというエントリを以前に書きましたが。
 その素晴らしい市民革命に読売新聞が文句をつけている、という構図なのですね。

朴大統領罷免 司法の行き過ぎた政治決定か(読売新聞)

 このコラムで「憲法裁判所の判断は国民の声に阿って、法理をねじ曲げた」というようなことが書かれています。
 実際、鈴置氏やシンシアリーさんから同じような声が上がっていますね。
 憲法裁判所は主観だけでパク・クネを裁いたのではないか、と。

 でも、ハンギョレ曰くこのように外国マスコミが「韓国の市民革命」に対して疑義を呈するのは行き過ぎた干渉であると。
 これ、自分たちの業績に文句をつけさせたくないという心理も働いているのでしょうが、それ以上に「韓国人に真実を知らせてはいけない」という焦燥も見て取れますね。
 だからこそ、社説ひとつにこんなに神経を尖らせなくちゃいけないのです。
 そこまできっちりと自分たちの心理を把握しているかはともかく、「これを知らせてはいけない」「否定しておかなければならない」という心理が働いているように見えます。

 憲法裁判所の判事が告発されていない罪状で弾劾を成立させてしまった。それも判事全員が賛成するという異様な光景の中で。
 ハンギョレがいうところの「素晴らしい市民革命」が、実際にはポピュリズムからしか成り立っていないという真実に光を当てるのはいまの韓国社会では厳禁なのだ、ということなのでしょう。

SAPIO (サピオ) 2017年 4月号 [雑誌]
SAPIO編集部
小学館
2017/03/04

パク・クネは本来、弾劾されるべきではなかった……韓国の国民情緒法で裁かれた結果

「儒教式法治」を極める韓国(日経ビジネスオンライン)
──「宣告がおかしい」という意見は、韓国紙の日本語版には見当たりません。

鈴置:韓国語版も同じです。保守、左派を問わず韓国紙は「朴槿恵下野」を要求してきましたから、自分たちの主張に沿った宣告に疑義は挟みません。ただ瞬間的にですが、宣告に首を傾げる法曹関係者の姿が垣間見られました。

 TV朝鮮の「<ニュースを撃つ> 弾劾審判 憲法裁判所の要旨…「容認」決定の争点は?」(3月10日、韓国語の動画)で、です。

 座談会の焦点は、大統領の友人、崔順実(チェ・スンシル)氏による「国政壟断事件」に関し、朴大統領が罷免されるに足る憲法・法律違反をしたか、でした。

 国会がそれ以外の訴追事由としてあげた言論の自由の侵害や、旅客船「セゥオル号」沈没の際の行動に関し、憲法裁判所は宣告の中で罷免するには当たらない、との判断を示したからです。

 この座談会で、ヨ・サンウォン弁護士(前・ソウル地裁副所長)とイ・サンギョン弁護士(前・憲法裁判所裁判官)の2人が大略、以下のように述べました。

憲法裁判所は罷免の理由に、国政壟断を許した職権乱用に加え、大統領が検察や特別検察の事情聴取を拒否したことをあげた。しかし、後者は弾劾訴追案には入っていない。訴追されていないことまで罷免の理由とするのはおかしい(それぞれ動画開始後8分20秒後と11分48秒後)。

──裁判官が、検察官が訴えていないことまで裁いてしまった、ということですね。

鈴置:その通りです。朴大統領の弁護団との間でかなりの諍いがあったので、憲法裁判所が感情的になってこのくだりを入れたのだろうとヨ・サンウォン弁護士は解説しています。 (中略)

鈴置:今回の宣告はまさに「情理」――韓国人の気分にのっとったものでした。8割近い人が「大統領を罷免しろ」と考えている。だったら憲法裁判所もそれに従うだろう――という空気の中での宣告でした。

 憲法裁判所としては、訴追案になくても「国民をバカにした罪」かなにかで、とにかく大統領をやっつける必要に迫られたのです。
(引用ここまで)

 鈴置氏のいつものコラム。
 うちもパク・クネの弾劾が成立した際に主文を読んで、頭の上にはてなマークがいくつも出たのですよ。
 要約すれば「事情聴取に応じなかった。つまり、憲法に従う意思を見せようとしなかった態度は大統領として失格である」としか読めなかったのですね。
 そもそもそんな話が国会での弾劾訴追案にあったかな、と。
 ただ、それに言及している韓国マスコミがどこもなかったので「翻訳の問題かなぁー」くらいに思っていたのですが。

 弾劾成立した日の夜にシンシアリーさんが解説していて、「ああ、やっぱり妙な主文だったのだな」ということは理解したのですが。
 どうもうまくエントリにならなかったので放置していたのですね。なにか書くにしても、シンシアリーさんを丸写しして終わりになりそうだったので、若干の違和感を抱きつつスルーしていました。 
 今回、鈴置氏はその原因を「儒教的法治に先祖返りしたからだ」と指摘しています。

 そして、そんな儒教的法治を敷いている韓国は、日本から見ればもはやモンゴルよりも遠い国なのだ……との指摘でとりあえず今回のコラムは締められています。
 基本的価値を共有していない国なのだ、と。

 膝を叩きましたね。頭の上に浮いていたはてなマークが破裂した感じです。
 本来であればパク・クネの「罪状」は弾劾が成立するようなものではなかったということは、憲法裁判所の判決が出る前に楽韓Webでも重ねて指摘していました。
 それでも憲法裁判所は保身のために弾劾を成立させるであろうという話をしていましたね。

 なんのこたぁない、いつもの韓国なのです。
 その強度が国民情緒法によって強化されたというだけの話だったのですね。ただ、その強化のされかたがもはや日本人にとっては違和感を抱くしかない、気持ち悪さを感じるレベルのものになっていたということでした。
 まあ、韓国にとってはターニングポイントになったであろうことは間違いないでしょうけどね。

SAPIO (サピオ) 2017年 4月号 [雑誌]
SAPIO編集部
小学館
2017/03/04

韓国人「弾劾成立で我々の勝利だ! シャンパンを開けてチキンを食べよう!」 → で、それからどうするの?

【萬物相】勝者の宴のあとに韓国社会が直面する現実(朝鮮日報)
 朴槿恵大統領の弾劾が決まった10日、普段から弾劾を支持していた友人からメッセージを受け取った。「夕方に家族とチキンで一杯やる」というのだ。それだけにとどまらず、外電は「弾劾決定後、韓国がチキンを食べて祝っている」と伝えた。不義に対する風刺か、敗者に対するあざけりか。広場では人々がシャンパンを開ける姿も見られた。翌日には数万人が広場に集まった。祝いの歌が流れ、祝砲も響いた。

 彼らが歓呼しているその時、ため息をつく人々が韓国社会にはいた。法治主義を拒否するわけでも、民主主義を否定するわけでもない。特定の個人ではなく国を憂う人々、考えが異なるために敗者にされた人々だ。弾劾後の政治変動、安全保障危機、経済危機への不安で落ち着かない人も少なくない。大統領弾劾はないに越したことはない不幸な事件だ。声を上げて笑うようなことではない。勝者の宴はいつまで続くのか。宴が長引くほど、社会の亀裂は深まる。パーティーが終われば、現実は間違いなくやってくる。
(引用ここまで)

 日本やアメリカの社会を知っている韓国人は、今回の狂騒をどう感じているのかということを興味を持って探していたのですが、ちょうどソンウ・ジョンがそんな記事を書いていました。
 文章から疎外感を感じます。
 違う社会を知ってしまっているからこその疎外感というか、「勝利」に沸いている韓国人こそが実は敗者であるということを理解しているからの疎外感なのか。
 そもそも勝者は弾劾裁判なんか起こさないよねって話でもあります。

 楽韓Webでも何度かその後をどうするの、弾劾成立直後にはまだなにも変わってないでしょって話をしてますね。
 アメリカの外交政策誌では「このまま左派政権誕生だと米軍撤退」という予測をしています。
 韓国人は政府を恨み、大企業を恨み、社会を恨み、大統領を恨み続けて弾劾にたどり着いた。
 弾劾が成立して大統領が罷免された。シャンパンを開けて、チキンを食べて、ついでに号砲も鳴らして祝っちゃおう。

 で、その後はどうするの、と。
 ムン・ジェインを元首に掲げてどこに行こうとしているのか、というお話なのですが。

「文在寅が反日路線に走れない理由」という記事が気になる。
週刊ニューズウィーク日本版「特集:北朝鮮 新次元の脅威」〈2017年3/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/3/14

 
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